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一年生編

日和ちゃんのお部屋

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「ここでいいよ」

 駅に着くと、彼女はそういった。
 この荷物量、流石に彼女は持って帰れないだろう。

「あれだったら、送るけど?」

 定期だし。

彼女の家は僕のとこから学校まで中間にあるので定期を使えば行ける距離だ。

「……じゃあ、お願いしようかな」

 そう言って彼女を家に送る。
 彼女の住む家は隣駅という事もあり、歩いていくことにした。 

「椎名さんってさ」

 不満そうに彼女は僕の方を見る。
 何か不味い子とは言ってないはずだ。

「私、誠一君って呼んでるのに、いつまで私は椎名さんなの?」

 あぁ、そういう事……。
 
「……日和ちゃん?」
「日和でいいよ、私も誠一って呼んでいい?」 
「わかった……日和の家ってエイン近い?」

 エインとは大型ショッピングモールだ。
 
「うん、目の前にある」
「……え?」

 そう言って彼女の家に行くと、その通りと言わんばかりの目の前にエインがあった。

「よかったら、上がっていかない?」

 家に着くと、彼女はそう提案してきた。
 流石に、知り合って間もない女の子の家に入るのは流石に悪い気がする。

「いや、ここでいいよ」
「遠慮しないで、運んでもらったし飲み物でも飲んでいきなよ」

 そういう事なら、お言葉に甘えることにした。

「それじゃあ、お言葉に甘えるかな」

そう言って彼女は鍵を開けると扉を開き、僕は中に入る。

「こっちまで運んでくれる?」
「了解……お邪魔しま~す」

 彼女の案内に従って僕は荷物を運んでいく。

「お疲れ様、少しここで待ってて」

 そう言って彼女は部屋を出ていく。
 なんていうか、彼女の性格とは違い実にシンプルな部屋だった。
 机と椅子、ベッドと唯一あるのはクマのぬいぐるみくらいだった。

「おまたせ~、オレンジジュースでよかった?」

 彼女は紙コップの入った袋と、オレンジジュースを持ってくる。

「うん、ありがとう」

 そう言うと、彼女はコップを置くとオレンジジュースを注いでくれる。

「ありがとう」
「どういたまして~、お菓子いる?」
「あ、うんありがとう」

 彼女は引き出しからお菓子を取り出す。
 そうして、少しのお菓子タイムをしながら彼女と楽しい時間を過ごした。

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