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第三章 王都への旅
75.素材回収
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アリスがフラムとフルームをきれいにして乾かすと、忘れられていたエイシェルを交えてワイバーンのことについて相談していた。
「……さて、コイツをどうするかだが……やっぱり爪とか牙を持ち帰って討伐の証明にするしかないと思うんだけど、みんなはどう思う?」
討伐したからには報告しなければならないのだが、ワイバーン本体を持ち運ぶことなんてできない。
町まで距離があるためこの前のように山の下まで転がせば良いというわけにはいかないのだ。
そうなると必然的に討伐を証明できるものを持ち帰ることとなる。
エイシェルは誰か他にいい案がないかと思い他の3人に聞いてみるがみんな同じだった。
「賛成。流石にこんな大きなの運べないもの」
「そうなると、どの部分を持って帰るかよね……。そういえば!素材集めの依頼ってあったわよね?」
フラムがエイシェルの意見に賛同し、どの部位を持ち帰るか考えているとアリスが思い出した。
ワイバーンの素材は貴重だからと沢山依頼があったのだ。
「たしか、鱗5枚、爪2本、牙2本、尻尾の肉だったよね?」
「フルーム、よく覚えてるわね……」
「お姉ちゃん?何があるか分からないから一度みた情報は覚えとかないと。ワイバーン狩れたら一石五鳥だなって思ってたからね!」
「……その割には出没場所は忘れてたみたいだけどね」
「それはあまり確認できなかったからなのー!」
フルームが依頼達成に必要な素材を覚えていたおかげで最低限持ち帰るものが決まった。
あとは回収するだけなのだが、フラムとフルームが気になることを言い出した。
「そう言えば、ワイバーンにトドメをさした時に、ワイバーンの中で何か硬いものを掠めた気がするんだけど」
「あ、私もそれ思ってた!」
「お互いの剣では無いのか?」
「剣の感触もあったけどそれとは別」
「剣の感触の後に何かあったよ」
エイシェルがお互いの剣がぶつかった感触ではないかと指摘するが、どうやら違うようだ。
何か分からないがフラムとフルームは気になるようでその正体を確認することにした。
「ねぇ、アリス?」
「えっと……なに、かしら?」
アリスは会話の流れでフルームが言いたいことがいくつか考えられた。
ひとつは魔法で解体して欲しいと依頼する。
魔法攻撃がよく通るならウィンドカッターで解体出来そうとは思った。頼まれればやるのはやぶさかでは無いが、フルームの性格上全て丸投げするこの方法は取らなさそうと思われる。
そうなると、次に剣に魔法を付与して欲しいと依頼する。これがフルームが依頼する事として自然と考えられた。
最初から丸投げる気がなく、自分でどうにかする為に手助けして欲しいというものだ。
ただ、問題はその後だ。ウィンドカッターで解体してもそうだが、間違いなくまた血が飛び散るのだ。
アリスとしては出来るだけ避けたい光景であった。
そんなことを考えているとフルームが依頼して来た。
「また私達の剣に魔法を付与して欲しいんだけど……」
やはりきたか。そう思うアリスをよそにフルームが言葉を続ける。
「……その前にそこのワイバーンを少しだけ、柔らかめに凍らせることって出来る?」
「……へ?」
アリスは気の抜けた反応をしてしまった。全く予想外の依頼だったからだ。
何のためにと思った瞬間アリスもフルームの意図を理解した。
「フルーム!あなたって実はあたまいいのね!血が飛び散らないようにっていうのと、尻尾肉の鮮度が落ちないようにってよく考えられているわ!」
「今まで私のことをどう思ってたのか問いただしたいところだけど、アリスの言う通りだよ。出来る?」
「やったことがないから出来るとは言えないけど、まずやってみるわね」
そう言うとアリスはワイバーンに手のひらを向けて魔力を込め始めた。
しばらくすると徐々に周りの温度も下がってくるのを感じる。
そんな時にアリスから声が上がった。
「これでどうかな?ワイバーンの中にある水を冷やすイメージでやってみたんだけど」
そう言うとアリスはフラムとフルームの剣に先程と同じ様に魔力を込めた。
すると赤く燃え盛るフラムの剣と青い水を纏ったフルームの剣が出来上がる。
「ありがとう!多分大丈夫だと思う!……さぁて!いっちょ解体しますか!」
「気になったところと尻尾の部分だけね」
フルームとフラムが解体に取り掛かる。
戦っている時は必死で気づかなかったが剣を刺してみると驚くほど簡単に剣が入った。
そしてアリスの魔法がうまくいったようで剣で切っても汚れが飛び散るなんて事は無かった。
「さっきは必死だったから分からなかったけど、この剣すごいわね……」
「料理してるみたいにサクサクきれる!」
見た目はフラムの剣の方が派手で凍ってるワイバーンに対して相性が良さそうだが、
フルームの水を纏った剣も存外よく切れていた。
切れ味を堪能していた2人だったがよく切れるため目的のものをすぐに見つけることができたのだ。
「お、なんかあった!」
「こっちにもあるわね。アリス、水をお願い」
「はーい」
ワイバーンの心臓と肺の間くらいの位置に左右ひとつずつ手のひらサイズの球が見つかり、洗ってみると水晶のような透明な球であることがわかった。
「なんだこれ?」
「分からないけど……なんだかきれいね」
「真珠みたいなものかな?」
「貝じゃないんだから……でも何かしらね」
