異世界でメリークリスマス

ゆうき

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それぞれのクリスマス

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「ここに来て初めてのクリスマスか……」
 
 僕は半年前異世界に転生した
 いつものように幼馴染と裏道を通っていると見た事のない世界に飛ばされた
 戻ろうとしても戻ることはない…後ろには行き止まりしかなかったのだから
 初めは苦労した、だって右も左もわからないのだから
 幸いなことは言語が理解できたことだ
 右往左往しながら生きてきたのは思い出だ
 今現在僕たちは冒険者としてそこそこ稼ぎこの世界で生きている

「なぁ亜季~」
「何よ? お金なら貸さないわよ?」
「僕がお前にいつ借りたよ」
「人間何時どうなるか……」
「ひどくねぇか?」
 
 僕はため息をつきながら相談する

「彼女とどうしたら上手くいくかな?」
「あら、案外上手くいってるじゃない」
「そうか?最近全然会えてないし」
「まぁ、彼女も忙しいでしょ冒険者なんだし……」

 僕達はなかなか会えない理由はギルドだ
 僕のギルドはそれぞれシフト制で魔法士、弓士、剣士、回復士、槍士、銃士の六人で彼女は回復士だ…このギルドは回復士が少ないので必然的にシフトが増えて休みが少なくなる
 因みに亜季は魔法師で回復魔法も使える
 僕は魔法師と弓士だ

「それにしたってわざとシフトが外れているようにしか見えないんだよな…」
「避けられてるとか?」
「マジか……」
「そっちもか……」
「というとお前も?」
「うん、彼から避けられてる」
「お互い避けられてるか、一応プレゼント用意したのに……」
「私も……」
「「はぁ~」」

 扉が開き二人の男女が入ってくる

「やぁ、お待たせ…」
「あ、クルトそれに…」
「エナ!?」
 
 後ろにはそれぞれプレゼントを持っている

「最近忙しくてごめんね~はい、これプレゼント……」
「これは……弓?」
「うん、もうボロボロだったでしょ?新しいのはどうかなって……」
「僕からはローブだ」
「クルト……ありがとう!」
 
 僕達は受け取る
 
「あ、そうだこれ……」
 
 箱を渡す

「これって?」
 
 箱を開けると大量の髪飾りが入っていた
 
「えっと……」
「ごめん全部似合いそうで一つに選べなくて…全部買っちゃったんだ…」
「ふふっ……あはは!」
「あんたこれはないわ~」 
「そういう亜季こそ渡すんだろ?」
「あ、そうだこれ……」
「これは……」
「鎧だよ、毎回同じ物着てるでしょ?だから……」
「あぁ……大事にする……」
「サイズ把握してるのひくわぁ~」
「う、うるさい!」
「それじゃあ~始めようか……」
 
 異世界のクリスマスをはじめほっこり過ごすのだった
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