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一年生編

幼馴染み姉妹は、僕を振り回す

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場所は公園の噴水場。
 美優ちゃんが出かけたいという事で、僕は一度帰って私服に着替えて彼女を待つ。
 十時に集合との事なので、先に待っていると、 
 
「お待たせ~」

 美優ちゃんの声がしたので目を向ける。
 
「まった?」
「いや、全然」
「そこは、今来たところっていう所じゃない?」
「ドラマや漫画の見すぎだ、僕の多くを期待するな」
「ひねくれてるな~、それよりどう? 似合ってるかな?」

 美優ちゃんは、両手を広げて聞いてくる。
 紅羽はショートパンツにフリルスリーブでスニーカーというシンプルな服装で、美憂ちゃんはパーカーにジーパンという服装でとても似合っていて可愛い。

「似合ってるよ」
「可愛い?」

 上目遣いで彼女はそう言ってくる。
 この子、昨日から思ったんだけど結構あざといな。
 小悪魔系というか、マセてるというか将来心配だ。

「えっと、うん……可愛い」
 そう言うと、美優ちゃんは照れ臭そうにモジついている。
 こういう所は年相応なのな。

「お姉ちゃんも?」
「あ、あぁ……」

 公園にいる男共の視線が痛い。
 それはそうだ、二人の美少女といるのだから当然だ。
 
「それじゃあ、いこう」

 美優ちゃんはそう言うと、僕の腕を組んでくる。
 彼女の揺れた髪から匂いが漂ってくる。
 いい匂いだった。

「ほら、行くよ……お兄ちゃん」

 そう言って彼女は引っ張ってくる。
 紅羽はというと、もの凄く不機嫌そうに頬を膨らましてこっちを睨んでいる。
 理不尽である。 


 そうして歩いていくと、出店がたくさん出店している。
 美優ちゃんが見せてきたのは、公園で開催されるイベントだ。
 ありとあらゆる出店が立ち並び、フリーマーケットもやっているので意外と出店の値段が高くても人が賑わっている。

「ここ、意外と掘り出し物があったりするんだよ」
「確かに、中古だけどそれなりに悪くない値段だよね~」

 二人はフリマの品定めを始めてしまっている。
 まぁ、荷物持ちとして連れてこられたというわけだ。

「疲れた~」
「お疲れ様……はい、これ」

 そう言って僕は彼女達が交渉している間に買ってきた飲み物を渡す。

「お~、気が利くね……お兄ちゃん」

 そう言って美優ちゃんは飲み物を受け取り、ごくごくと飲み干す。
 
「こ~ら、誠一にちゃんと払いなさい……ごめんね、はいこれ」
「いいよ、これは僕の奢り」

 お金の面はきっちりしないといけないが、別に二人になら奢ってあげてもいい。

「ありがとう、それにしてもごめんね突っ走っちゃって」
「いいよ、気にしないで……それより、まだ回ったりする?」
「ううん、一通りめぼしい物は買ったし、後は腹ごしらえかな」
「お兄ちゃん、お腹空いた~!!」

 時間は昼過ぎ……朝食を食べたのが七時だから丁度お腹が減ってくる頃だった。

「出店で何か食べる?」
「いや、セイゼリアにしよ……ここ高いし」
「それもそうだな」

 そう言って昼食を済ませて、再び公園内を軽くみて帰宅した。 
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