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第十二話 サウル君五歳

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五歳になった。
 
「サウル~!!」

 少女の声に振り向くと二人の銀髪の少女がこちらに向かってきていた。
 丸い目をした方がルラつり目の方がリラという名前だ。
 二人とも綺麗な白銀の眼を持った美少女だ。
 双子の少女たちが僕の前で止まる。

「やぁ、リラにルラ」

 後ろに隠れているルラにも声をかける

「こんにちわ、サウル……」

 照れくさそうにルラが言う。
 
「あそぼ~!!」

 対照的にリラは元気よくこちらを見て言う。 

「いいよ、何して遊ぶ?」

 リラは「う~ん」っと考える
 
「ルラは何がしたい?」
「え、私?」
「何かしたい遊びはない?」

 そう言われルラは胸に抱いている本を握りしめ、

「じゃ、じゃあ本読みたい……」

 持っていた本を掲げる。

「それ、遊びじゃないでしょ!!」

 リラが突っ込む。

「あ、そうだった……じゃあ追っ駆けっこ……」

 リラは納得したのか、

「サウルもそれでいい?」
「あ、うん大丈夫!!」

 手を前に出す……ジャンケンだ。

「ジャンケン、ポン!」

 グーを出すと二人がパーを出していた。
 流石双子……。
 じゃんけんの結果、捕まえる役になった……。

「じゃあ始めるぞ~」

 木の方に向き、目を閉じる。

「い~ち、に~い……」

 二人は走り出した音が聞こえた。

「にじゅうきゅ~う、さんじゅ~う!」

 30数え終えると目を開け、辺りを見渡す。
 かくれんぼ&鬼ごっこの略して隠鬼ごっこを開始するのだった。
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