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花
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いつのまにか、からだにまとわりついていた汗もなにもかもがさっぱりと消えていた。たぶん、フヨウの力だ。
なのに意識がはっきりされたところでフヨウに衣服を直される。彼が水干の首もとにひもを結ぶまで、静かに従わせられた。それさえなければすべて夢だと忘れてしまえたかもしれないのに、みだれた衣服を着させられたことで彼との逢瀬をまじまじと思いだしてしまう。
はっきりと思いだしたいわけじゃない。けれど、忘れてしまうのだってさみしく感じる。
「どこまでが本当のことだったのでしょうか」
そんな言葉が、ぽつりとでた。どこからかは、幻術でまどわされていただけなんじゃないかとうたがう。
フヨウは、なぜかすぐには返事をしない。もしかしたら、間があいているというのはわたしの考えすぎなのかもしれない。それとも聞こえていないのかも。なら、聞き直せばいいのに。なのにフヨウの返事を待ってしまって、ぎりぎりと胸がしめつけられてく。
「ユズリハ姉さまと僕との間じゃ、すべて本当のことだよ。姉さまを帰したってね」
フヨウの声をきいただけで胸のつかえがとれた。ふぅふぅとへたになった呼吸をなおしていたから疲れて、フヨウに手をかけられると吸いこまれるように彼の胸にもたれかかってしまう。
「甘えんぼうするね姉さま。まだシたりないの?」
ちがいます、と浮かんでも。そうは答えられない。フヨウにいやと返事するくらいなら、それでもいいかと──
でも、そんなことに悩んでいる時間は長くはつづかなかった。
部屋のなかに大きく木のくぼみみたいなかたちの影が浮かんだ。太古の昔からあるご神木のくぼみみたいな、とてもとても大きな影。その影がどんどん大きく広がる。
影から吹きすさぶ風をしのいでいると、フヨウがうでまわし支えてくれた。守ってくれようとしているのだろうけれど、だから分かってしまう。これがフヨウの制御下にないことが、分かってしまう。
(丸腰だし、フヨウを頼るほかにありませんか……)
「──列前行」
影の中から、フヨウとくらべるとだいぶ低く威厳のある声がひびく。よく、きいた声だ。
(ヤカツさま……!)
やがてじゅうぶんに大きくなった影から、ヤカツさまが姿をあらわした。表情はおだやかだけれど、真意は伺いしれない。
「私は言ったはずだよユズリハ。真名を口に出してはならないと。言いつけを守らなかったね?」
ヤカツさまはゆっくりと、おだやかにそう話した。
喉元にちからをこめて、なんとか返事をする。
「申し訳、ございません」
「まあいい。それよりお前、いつまでそうしている? その娘は私のものだ」
はっとして、うしろ目にフヨウのようすを確かめる。お前、というのは彼のことだろう。
はなれなくちゃと思うけど、はなれることができない。
「やだって言ったら?」
フヨウはおもしろそうな声でこたえた。
一触即発っていう空気に、息がつまる。ヤカツさまの返事をじっと待っていた。
「うぬぼれるなよお前。壊れた神器に価値はない。お前程度の付喪神など、また造り直せる。これ以上ユズリハに干渉するというなら、消えてもらおうか」
その言葉は
その言葉は あなたから聞きたくなかった
もっと大切なものだと
思いこんでいたかったのに──
(ヤカツさまがおあずけになったのは、フヨウは、「また作り直せる」程度のものだったのですね)
そんなに長い時間なやんでいたわけじゃない。と、思う。
なのに、気づかなかった。なにかがふすまにたたきつけられる音。目をむければ、フヨウが吹きとばされていた。
考えるより先に、さけんでいた。
「やめてください!」
自分でも不思議なくらい、衝動的にさけんでいた。
「心配はいらないよ姉さま。今のはちょっと、当たったらどうなるかはかってみただけ。耐えきれるって分かってたからさ。それより姉さまから手を離せよ、ヤカツ」
「フヨウもやめて!」
フヨウに向かっても、さけぶ。
けれどフヨウに向けていた顔のほおに手をそえられた。あるじのほうを向くようにと、顔の向きを強引にまわされる。フヨウの男の手より、ずっとがっしりした大きな手だ。
「ヤカツ……さま……?」
フヨウの声なんてきいていないかのように、ヤカツさまは言う。
「あれに魅入られたか? ユズリハともあろう者が、まさかあれの術中にはまったわけでもあるまいね」
