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僕は大急ぎであの場所へ戻った。
「一体、何が……」
未だ、血まみれの自分を見たショックから抜け出せずに、僕の胸では心臓がドックン、ドックンと暴れていた。
だけれども、それよりも……彼が、何を伝えようとしていたのか。それが気になって仕方がなかった。
「えっ……」
僕は思わず、凍りついた。
救急車のサイレンが鳴り響くそこには、さらに多くの人混みができていて。電柱に激突した車が生々しくへしゃげていた。
救急隊員は、幾人もの血まみれの怪我人を担架に乗せて運び込んでいた。
「うわぁ……悲惨」
「運転手はおじいさんだって。アクセルとブレーキ、踏み間違えたんかな」
「それにしても、危なかった。あと数秒早ければ、俺も……」
人混みからそんな言葉が飛び交い、大きな騒つきとなっていた。
僕はその中を呆然と立ち尽くしていた。
その時だった。
「あのまま、あっちに行っていたら……」
その言葉に振り返るとそこには、血まみれの『僕』が立っていた。
「どうして……君は……」
声にならない声を出す僕に、にっこりと微笑んで……その『僕』は、そのまますぅっと消えていった。
「一体、何が……」
未だ、血まみれの自分を見たショックから抜け出せずに、僕の胸では心臓がドックン、ドックンと暴れていた。
だけれども、それよりも……彼が、何を伝えようとしていたのか。それが気になって仕方がなかった。
「えっ……」
僕は思わず、凍りついた。
救急車のサイレンが鳴り響くそこには、さらに多くの人混みができていて。電柱に激突した車が生々しくへしゃげていた。
救急隊員は、幾人もの血まみれの怪我人を担架に乗せて運び込んでいた。
「うわぁ……悲惨」
「運転手はおじいさんだって。アクセルとブレーキ、踏み間違えたんかな」
「それにしても、危なかった。あと数秒早ければ、俺も……」
人混みからそんな言葉が飛び交い、大きな騒つきとなっていた。
僕はその中を呆然と立ち尽くしていた。
その時だった。
「あのまま、あっちに行っていたら……」
その言葉に振り返るとそこには、血まみれの『僕』が立っていた。
「どうして……君は……」
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