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珍客編

咲と亜美

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 咲「そんな…」 
 亜美「幸い…私達はまだ生き延びられている…」

 私も魔王を殺せばこうなっていたのか…
 それよりも面倒臭い形だが

 亜美「それにしても貴方…この世界に来てどのくらい経つの?」
 咲「うーん1年…」
 亜美「今幾つ?」
 咲「16」 
 
 目で何かを訴えてくるイーリャの視線を無視する
 心は永遠に16なのだから…

 亜美「同い年なんだ…じゃあさっきーって呼ぶね?」
 咲「さっきー!?」

 なんなのこのフレンドリー…ボッチには辛すぎる…

 亜美「嫌だった?」
 
 この目何かに縋る目…大切な人を失ったばかりの昔の私だ…
 ここでなら甘えを許さず現実を見させるべきなのだろうが
 生憎私はそういうことが出来そうもない…
 これは傷の舐め合いだ…解ってはいるしかし…

 咲「うんいいよ亜美のことはなんて呼ぼうか?」
 亜美「うーんみんなからあーちんって呼ばれてたかなぁ~」
 咲「わかったよあーちん」
 亜美「えへへ~」

 少しだが元気を取り戻した様だよかった

 亜美「さっきー…この迷宮貴方が作ったんだよね?」
 咲「うん、そうだけど…」
 亜美「私拠点が欲しいんだ…ほら国追い出されちゃったし…」
 
 建物を作るかぁ簡単だけど…
 簡単な建物ならすぐ作ることはできる

 咲「あてはあるの?」
 亜美「今は誰もいない魔王城があるわ」
 咲「ふーん改築ならまぁ出来るけど」
 亜美「本当に!?」
 咲「でも条件がある」
 亜美「条件?」

 ここで交換条件を出さなければ利用されるだけの存在になる
 過去にそれ目当てで来た奴が多かった
 処理できないため交換条件を出すと誰も居なくなった人間なんてそんなものだ…自分も人間だけど…
 
 亜美「良いわその条件ってなに?」
 咲「え、いいの?」
 亜美「当たり前じゃない私達友達でしょ?」
 咲「じゃあ、守護者の森に行ってみたい」
 亜美「え、あの入れば生きて帰れない死の森?」
 
 あそこには守護者と呼ばれる者が統治しているそのため入った者は前で追い返されるか死ぬかどちらかなのだそうだ
 20代前後でありながら圧倒的な強さを誇る男女むしろ召喚者なのではと疑ってしまう

 咲「私一人では無理だと思ってたんだよねーだからお願いしても良い?」
 亜美「私追われてるのよ?」
 咲「私よりは強いし何より私の鍛冶スキルが有れば大丈夫!」
 
 最近建築だけでなく鍛冶屋に足を運び物を作っている
 
 咲「それにほら…」
 
 腕に魔力を通し魔力の糸で盾を作る

 咲「こんなこともできるし…」
 亜美「私いらないでしょ」
 咲「魔力切れたら死ぬじゃん」
 亜美「イーリャさんいるでしょ」
 イーリャ「彼女の魔力が切れれば私も動けませんよ」
 咲「お願い!」
 亜美「…仕方ないわね…」

 お互いに納得したところで私達は遠征の日にちを決めるのだった
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