有無は言わさない。そう聞こえた。
目をあわせているのがつらい。声を聞いているのもつらい。しっとりとした渋い声に、したがってしまいそうになる。答えは決めていても、決めていたようにはなかなか動けない。
今のこの瞬間より、もっとずっと先のほうを考えようとした。ようやく、声になる。
「ヤカツさまからあずかった、大切な鈴です。手なずけてみせますから」
「本当かい? 私も大事なユズリハを失うのは惜しいんだがね」
目のたかさが合っていないぶんだけ、あごからぐっと上に持ち上げられる。
そのとおり、落ちついて話すヤカツさまは、いざとなれば冷徹にわたしを切り捨てるって知ってる。あやかしの傀儡に落ちてどうしようもならなくなって命を散らすしかなかった子を、見たことがないわけじゃない。
いまだって、返事しだいではそうなる。でも──いっそそのほうが楽かなっておもうと、次の言葉はかるかった。
「ヤカツさまのもとで実践を積んだ陰陽師です。不覚はとりません」
「ふ。くく。ははははは──」
急にわらいはじめたヤカツさまに困惑する。気は抜けない。なにが起きてもいいようにと神経を張りつめながら、じっと待っていた。
「気に入ったよ。そこまで言うならこれはユズリハに譲ろう。ただし言葉通りにユズリハが手懐けられなかったら、そのときに処分することにしよう。どのみちもう、ユズリハ以外には与えられそうもないからね」
* * *
それからしばらくして、つてをたよってさる皇女さまに仕えなおした。
ヤカツさまのもとに奉じるのは、やめた。べつに、だれかになにかされたからということじゃない。そんな必要もない。そこまでする必要があるほど、わたしに価値があったわけじゃないから。
管理されてたとか、うらみごとをいうつもりもない。ただなんとなく流れていく時間に意味を見いだせなくて、その時間にすこしでも色づけたいとわたしが思っていただけ。
わたしだけが特別なんて勘違いはしていない。特別だっておもっていられるのは本当にそうなりたいとおもわない限りって、知っていた。知ってたけど、知らないようにふるまっていた、つもり。ヤカツさまはあたまの悪すぎる子もあたまの良すぎる子もきらいって、わかっていたから。
(ヤカツさま。あなたのことが好きでした)
始まりはもういつのことだったか思いだせない。終わりを付けるにはそういう時期があったことをみとめないとって思うから、みとめる。思いだすためじゃない。もうこれで、おしまいにしたい。
そうそう、フヨウはまだわたしが持っている。フヨウを持ちだしてよいか聞いても、ヤカツさまはもうユズリハに譲ったものだと言った。うれしいともかなしいともつかない返事だった。
そしてユズリハはわたしに必要だった。
(あやかしにかどわかされて色におぼれたわたしが、ヤカツさまのもとに居続けることはできませんね)
そう自分に言いわけできる。自分のわがままでヤカツさまのもとをはなれるんじゃないって、思いこむことができる──
たすきがけにしたフヨウの鈴を、手のひらにのせてころがす。ちりんという音をたてながら、日のひかりを玉虫色に反射した。
「ユズリハちゃん」
皇女さまの声がした。
「はい」
「このあいだの題詠。とってもうまく詠めてたじゃない? 弟が感心してたよ」
皇女様の弟、というと法親王様だ。うまく詠めたとはおもえない。だってお題は──
「ありがとうございます。宮さまの手前でしたので、尽力しました」
自分では納得はできれないけれど、素直にこたえた。できるだけ。
「わたしのため? あら、うれしいじゃない。教えてね、そういう人がいるんなら。だってユズリハちゃん、悪い男に騙されそうで心配だもの」
「いません。できたら、お話しします」
風もないのに、鈴がちりんと鳴る。ユズリハが不満そうに鳴らしている。
(静かにしていてくださいね? 頼りにしています)
そっと鈴をなでた。人前ではやらないようにしているクセだけど、皇女さましかいないからべつにいい。
「教えてね? 約束ね」
そういうと皇女さまはまたどこかへ移動していった。
ご主人さまだし身分もちがうけれど、年が近くて独身同士っておちつく。それに皇女さまには結婚願望もない。皇女さまにつりあう身分の方なんてめったに出ないから、生涯をじぶんのために過ごすのが慣習だ。
気にはかけてくれるけれど、ずかずかと踏みこまれはしない。心地いい。
(姉さまは僕といるのが不満なわけ?)
