死んでもお前の恋人にならない!!!

桜崎 零(サクラザキ レイ)

文字の大きさ
上 下
30 / 46

30 男って生き物は独占欲の塊なんだよ

しおりを挟む
「その代わり…俺と付き合って♡」

マジでこいつ嫌い。

「なんで俺がお前と付き合わねぇといけねぇんだよ!!!」

冗談じゃない、この俺が性犯罪者予備軍なんかと付き合うなんて……しかも、自分で俺のエロ写真を作って天井に貼るようなやつだぞ?

「ぜっっってぇーやだ!!!」

「じゃあ、あのガキ(黒岩)のしたことを告発するけど。」

「うっ………!」

「別にいいんだよ?俺はどっちでも。
恋くんがどっちを選ぼうといずれ俺のものにする予定だし…まぁ、恋くんの性格上どっちを選ぶかなんて大体予想つくけど。」

こいつマジで汚ぇ…。
この俺(パーフェクトティーチャー)を脅してきやがった。しかも俺の性格を知った上で聞いているんだ。
俺がどっちを選ぶかなんて表面上いいように見せているが、実際にはどっちを選んでも自分にとって都合がいいようにできている。
…つまり、俺にとってこの選択肢は不幸そのもの。
どっちを選んでも大凶であることに変わりない…
そんな先の見えない話を持ちだすなんて……
ほんっとぉーーーに、性格悪!!!!!

だがしかし、焦ってはいけないぞ五十嵐 恋!何せ証拠は何一つ無いんだから。
黒岩に中出しされた精子は風呂場で掻き出したし、犯されたのは1ヶ月以上前のこと。
ならここで俺が黙っておけば黒岩がレイプした事実は永久に闇の中だ。

「まぁ、あいつがレイプした証拠なんて一切無いんだけど。」

「えっ…?」

俺の考えを見抜くかのように言う晃介の言葉に少しドキッとした。図星だったことがバレたのか奴はニヤッと笑う。…キモ。

「何せ時間が経ちすぎちゃってるからね。証拠はどこにもないし、今頃あいつのイカ臭い精子も下水道の中でくたばってるだろ。……ほんと、ぶちこ〇してやりてぇ…ボソッ」

なんか聞こえたな。
てかこいつ…俺が風呂場で掻き出したこと…知らないよな?つか、俺が中で出されたこと…
気づいて……る?
いや、バレてない。バレてないことにしよう。
そうしよう。うん、俺は大丈夫。

「じゃあどうすんだ?あいつ頭がキレてるし、信頼だってある。黒岩を学校から追い出すなんて無理な話だ。」

「そうかなぁ?案外簡単そうだけど。」

嘘くさい笑顔で笑う奴の目は、顔とは真逆で全然笑っていなかった。この瞬間悪寒が走った。

「一体何を考えてるんだ。」

晃介はタネ明かしをするかのように楽しそうに話し出す。

「証拠が無いんだよね?じゃあ作っちゃえばいいじゃん。」

「証拠を…つくる?」

「俺が思うにあのマセガキ(黒岩)は恋くんにガチ惚れしてるみたいだし、俺と恋くんが付き合う(セックスし合う♡)ことに耐えられるかな?」

一体付き合うって言葉で何を想像したんだろぉ。さっきよりも更にニヤニヤしている気がする。
いや、どうせろくでもないことに決まってる。
気にしないでおこう。

てか、黒岩が俺にガチ惚れ…いや…いやいやいや。
無いな。あいつそんなに一途ぽくなさそうだし。
どっちかって言うと色んな女に手を出してそうだけど。確かに俺のこと好きとか俺の傍にいたいとか言っていたが……

「ガチでは無いだろ。あいつは俺の反応見て楽しんでるだけで本気なわけない。そのうち飽きるはずだ。」

すると奴は俺の言葉を聞くなり右手で自分の顔を覆い天井を向と…

「はぁぁぁあああぁぁあああああ。これだから天然タラシは!!!!!」

「はっ????」

なんだこいつ。バカでかいため息つきやがって。
クッッッソムカつく!!!!!

