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前編
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彼女はいきなり命を絶った。
理由は知る由もない。
死因は自殺だとされている。
だけど僕は知っている。
彼女が自殺するなんてありえないということを。
だからこれから聞き込みをしていこうと思う。
クラスメイトで彼女と仲の良かったグループにまず話を聞く為、教室へ向かう。
「え~? 彼女の事? 本当に知らないなぁ~」
「何かおかしな点とかは?」
「そう言われても……」
「あ、でもおかしな点と言えば……」
もう一人の女生徒は何かを思い出したかのように話し始める。
「そう言えばあいつに呼び出されてたよね? ほら、数学の……そう! 奥寺!」
「あ~そう言われてみれば、結構な頻度で呼び出されてたよね~」
「呼出?」
「あ、うん、数学の教科書の手伝いとか……ほらあの子って断れない子じゃない?」
確かに彼女は教師や皆から頼みごとを押し付けられることが多々あった。
少し減ったが未だにお願いする輩は後を絶たないことが多かった。
もしかして無理難題で悩んで自殺したとか?
「私達が知ってるのはそのくらいかな…」
「ありがとう……」
「ねぇ永田、言いたくないけど引きずらない方が良いよ」
「そうそうあんたの所為じゃないんだし」
「まぁ、でもこれはけじめだから……」
「?」
そうこれはけじめだ。
もし僕が彼女の事を困らせた原因の一部ならそれを受け止め生きていくことにする。
クラスメイトが行っていた数学の奥寺に話を聞く為、職員室に向かう。
「失礼します。 奥寺先生に用があるのですが」
「どうした?」
扉を開けると、奥寺が職員室にいた。
「ん~まぁ、最近告白されることとその……変な頼み事を言われることが多いと相談を受けていてな……」
「変な事?」
「ほら、あの子って断れない子だろ? その俺の口からは直接言えないがそういうお願いする輩が一定数はいるらしいんだよ……まぁ、僕はそういった輩は先生がちゃんと注意したし、親衛隊全体にも伝えたから警備は強化されていたとは思うんだが……」
「その面子のリスト書いてもらってもいいですか?」
「生徒の個人情報に関わるから聞くのなら親衛隊から聞くなら親衛隊に頼むんだな」
「わかりました……」
告白か……そりゃ可愛いもんな……
彼女は黒髪ショートに顔に丸い黒い瞳、小動物を連想させる風貌の少女なのでモテないはずがない
今更ながら彼女がそんな苦労してたなんて知らなかった……
教えてくれればいいのに!
そう思いながら次の親衛隊の方に話を聞きに向かう
部屋に入るといつも活気だって僕が入ると敵意むき出しの彼らが彼女がいなくなり途方に暮れている
「ちょっといいか?」
あ~永田か? 何の用だ?」
「彼女の悩みについて聞きたい……」
「悩み?」
「奥寺から彼女が奥寺に相談してたのは知ってるよな?」
「うん、その情報なら代表から聞いてたよ」
「代表は今どこに?」
「ここ最近は休んでいるよ……相当ショックだったみたいだから……」
「そうか、その相談の奴らのリストはあるのか?」
「あぁ、そう言えば……ここ最近見ていないな……」
「そうか、そのリストの奴らをお前たちはどうしたんだ?」
「うん? 言う必要ある?」
恐らくそれ相応の罰を与えたのだろう
「流石だな…」
「それでも彼女を救えなかった……俺達は親衛隊失格だよ……」
「執行した奴は覚えているか?」
「あぁ、書こうか?」
「頼む……」
彼が覚えているリストを書き出してもらう
「ありがとう……」
「それにしても今更何を調べ回っている?」
「俺はどうしても彼女が自殺したとは思えなくてな……悪い……」
「そうか、何か見つけたら教えろよ……代表にもそれとなく聞いてみることにするから……」
「あぁ……」
そう言って彼女の親衛隊の根城を後にした
理由は知る由もない。
死因は自殺だとされている。
だけど僕は知っている。
彼女が自殺するなんてありえないということを。
だからこれから聞き込みをしていこうと思う。
クラスメイトで彼女と仲の良かったグループにまず話を聞く為、教室へ向かう。
「え~? 彼女の事? 本当に知らないなぁ~」
「何かおかしな点とかは?」
「そう言われても……」
「あ、でもおかしな点と言えば……」
もう一人の女生徒は何かを思い出したかのように話し始める。
「そう言えばあいつに呼び出されてたよね? ほら、数学の……そう! 奥寺!」
「あ~そう言われてみれば、結構な頻度で呼び出されてたよね~」
「呼出?」
「あ、うん、数学の教科書の手伝いとか……ほらあの子って断れない子じゃない?」
確かに彼女は教師や皆から頼みごとを押し付けられることが多々あった。
少し減ったが未だにお願いする輩は後を絶たないことが多かった。
もしかして無理難題で悩んで自殺したとか?
