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第二話 事故死

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 目の前に二つの映像が映る。
 1つは飛行機が飛んでいる映像だ。
 もう一つは僕達の覚えている映像。
 飛行機の方を見ると部品か何かが落ちていく。
 映像は飛行機から落ちた物の視点に移り変わる。
 どんどん堕ちていく。
 陸たちは寝転んで星空を見ている。
 部品は雲を通り過ぎるとよく見た日本の光景が映る。
 地面の建物が鮮明になっていく。
 部品視点から学校が見える。
 その頃には陸と蒼は互いに見つめている。
 部品は一直線に向かっていく。
 二人は互いに冷えるのか互いの身体を抱きしめている。
 映像は途絶える。

「こういうこと」
「運無さすぎだろ」
「あ~うん、これは僕にも予想外だったんだ。ここに飛行機の部品が落ちることも君達にあたることも」
「それってなにか手違いがあったとか?」
「それは今、調査中だし詳しくは言えない」
「僕は君達を不憫に思って提案があります!」

 ウルクスは指を立てて語り掛ける。

「提案?」
「異世界に転生してみる気はないかい? もちろん条件を付けてもらってもいいよ~」
「はい! わかりました!」

 頭が追い付かない僕をよそに先程まで隠れていた葉が目を輝かせながら即答していた。

「待て待て、どう考えても怪しいだろう?」
「どこが? 異世界転生の鉄板でしょ?」

 蒼は異世界転生物の小説が大好物だったな……。
 陸も読んだことはあるのでなんとなくわかる。

「異世界転生物は僕も知っている。 だけど」

 彼女は陸の手を掴んで微笑みかけてくる。

「私達はもう死んだのよ。 だからもし記憶を持っているなら異世界無双できるかもよ?」

 身体を震わせながら笑顔でいう。
 それはそうだ、いきなり死んではいそうですかなんて受け入れられる人間なんていない。
 彼らの人生はこれからだってのに死んでしまったのだ。

「ねえ、ウルクス……」
「ん?」
「陸とはまた会える?」
「もちろん、それで良ければお安い御用さ」
「なら私は迷うことはないわ……あとは陸だけだけど……」

 そういうと、陸の方を見つめた。
 
 
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