フヨウがすねたようにりんりんと鳴る。つい、かわいらしいと思ってしまう。
(そんなに拗ねないでください。フヨウといっしょにいられるから居心地がいいと思うのです)
フヨウの力が強くなればこちらでも人の姿であらわれることもできるようだけれど、それがいつになるか分からない。べつに、いつになったっていい。今だって、逢おうとおもえば逢えるんだから。
(フヨウ。時間ですね)
(待った。大好きな姉さまと過ごせる時間をずっと待ってた。今日も二人でゆっくり過ごそうね)
いつも一緒にいるじゃないっておもうけれど、うれしくなってしまう。
そうしてわたしは、今日も鈴の音色にかくされる。
(終)
なのに意識がはっきりされたところでフヨウに衣服を直される。彼が水干の首もとにひもを結ぶまで、静かに従わせられた。それさえなければすべて夢だと忘れてしまえたかもしれないのに、みだれた衣服を着させられたことで彼との逢瀬をまじまじと思いだしてしまう。
はっきりと思いだしたいわけじゃない。けれど、忘れてしまうのだってさみしく感じる。
「どこまでが本当のことだったのでしょうか」
そんな言葉が、ぽつりとでた。どこからかは、幻術でまどわされていただけなんじゃないかとうたがう。
フヨウは、なぜかすぐには返事をしない。もしかしたら、間があいているというのはわたしの考えすぎなのかもしれない。それとも聞こえていないのかも。なら、聞き直せばいいのに。なのにフヨウの返事を待ってしまって、ぎりぎりと胸がしめつけられてく。
「ユズリハ姉さまと僕との間じゃ、すべて本当のことだよ。姉さまを帰したってね」
フヨウの声をきいただけで胸のつかえがとれた。ふぅふぅとへたになった呼吸をなおしていたから疲れて、フヨウに手をかけられると吸いこまれるように彼の胸にもたれかかってしまう。
「甘えんぼうするね姉さま。まだシたりないの?」
ちがいます、と浮かんでも。そうは答えられない。フヨウにいやと返事するくらいなら、それでもいいかと──
でも、そんなことに悩んでいる時間は長くはつづかなかった。
部屋のなかに大きく木のくぼみみたいなかたちの影が浮かんだ。太古の昔からあるご神木のくぼみみたいな、とてもとても大きな影。その影がどんどん大きく広がる。
影から吹きすさぶ風をしのいでいると、フヨウがうでまわし支えてくれた。守ってくれようとしているのだろうけれど、だから分かってしまう。これがフヨウの制御下にないことが、分かってしまう。
(丸腰だし、フヨウを頼るほかにありませんか……)
「──列前行」
影の中から、フヨウとくらべるとだいぶ低く威厳のある声がひびく。よく、きいた声だ。
(ヤカツさま……!)
やがてじゅうぶんに大きくなった影から、ヤカツさまが姿をあらわした。表情はおだやかだけれど、真意は伺いしれない。
「私は言ったはずだよユズリハ。真名を口に出してはならないと。言いつけを守らなかったね?」
ヤカツさまはゆっくりと、おだやかにそう話した。
喉元にちからをこめて、なんとか返事をする。
「申し訳、ございません」
「まあいい。それよりお前、いつまでそうしている? その娘は私のものだ」
はっとして、うしろ目にフヨウのようすを確かめる。お前、というのは彼のことだろう。
はなれなくちゃと思うけど、はなれることができない。
「やだって言ったら?」
フヨウはおもしろそうな声でこたえた。
一触即発っていう空気に、息がつまる。ヤカツさまの返事をじっと待っていた。
「うぬぼれるなよお前。壊れた神器に価値はない。お前程度の付喪神など、また造り直せる。これ以上ユズリハに干渉するというなら、消えてもらおうか」
その言葉は
その言葉は あなたから聞きたくなかった
もっと大切なものだと
思いこんでいたかったのに──
(ヤカツさまがおあずけになったのは、フヨウは、「また作り直せる」程度のものだったのですね)
そんなに長い時間なやんでいたわけじゃない。と、思う。
なのに、気づかなかった。なにかがふすまにたたきつけられる音。目をむければ、フヨウが吹きとばされていた。
考えるより先に、さけんでいた。
「やめてください!」
自分でも不思議なくらい、衝動的にさけんでいた。
「心配はいらないよ姉さま。今のはちょっと、当たったらどうなるかはかってみただけ。耐えきれるって分かってたからさ。それより姉さまから手を離せよ、ヤカツ」
「フヨウもやめて!」
フヨウに向かっても、さけぶ。
けれどフヨウに向けていた顔のほおに手をそえられた。あるじのほうを向くようにと、顔の向きを強引にまわされる。フヨウの男の手より、ずっとがっしりした大きな手だ。
「ヤカツ……さま……?」
フヨウの声なんてきいていないかのように、ヤカツさまは言う。
「あれに魅入られたか? ユズリハともあろう者が、まさかあれの術中にはまったわけでもあるまいね」
有無は言わさない。そう聞こえた。
目をあわせているのがつらい。声を聞いているのもつらい。しっとりとした渋い声に、したがってしまいそうになる。答えは決めていても、決めていたようにはなかなか動けない。
今のこの瞬間より、もっとずっと先のほうを考えようとした。ようやく、声になる。
「ヤカツさまからあずかった、大切な鈴です。手なずけてみせますから」
「本当かい? 私も大事なユズリハを失うのは惜しいんだがね」
目のたかさが合っていないぶんだけ、あごからぐっと上に持ち上げられる。
そのとおり、落ちついて話すヤカツさまは、いざとなれば冷徹にわたしを切り捨てるって知ってる。あやかしの傀儡に落ちてどうしようもならなくなって命を散らすしかなかった子を、見たことがないわけじゃない。
いまだって、返事しだいではそうなる。でも──いっそそのほうが楽かなっておもうと、次の言葉はかるかった。
「ヤカツさまのもとで実践を積んだ陰陽師です。不覚はとりません」
「ふ。くく。ははははは──」
急にわらいはじめたヤカツさまに困惑する。気は抜けない。なにが起きてもいいようにと神経を張りつめながら、じっと待っていた。
「気に入ったよ。そこまで言うならこれはユズリハに譲ろう。ただし言葉通りにユズリハが手懐けられなかったら、そのときに処分することにしよう。どのみちもう、ユズリハ以外には与えられそうもないからね」
* * *
それからしばらくして、つてをたよってさる皇女さまに仕えなおした。
ヤカツさまのもとに奉じるのは、やめた。べつに、だれかになにかされたからということじゃない。そんな必要もない。そこまでする必要があるほど、わたしに価値があったわけじゃないから。
管理されてたとか、うらみごとをいうつもりもない。ただなんとなく流れていく時間に意味を見いだせなくて、その時間にすこしでも色づけたいとわたしが思っていただけ。
わたしだけが特別なんて勘違いはしていない。特別だっておもっていられるのは本当にそうなりたいとおもわない限りって、知っていた。知ってたけど、知らないようにふるまっていた、つもり。ヤカツさまはあたまの悪すぎる子もあたまの良すぎる子もきらいって、わかっていたから。
(ヤカツさま。あなたのことが好きでした)
始まりはもういつのことだったか思いだせない。終わりを付けるにはそういう時期があったことをみとめないとって思うから、みとめる。思いだすためじゃない。もうこれで、おしまいにしたい。
そうそう、フヨウはまだわたしが持っている。フヨウを持ちだしてよいか聞いても、ヤカツさまはもうユズリハに譲ったものだと言った。うれしいともかなしいともつかない返事だった。
そしてユズリハはわたしに必要だった。
(あやかしにかどわかされて色におぼれたわたしが、ヤカツさまのもとに居続けることはできませんね)
そう自分に言いわけできる。自分のわがままでヤカツさまのもとをはなれるんじゃないって、思いこむことができる──
たすきがけにしたフヨウの鈴を、手のひらにのせてころがす。ちりんという音をたてながら、日のひかりを玉虫色に反射した。
「ユズリハちゃん」
皇女さまの声がした。
「はい」
「このあいだの題詠。とってもうまく詠めてたじゃない? 弟が感心してたよ」
皇女様の弟、というと法親王様だ。うまく詠めたとはおもえない。だってお題は──
「ありがとうございます。宮さまの手前でしたので、尽力しました」
自分では納得はできれないけれど、素直にこたえた。できるだけ。
「わたしのため? あら、うれしいじゃない。教えてね、そういう人がいるんなら。だってユズリハちゃん、悪い男に騙されそうで心配だもの」
「いません。できたら、お話しします」
風もないのに、鈴がちりんと鳴る。ユズリハが不満そうに鳴らしている。
(静かにしていてくださいね? 頼りにしています)
そっと鈴をなでた。人前ではやらないようにしているクセだけど、皇女さましかいないからべつにいい。
「教えてね? 約束ね」
そういうと皇女さまはまたどこかへ移動していった。
ご主人さまだし身分もちがうけれど、年が近くて独身同士っておちつく。それに皇女さまには結婚願望もない。皇女さまにつりあう身分の方なんてめったに出ないから、生涯をじぶんのために過ごすのが慣習だ。
気にはかけてくれるけれど、ずかずかと踏みこまれはしない。心地いい。
(姉さまは僕といるのが不満なわけ?)
フヨウがすねたようにりんりんと鳴る。つい、かわいらしいと思ってしまう。
(そんなに拗ねないでください。フヨウといっしょにいられるから居心地がいいと思うのです)
フヨウの力が強くなればこちらでも人の姿であらわれることもできるようだけれど、それがいつになるか分からない。べつに、いつになったっていい。今だって、逢おうとおもえば逢えるんだから。
(フヨウ。時間ですね)
(待った。大好きな姉さまと過ごせる時間をずっと待ってた。今日も二人でゆっくり過ごそうね)
いつも一緒にいるじゃないっておもうけれど、うれしくなってしまう。
そうしてわたしは、今日も鈴の音色にかくされる。
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