「私達が知ってるのはそのくらいかな…」
「ありがとう……」
「ねぇ永田、言いたくないけど引きずらない方が良いよ」
「そうそうあんたの所為じゃないんだし」
「まぁ、でもこれはけじめだから……」
「?」
そうこれはけじめだ。
もし僕が彼女の事を困らせた原因の一部ならそれを受け止め生きていくことにする。
クラスメイトが行っていた数学の奥寺に話を聞く為、職員室に向かう。
「失礼します。 奥寺先生に用があるのですが」
「どうした?」
扉を開けると、奥寺が職員室にいた。
「ん~まぁ、最近告白されることとその……変な頼み事を言われることが多いと相談を受けていてな……」
「変な事?」
「ほら、あの子って断れない子だろ? その俺の口からは直接言えないがそういうお願いする輩が一定数はいるらしいんだよ……まぁ、僕はそういった輩は先生がちゃんと注意したし、親衛隊全体にも伝えたから警備は強化されていたとは思うんだが……」
「その面子のリスト書いてもらってもいいですか?」
「生徒の個人情報に関わるから聞くのなら親衛隊から聞くなら親衛隊に頼むんだな」
「わかりました……」
告白か……そりゃ可愛いもんな……
彼女は黒髪ショートに顔に丸い黒い瞳、小動物を連想させる風貌の少女なのでモテないはずがない
今更ながら彼女がそんな苦労してたなんて知らなかった……
教えてくれればいいのに!
そう思いながら次の親衛隊の方に話を聞きに向かう
部屋に入るといつも活気だって僕が入ると敵意むき出しの彼らが彼女がいなくなり途方に暮れている
「ちょっといいか?」
あ~永田か? 何の用だ?」
「彼女の悩みについて聞きたい……」
「悩み?」
「奥寺から彼女が奥寺に相談してたのは知ってるよな?」
「うん、その情報なら代表から聞いてたよ」
「代表は今どこに?」
「ここ最近は休んでいるよ……相当ショックだったみたいだから……」
「そうか、その相談の奴らのリストはあるのか?」
「あぁ、そう言えば……ここ最近見ていないな……」
「そうか、そのリストの奴らをお前たちはどうしたんだ?」
「うん? 言う必要ある?」
恐らくそれ相応の罰を与えたのだろう
「流石だな…」
「それでも彼女を救えなかった……俺達は親衛隊失格だよ……」
「執行した奴は覚えているか?」
「あぁ、書こうか?」
「頼む……」
彼が覚えているリストを書き出してもらう
「ありがとう……」
「それにしても今更何を調べ回っている?」
「俺はどうしても彼女が自殺したとは思えなくてな……悪い……」
「そうか、何か見つけたら教えろよ……代表にもそれとなく聞いてみることにするから……」
「あぁ……」
そう言って彼女の親衛隊の根城を後にした
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