7 / 7
7
しおりを挟む 次に奈月が目を覚ましたのは、空が白くなり出した頃。時間を確かめたかったけど、首元と腰に回された侑李の手でガッチリホールドされて身動きが取れない。少しだけ顔を動かしてみると、スヤスヤと寝息を立てる侑李の顔があって心臓が跳ねた。
寝起きにイケメンの寝顔は心臓に悪い。だが、そこから目が離せなくなって、ついガン見してしまう。
彫りの深い整った顔。長いまつ毛に縁取られた瞼は、今は閉じているがその下には綺麗なブルーの瞳がある。薄らと開き、吐息を吐く唇はピンク色だが、少し乾燥しているようだった。
この唇が昨日、自分の唇に触れた。キスの感触が蘇り、恥ずかしくなって目の前の彼の胸元におでこを付ける。すると、頭上からクスッと笑い声が聞こえた。
恐る恐る顔を上げると、いつの間に起きていたのか、ブルーの瞳が奈月を見ている。
「おはようございます」
「っ……おはよう、ございます」
ビシリと音を立てて固まった奈月の頭を撫でた侑李は、嬉しそうに目を細める。
「よく眠れた?」
「はい……」
頭を撫でられながら、奈月はゆっくり顔を伏せる。すると、侑李の唇がおでこに触れ、チュと軽く音を立ててキスされた。
「ひゃ……」
「じーっと見てたけど、俺の顔に何かついてた?」
クスクス笑いながら言われて、奈月は自分の顔がどんどん熱くなるのを感じた。見惚れてた上に、昨日のキスを思い出していたなんて、恥ずかしくて言えるわけがない。
「奈月さん?」
「うー……」
穴があったら入りたい。でも穴はないので、代わりに布団の中へ沈んでいった。中で丸まっていると、侑李が優しく声をかけてくる。
「ごめん、意地悪し過ぎたかな。出てきて、奈月さん」
今、顔を見られるのはちょっと恥ずかしい。そう思っていると、布団ごと抱き締められる。
「ごめんね、あんまり可愛い顔して見つめてくるから」
寝起きにイケメンの寝顔は心臓に悪い。だが、そこから目が離せなくなって、ついガン見してしまう。
彫りの深い整った顔。長いまつ毛に縁取られた瞼は、今は閉じているがその下には綺麗なブルーの瞳がある。薄らと開き、吐息を吐く唇はピンク色だが、少し乾燥しているようだった。
この唇が昨日、自分の唇に触れた。キスの感触が蘇り、恥ずかしくなって目の前の彼の胸元におでこを付ける。すると、頭上からクスッと笑い声が聞こえた。
恐る恐る顔を上げると、いつの間に起きていたのか、ブルーの瞳が奈月を見ている。
「おはようございます」
「っ……おはよう、ございます」
ビシリと音を立てて固まった奈月の頭を撫でた侑李は、嬉しそうに目を細める。
「よく眠れた?」
「はい……」
頭を撫でられながら、奈月はゆっくり顔を伏せる。すると、侑李の唇がおでこに触れ、チュと軽く音を立ててキスされた。
「ひゃ……」
「じーっと見てたけど、俺の顔に何かついてた?」
クスクス笑いながら言われて、奈月は自分の顔がどんどん熱くなるのを感じた。見惚れてた上に、昨日のキスを思い出していたなんて、恥ずかしくて言えるわけがない。
「奈月さん?」
「うー……」
穴があったら入りたい。でも穴はないので、代わりに布団の中へ沈んでいった。中で丸まっていると、侑李が優しく声をかけてくる。
「ごめん、意地悪し過ぎたかな。出てきて、奈月さん」
今、顔を見られるのはちょっと恥ずかしい。そう思っていると、布団ごと抱き締められる。
「ごめんね、あんまり可愛い顔して見つめてくるから」
0
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
シャルル・ド・ラングとピエールのおはなし
ねこうさぎしゃ
児童書・童話
ノルウェジアン・フォレスト・キャットのシャルル・ド・ラングはちょっと変わった猫です。人間のように二本足で歩き、タキシードを着てシルクハットを被り、猫目石のついたステッキまで持っています。
以前シャルル・ド・ラングが住んでいた世界では、動物たちはみな、二本足で立ち歩くのが普通なのでしたが……。
不思議な力で出会った者を助ける謎の猫、シャルル・ド・ラングのお話です。
