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「これ……一体、どうすりゃいいんだ」
僕の口からは、途方に暮れた声が漏れた。部屋に所狭しと詰め込まれた段ボールの山、山、山。
それは引越し作業の時に作って軽トラを借りてここまで持って来たのだけれど、どれに何を入れたか、全く覚えていない。
「ふぅ~」
作業に取り掛かる前からすでに、僕の口からは溜息が出た。
「どうして、今まで放っといたんだろう……あ、そうか。暑かったからか」
そう。僕はよりにもよって、夏の猛暑の中、引っ越した。
引越し時に、自分の部屋……寝ることのできるスペースは確保して、おびただしい数の段ボールは隣の部屋に詰め込んだ。
しかし、片付けようとすると、この風通しの悪いサウナのような部屋ではみるみる汗が吹き出して。もう少し涼しくなってから片付けることにして、今まで放っておくことになったのだ。
「くっ……僕はペンが欲しいだけなのに」
そう。僕の目当てはペンタブのペン。タブレット自体は引越し時に躍起になって確保していたのだが、ペンはどこに行ったのか……。もうすぐで恒例のイラストイベントの締切だというのに、全く打つ手がない。
というか、毎日、少しずつでも片付けていれば、部屋自体も片付いていただろうし、こんなことにはなっていないのだが……。
そんなことを考えると、僕の口からはまた、「はぁ~っ」と溜息が漏れた。
「さぁ……気を取り直して、片付けよう」
僕は重い腰を上げ、重い段ボール箱を開け始めた。
「うわっ、何だ、この紙の山……」
それは、計算用紙にしようと思って溜めておいて、結局は使わない大量の紙であった。
「捨てるべきか……。でも、まだ使えるし……そうさ、資源の無駄遣いはいけない。いつかまた、有効活用しよう」
僕はその段ボールは取り敢えず置いておいて、また別のものを開けてみた。
すると……
「うわっ、何だ、このボロ布の山……」
それは、いつか雑巾にしようと思って溜めておいて、結局は使わない使い古しのタオルやシャツなんかだった。
「捨てるべきか……。でも、まだ使えるし……そうさ、片付けているうちに部屋も汚れてくるだろうし、この雑巾は部屋を拭く用だ」
僕はその段ボールは取り敢えず置いておいた。
こんな感じで、全く片付けが進まない……そんな時だった。
一際、重い段ボールがあった。それには何だか、邪気が封じ込められているような気がして……躊躇われたが、僕は思い切って開けてみた。
すると……
「うわっ、何だ、これ?」
その箱の中には、おびただしい数の巨大なキノコが入っていたのだ。
僕の口からは、途方に暮れた声が漏れた。部屋に所狭しと詰め込まれた段ボールの山、山、山。
それは引越し作業の時に作って軽トラを借りてここまで持って来たのだけれど、どれに何を入れたか、全く覚えていない。
「ふぅ~」
作業に取り掛かる前からすでに、僕の口からは溜息が出た。
「どうして、今まで放っといたんだろう……あ、そうか。暑かったからか」
そう。僕はよりにもよって、夏の猛暑の中、引っ越した。
引越し時に、自分の部屋……寝ることのできるスペースは確保して、おびただしい数の段ボールは隣の部屋に詰め込んだ。
しかし、片付けようとすると、この風通しの悪いサウナのような部屋ではみるみる汗が吹き出して。もう少し涼しくなってから片付けることにして、今まで放っておくことになったのだ。
「くっ……僕はペンが欲しいだけなのに」
そう。僕の目当てはペンタブのペン。タブレット自体は引越し時に躍起になって確保していたのだが、ペンはどこに行ったのか……。もうすぐで恒例のイラストイベントの締切だというのに、全く打つ手がない。
というか、毎日、少しずつでも片付けていれば、部屋自体も片付いていただろうし、こんなことにはなっていないのだが……。
そんなことを考えると、僕の口からはまた、「はぁ~っ」と溜息が漏れた。
「さぁ……気を取り直して、片付けよう」
僕は重い腰を上げ、重い段ボール箱を開け始めた。
「うわっ、何だ、この紙の山……」
それは、計算用紙にしようと思って溜めておいて、結局は使わない大量の紙であった。
「捨てるべきか……。でも、まだ使えるし……そうさ、資源の無駄遣いはいけない。いつかまた、有効活用しよう」
僕はその段ボールは取り敢えず置いておいて、また別のものを開けてみた。
すると……
「うわっ、何だ、このボロ布の山……」
それは、いつか雑巾にしようと思って溜めておいて、結局は使わない使い古しのタオルやシャツなんかだった。
「捨てるべきか……。でも、まだ使えるし……そうさ、片付けているうちに部屋も汚れてくるだろうし、この雑巾は部屋を拭く用だ」
僕はその段ボールは取り敢えず置いておいた。
こんな感じで、全く片付けが進まない……そんな時だった。
一際、重い段ボールがあった。それには何だか、邪気が封じ込められているような気がして……躊躇われたが、僕は思い切って開けてみた。
すると……
「うわっ、何だ、これ?」
その箱の中には、おびただしい数の巨大なキノコが入っていたのだ。
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