「ほんっっっっっと、なんなんだよ!!!
無意識にも程があるだろ!?
恋くんはもっと自分の価値に気づいてよね!!!!!」

「イケメンでスタイルもよくハイスペックグレートティーチャーだと思ってますけど??」

「そこは強調するんだね!!そうゆうとこも好きだけど!!!」

何だこのしょうもない茶番は。自分のしょうもなさに気がついたのだろうか、奴はハッと我に返りゴホンッと咳をこむ。こいつの我に返る瞬間は昔と変わらないなぁ…

「とにかく、証拠がないならレイプしたことを本人に認めさせればいいんだよ。」

「認めさせる?…どうやって?」

「自分でやったことを証言してもらうんだよ。
さっきも言ったけど、あのガキは恋くんにガチ恋。
なら、恋くんから頼めばいいんだ。」

「頼む?」

「そう、俺のこと本気で好きなら俺のために証言してよぉ~って。」

「そんなんであいつが言うわけねぇーだろ。
猿でもわかるぞ。」

「そこで言うんだよ。
証言してくれないと赤羽先生と付き合うことになっちゃうぅ~って。」

「…えっ、そんだけ??」

「そうだよ。」

何を言い出すかと思えばクソしょうもないバカな内容。あの頭がいい黒岩がそんな言葉に踊るほどバカな男じゃない。俺なんかであいつが証言するはずがない。なんてバカバカしい話なんだ。自分の昔の友人ながらなんて恥ずかしい奴なんだ。

「何寝言言ってんだよ。そんなんであいつが乗るわけねぇーだろ。」

「ほんっとに、恋くんは分かってないなぁ~。」

呆れた声で言う。何の話だ?そんな風に頭の上に?を浮かべている俺に急に距離を詰めてくる。なぜそんなに近づくのか、キモイから離れ…ドン!
なぜ俺はこいつに押し倒されているんだ…。晃介の顔がすぐ側にある。よう見ると奴の顔はさっきの楽しそうに説明する顔とは一転し、晃介は真面目な顔をしていた。

「あのね、男って生き物は好きな人ほど自分だけのものにしたいんだよ。それなのに、他の男に渡るなんて……考えただけでも気が狂いそうになるんだよ。」

「…それはおまえだけだろ。」

「さぁ~ね。でも、こんなに隙だらけだと…」

こいつの考えてることが全く分からない。何がしたいんだ。なぜそんな顔で俺を見るんだ。まるで今の状況を楽しむかのように_

「今のうちにぐちゃぐちゃに犯して自分のものにしたいくなる…カブッ」

「ーい"っ!!!」

こいつ俺の首噛みつきやがって…クソ痛てぇ…
耳元で囁く晃介の声が脳に響く。“自分だけのものにしたくなる”…黒岩も?そう思っているのだろうか。
…まさかな。

「分かった?男って生き物は独占欲の塊でできてるんだよ。気をつけないとそのうち痛い目みるよ。」

そんなふうに笑いやがって。何が面白いっていうんだ。奴は俺を見ながらニヤっと笑いながらペロッとして唇を舐める。

「で?どうする?付き合う?付き合わない??」

気持ち悪く笑いやがって…。付き合えばこいつが俺に何するか分からない…だらと言って付き合わなければ黒岩がどうなるか……

今日一日で何があったのだろう。かっこいいと思っていた同僚は昔の友人で俺のストーカー。
プロポーズされるわ脅されるわ…ほんとにどいつもこいつもまともな告白を出来るやつはいないのだろうか?100回目からおかしくなっている…どうしたら告白=脅迫になるのだろうか。黒岩も晃介も…あぁああああどうしたらいいんだァァァァ!!!!

こんな中、俺が出した答えは_







「…時間をくれ。」




しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~

綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」  洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。 子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。  人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。 「僕ね、セティのこと大好きだよ」   【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印) 【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ 【完結】2021/9/13 ※2020/11/01  エブリスタ BLカテゴリー6位 ※2021/09/09  エブリスタ、BLカテゴリー2位

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?

名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。 そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________ ※ ・非王道気味 ・固定カプ予定は無い ・悲しい過去🐜のたまにシリアス ・話の流れが遅い

ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話

あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ハンター ライト(17) ???? アル(20) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 後半のキャラ崩壊は許してください;;

処理中です...