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録〜討伐も採集もお任せください!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?〜
うさみち
児童書・童話
【見習い錬金術士とうさぎのぬいぐるみたちが描く、スパイス混じりのゆるふわ冒険!情報収集のために、お仕事のご依頼も承ります!】
「……襲われてる! 助けなきゃ!」
錬成アイテムの採集作業中に訪れた、モンスターに襲われている少年との突然の出会い。
人里離れた山陵の中で、慎ましやかに暮らしていた見習い錬金術士ミミリと彼女の家族、機械人形(オートマタ)とうさぎのぬいぐるみ。彼女たちの運命は、少年との出会いで大きく動き出す。
「俺は、ある人たちから頼まれて預かり物を渡すためにここに来たんだ」
少年から渡された物は、いくつかの錬成アイテムと一枚の手紙。
「……この手紙、私宛てなの?」
少年との出会いをキッカケに、ミミリはある人、あるアイテムを探すために冒険を始めることに。
――冒険の舞台は、まだ見ぬ世界へ。
新たな地で、右も左もわからないミミリたちの人探し。その方法は……。
「討伐、採集何でもします!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?」
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録は、今、ここから綴られ始める。
《この小説の見どころ》
①可愛いらしい登場人物
見習い錬金術士のゆるふわ少女×しっかり者だけど寂しがり屋の凄腕美少女剣士の機械人形(オートマタ)×ツンデレ魔法使いのうさぎのぬいぐるみ×コシヌカシの少年⁉︎
②ほのぼのほんわか世界観
可愛いらしいに囲まれ、ゆったり流れる物語。読了後、「ほわっとした気持ち」になってもらいたいをコンセプトに。
③時々スパイスきいてます!
ゆるふわの中に時折現れるスパイシーな展開。そして時々ミステリー。
④魅力ある錬成アイテム
錬金術士の醍醐味!それは錬成アイテムにあり。魅力あるアイテムを活用して冒険していきます。
◾️第3章完結!現在第4章執筆中です。
◾️この小説は小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
◾️作者以外による小説の無断転載を禁止しています。
◾️挿絵はなんでも書いちゃうヨギリ酔客様からご寄贈いただいたものです。
天使くん、その羽は使えません
またり鈴春
児童書・童話
見た目が綺麗な男の子が、初対面で晴衣(せい)を見るやいなや、「君の命はあと半年だよ」と余命を告げる。
その言葉に対し晴衣は「知ってるよ」と笑顔で答えた。
実はこの男の子は、晴衣の魂を引取りに来た天使だった。
魂を引き取る日まで晴衣と同居する事になった天使は、
晴衣がバドミントン部に尽力する姿を何度も見る。
「こんな羽を追いかけて何が楽しいの」
「しんどいから辞めたいって何度も思ったよ。
だけど不思議なことにね、」
どんな時だって、吸い込まれるように
目の前の羽に足を伸ばしちゃうんだよ
「……ふぅん?」
晴衣の気持ちを理解する日は来ない、と。
天使思っていた、はずだった――
\無表情天使と、儚くも強い少女の物語/
Sadness of the attendant
砂詠 飛来
児童書・童話
王子がまだ生熟れであるように、姫もまだまだ小娘でありました。
醜いカエルの姿に変えられてしまった王子を嘆く従者ハインリヒ。彼の強い憎しみの先に居たのは、王子を救ってくれた姫だった。
ドラゴンの愛
かわの みくた
児童書・童話
一話完結の短編集です。
おやすみなさいのその前に、一話ずつ読んで夢の中。目を閉じて、幸せな続きを空想しましょ。
たとえ種族は違っても、大切に思う気持ちは変わらない。そんなドラゴンたちの愛や恋の物語です。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる