サンタなんかじゃない

的射 梓

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お姫様じゃなくても

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「……っ、悠李、本当に可愛すぎっ!!」

 がばっと抱きしめられた。かっちゃんは僕より一回りガタイが大きい。

「苦しい……」
「!! すまん。力入れすぎた」

 体を起こしたかっちゃんに、頭を撫でられた。地毛じゃないんだけど。
 かっちゃんの手が置かれたところから、こそばゆい刺激が広がっていて……。

「いや、そうじゃないっていうか、そうって言うか……。なんか息が苦しい」

 ふぅん……と少し考えたかっちゃんは、ぼくのあごを手で抑えて。

「なら、もっと苦しくさせてやる」

 どきっとしている間にまた唇が繋がる。時間がゆっくり感じられるような、穏やかなキスだ。
 目を閉じていると気持ちよくて寝ちゃいそ……と思っていたら。

「ふ……ッ! ダメ、それ」

 トップスをまくり上げてくるかっちゃんを、必死に阻止した!

「いいだろ? 悠李のハダカ、見せて……」

 あ、アダっぽい……。流されそうになるけど、流されない。

「女の子スイッチが入ってるときはムリ! それ、夢の国のネズミの着ぐるみをはがすようなモンだから!」

 だって、女の子の体を作るにはお砂糖とスパイス以外にも色々なものが必要なのだ。
 アソコは見せられても、ソコは見せられない。
 気合い入れてきた女の子の顔をいきなりクレンジングティッシュでこするような暴挙だ。肌荒れしないだけマシだけど。

「ちょっとだけだけでいいから」
「パーカーだけなら……」

 パーカーを脱がされて、カットソーだけにされる。
 心臓に近いところなせいか、それともかっちゃんの顔が近いせいか、ショーツを脱がされるときよりドキドキして。

 かっちゃんは脱がされたパーカーを丸めて脇に置くと、胸をなぞって、揉んできた。
 もちろん偽胸だ。女の子にすると広めな肩幅をごまかすために相当盛ってある。
 かっちゃんが触ってくれててもぼくは一ミリも感じない。
 感じないはずなのに、かっちゃんに揉まれて胸の形が変わっていくのを見てると、なんかエッチだ。あ……やば……。

「それ、面白い?」
「悠李の胸は柔らかいから」
「あは、柔らかすぎてハリも何もないと思うけど」

 元の胸が空っぽ過ぎて夢しか詰まってない。具体的に言うとタオルだ。
 するとかっちゃんはむんずと偽胸をつかんで、それ全体をこすりつけるように動かして。
 中に詰まってるタオルに胸の先がこすれて……!

「……っ」
「巨乳なのに感度いいなんて卑怯だな」

 シーツをつかんで耐えるけど、身悶みもだえざるを得ないくらいのしびれが胸の先に続いて。
 じたばたたと足を踊らせていると、かっちゃんの固くなってるのに当たって……。
 どうしても、ぼくのだって反応してしまってるんだけど……そこを……!

「悠李のココも、固くなってきた」

 かっちゃんが、スカートの上からぼくのを、なぞった。

「……ッ!」

 恥ずかしくて、しずまれって念じるのに、ソコは全然聞かん棒でますます大きくなって……。

「女の子スイッチが入ってるんだからって言ったろ、ソコ触んないでよ」
「女の子だったら尚更、念入りに濡らしてやらねーとな!」

 ぼくの下腹部に体を移した、かっちゃんは、またスカートをまくり上げてくる。
 今までと違うのは……真正面から見られてて、だからその、ぼくの花茎かけいもかっちゃんの正面ってことだ。

「ちょっと!」
「俺に任せて」

 だからその甘い声やめろ、頭が働かなくなる。
 かっちゃんはショーツの上から何度かぼくのの形をなぞった。
 自分でだってシてるけど、かっちゃんに触られるのは全然異次元の感覚で……。
 ぼくは跳ね上がりそうになる体を、強くシーツをつかんで縛りつけた。

 恥ずかしいのに、かっちゃんがショーツを脱がそうとするとなぜか物欲しくなってやすやすとお尻を上げてしまって。
 ソコをおおうものがなくなると、かっちゃんは……迷わずぼくのソレに口づけてきた!

「だから、汚いって! ん……ぁ……っ!」
「悠李の体に汚いところなんてないぞ」

 かっちゃんはゆっくりと花茎の包皮をぐと、手の腹でそっとくにくに・・・・と押さえてきた。
 もどかしい刺激がぼくの頭の中を支配して、意識が揺らいでくる。
 花茎の先からカタチをなぞるように舌先を滑らせると、会陰えいんから後蕾へと移ってきて。

「……っ!」

 尖らせられた舌先に、後蕾の入り口を撫でくり回される。
 いつももっと大きいのを突っ込まれてるのにすごい快感が走って……思わず、舐められてるところをひくつかせてしまって。
 一通りなぞると、しまいにはぼくの花茎をくわえてきた。

「ひぁ……」

 これ、凄すぎる……! どうしようもなくヘンな声が漏れる。
 かっちゃんが咥えてくれてるって思うと……やめてって思う反面、ぐっと胸に込み上げてくるものもあって……。
 悩んでる余裕なんて与えられなくって、かっちゃんの暖かいクチの中でころころと花茎を転がされて。

「んっ、あっ、……」

 体を動かさないようにしているのがつらくなってきて、そこにあったかっちゃんの枕を抱きしめた。
 よく手入れされた綺麗な枕だけど、ほのかにかっちゃんのにおいがする……。
 でも、それ以上に花茎に感じるかっちゃんの存在感が大きくなって。
 ぎゅるぎゅると子宮が下りてきて……じゃなかった、血がまってくる。
 気持ちいい……。けどこのままだと……!

「ダメ、それ以上ダメだってば! っあ、かっちゃん、出ちゃうってば!」
「イけよ、悠李」

 しゃぶりながら、かっちゃんはぼくの脇に手を添えて撫でてくれていた。
 甘い痺れが広がって不思議な安堵あんど感に包まれたぼくは、我慢する気が維持できなくって。

「んぁ……っ!」

 目を開けていられなくって、目の前が真っ白になる。
 吸い出された欲望が花茎から抜けていくたびに、けつくような快感が体を打つ。
 射精の波がおさまると、ぐったりと体がベッドに沈み込んだ。体中に汗がにじんで、熱い。
 
「悠李のこと、初めてイかせられた」

 かっちゃんは嬉しそうだ。

「別に、かっちゃんが気持ちよくなってくれればぼくも気持ちいいから、それでいいのに……」

 そこでするなら、一人でもしてるし。
 自分でするのとは違って、おかしくなるくらい気持ち良かったけど……。

「俺がよくないの。……悠李、俺も気持ちよくして」
「うん……」

 かっちゃんはぼくの足を開いて……と思ったら、何かごそごそしている。
 ローションでもないみたいだし。おもちゃでも使うつもりなのか……?

「何してんの?」
「ん? ゴムつけてる」
「は? ……かっちゃんってそんなに色んな子とエッチしてるわけ? 前からいやにエッチ上手いなとは思ってたけどさ」
「だったら毎年生でするかよ、アホ。女の子扱いして欲しいって言うから、ちゃんとつけてる」

 きゅう。なんていうか……心の子宮がうずくっていう感じがする。
 避妊してもらってるのに子宮が疼くっていうのもおかしな話だけど、そんな感覚だ。
 おかしいな、かっちゃんの子どもを産む世界線が見える……!
 
「女の子扱いしろとまでは言ってないし、別につけなくていいのに……」
「いいんだよ。付けとかないと、俺も悠李とシたらすぐイッちゃいそうだし」
「さっきもあれだけヤッたのに?」
「慰めてもらってるときの悠李は人形のようでオナニーしてるみたいだったが、今は違う。悠李……今までないがしろにしてごめんな。悠李のこと、ちゃんと愛したい」
「かっちゃん……」
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