4人は球が何なのか話し合ったが答えは出なかった。
帰る頃には日が暮れてしまいそうだったので急いで爪や鱗、牙、尻尾を剥取り町へ帰ることにした。
「……さて、コイツをどうするかだが……やっぱり爪とか牙を持ち帰って討伐の証明にするしかないと思うんだけど、みんなはどう思う?」
討伐したからには報告しなければならないのだが、ワイバーン本体を持ち運ぶことなんてできない。
町まで距離があるためこの前のように山の下まで転がせば良いというわけにはいかないのだ。
そうなると必然的に討伐を証明できるものを持ち帰ることとなる。
エイシェルは誰か他にいい案がないかと思い他の3人に聞いてみるがみんな同じだった。
「賛成。流石にこんな大きなの運べないもの」
「そうなると、どの部分を持って帰るかよね……。そういえば!素材集めの依頼ってあったわよね?」
フラムがエイシェルの意見に賛同し、どの部位を持ち帰るか考えているとアリスが思い出した。
ワイバーンの素材は貴重だからと沢山依頼があったのだ。
「たしか、鱗5枚、爪2本、牙2本、尻尾の肉だったよね?」
「フルーム、よく覚えてるわね……」
「お姉ちゃん?何があるか分からないから一度みた情報は覚えとかないと。ワイバーン狩れたら一石五鳥だなって思ってたからね!」
「……その割には出没場所は忘れてたみたいだけどね」
「それはあまり確認できなかったからなのー!」
フルームが依頼達成に必要な素材を覚えていたおかげで最低限持ち帰るものが決まった。
あとは回収するだけなのだが、フラムとフルームが気になることを言い出した。
「そう言えば、ワイバーンにトドメをさした時に、ワイバーンの中で何か硬いものを掠めた気がするんだけど」
「あ、私もそれ思ってた!」
「お互いの剣では無いのか?」
「剣の感触もあったけどそれとは別」
「剣の感触の後に何かあったよ」
エイシェルがお互いの剣がぶつかった感触ではないかと指摘するが、どうやら違うようだ。
何か分からないがフラムとフルームは気になるようでその正体を確認することにした。
「ねぇ、アリス?」
「えっと……なに、かしら?」
アリスは会話の流れでフルームが言いたいことがいくつか考えられた。
ひとつは魔法で解体して欲しいと依頼する。
魔法攻撃がよく通るならウィンドカッターで解体出来そうとは思った。頼まれればやるのはやぶさかでは無いが、フルームの性格上全て丸投げするこの方法は取らなさそうと思われる。
そうなると、次に剣に魔法を付与して欲しいと依頼する。これがフルームが依頼する事として自然と考えられた。
最初から丸投げる気がなく、自分でどうにかする為に手助けして欲しいというものだ。
ただ、問題はその後だ。ウィンドカッターで解体してもそうだが、間違いなくまた血が飛び散るのだ。
アリスとしては出来るだけ避けたい光景であった。
そんなことを考えているとフルームが依頼して来た。
「また私達の剣に魔法を付与して欲しいんだけど……」
やはりきたか。そう思うアリスをよそにフルームが言葉を続ける。
「……その前にそこのワイバーンを少しだけ、柔らかめに凍らせることって出来る?」
「……へ?」
アリスは気の抜けた反応をしてしまった。全く予想外の依頼だったからだ。
何のためにと思った瞬間アリスもフルームの意図を理解した。
「フルーム!あなたって実はあたまいいのね!血が飛び散らないようにっていうのと、尻尾肉の鮮度が落ちないようにってよく考えられているわ!」
「今まで私のことをどう思ってたのか問いただしたいところだけど、アリスの言う通りだよ。出来る?」
「やったことがないから出来るとは言えないけど、まずやってみるわね」
そう言うとアリスはワイバーンに手のひらを向けて魔力を込め始めた。
しばらくすると徐々に周りの温度も下がってくるのを感じる。
そんな時にアリスから声が上がった。
「これでどうかな?ワイバーンの中にある水を冷やすイメージでやってみたんだけど」
そう言うとアリスはフラムとフルームの剣に先程と同じ様に魔力を込めた。
すると赤く燃え盛るフラムの剣と青い水を纏ったフルームの剣が出来上がる。
「ありがとう!多分大丈夫だと思う!……さぁて!いっちょ解体しますか!」
「気になったところと尻尾の部分だけね」
フルームとフラムが解体に取り掛かる。
戦っている時は必死で気づかなかったが剣を刺してみると驚くほど簡単に剣が入った。
そしてアリスの魔法がうまくいったようで剣で切っても汚れが飛び散るなんて事は無かった。
「さっきは必死だったから分からなかったけど、この剣すごいわね……」
「料理してるみたいにサクサクきれる!」
見た目はフラムの剣の方が派手で凍ってるワイバーンに対して相性が良さそうだが、
フルームの水を纏った剣も存外よく切れていた。
切れ味を堪能していた2人だったがよく切れるため目的のものをすぐに見つけることができたのだ。
「お、なんかあった!」
「こっちにもあるわね。アリス、水をお願い」
「はーい」
ワイバーンの心臓と肺の間くらいの位置に左右ひとつずつ手のひらサイズの球が見つかり、洗ってみると水晶のような透明な球であることがわかった。
「なんだこれ?」
「分からないけど……なんだかきれいね」
「真珠みたいなものかな?」
「貝じゃないんだから……でも何かしらね」
4人は球が何なのか話し合ったが答えは出なかった。
帰る頃には日が暮れてしまいそうだったので急いで爪や鱗、牙、尻尾を剥取り町へ帰ることにした。
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