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第八話 初めての外出
しおりを挟む四歳になり言語も話せるようになった。
練習の賜物なのか千鳥足だが、歩けるようにもなった……。
「サウル~準備できたか?」
「は~い、準備できましたよ~」
母が自分の代わりにそう言う。
父はサウルを抱え、外に出る。
外に出ると周りは村だからか、無差別に家が立ち並んでいる。
歩いていくと畑仕事を行っている年老いた。
「ウオラじゃねぇか!」
老人がこちらみて、駆け寄ってきて声をかけてくる
「おう! 爺さんも元気か?」
ウオラは老人に笑顔で言った。
「見ての通りピンピンしてるぞ!」
老人は僕の方を見る。
「今日はお披露目か?」
ウオラは僕を老人の方へ近づける。
「あぁ、サウルも四つになったしな……」
老人は感慨深そうに見ている。
「あの時の赤子が大きくなったの~」
老人は頭に触れ、撫でてくる。
撫でられるのはいつぶりだろう。
悪い気分ではないな……。
「そうだろ!」
「ほら、サウル……」
ウオラは僕を下ろすと挨拶しろということなのだろう
「はじめまして、サウルと申します……」
老人は驚いた顔をしながらウオラを見る。
「ウオラより賢いじゃねぇか、本当に息子か?」
老人がそう言うと、ウオラは罰が悪そうにみる。
「うるっせ、正真正銘俺の息子だ!!」
「そうは言ってもな、昔のお前とは大違いじゃ」
「それを言うのは無しだぜ……」
皆で笑い合っている。
軽い雑談をしている。
「そろそろ行くわ……」
「儂が言うのもなんじゃが気を付けてな~」
手を振り別れ、再び歩いていくのだった。
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