死んでもお前の恋人にならない!!!

桜崎 零(サクラザキ レイ)

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24 もちろん、“S E X ♥”

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一体何が起こったんだ…。
赤羽先生と同じベッドにいるなんて…しかも裸…。
えっ…これは…ワンチャン?
いや…いやいやいや。無いな。絶対ない…はず?
とっ、とりあえずパンツ履こう…。いつまでもフルチンでいるわけにもいかねぇし…えっとぉ、パンツパンツ…どこだ??…

「はい、これ。」

すると目の前に俺のパンツが召喚された。
どうやら、赤羽先生が渡してくれたらしい。
俺のパンツを???赤羽先生が????

「どうしました?」

不思議そうにこちらを見る赤羽先生。この人は今の状況をどのように受け止めているのだろう…。この状況で同僚のパンツをこうも堂々と持ってくるか?普通。これだから、イケメンのノンケが考えていることは全く理解できない…。

「あっ、ありがとうございます…。」

俺は渡されたマイパンツを履き、ベッドに腰をかけ深呼吸した。落ち着くんだ五十嵐恋!!!
まず、状況を整理してみよう。

確か昨日は、赤羽先生とご飯に行って…タイプの話して…川名を思い出したらムカついて…それでビールを一気に……で酔っ払って…タクシーに乗って…それで………

「五十嵐先生、家どこですか?」

「えへぇ~、、お家は~、あっちで~すっ!グゥ…」

あっ…これはやったわ。俺ですね。原因は。
タクシーの中、酔っ払って赤羽先生の膝の上で寝ていた映像が頭の中を過る。
過去の自分よ、できることなら今すぐ呪って殺してやりたい!!!!俺はなんて失態を犯したんだ……!!
よりによって赤羽先生だなんて……。もう、死ぬしか…。
まて、早まるな五十嵐恋!!!
必ずしもセッ…ゴホンッ、夜の営みをやったとは限らない!!!
ただ男同士が裸でベッドで寝ていただけだ…だけだ。
やばい、頭が痛くなってきた…。

「ほんっとに、訳わかんねぇ…」

「大丈夫ですか?頭痛いんですか?」

頭を抱えて絶望していると、覗き込むようにキラキラした目の天使が俺を見つめてくる。いつもメガネをかけていたせいか、メガネをつけていない赤羽先生の顔を見るのは新鮮だった。くっきり二重の目に、綺麗な鼻筋、筋肉をつけた体。まさに俺の理想そのもの…やべぇ…天使だ。目の前に天使がいる。

「…天使。」

「え?天使?」

やべぇ、声に出てた。

「あっ、いえ。そ、そんなことより赤羽先生。聞きたいことが…」

「はい?どうしました?」

「…えっとぉ、なんで俺は赤羽先生の家にいるんでしょうか?」

「あれ?覚えてませんか?」

「…はい。申し訳ないですが。」

「そぉ…ですかぁ…」

赤羽先生は少し残念そうな顔をした。
え??なんでそんな残念そうな顔をするんですか??
俺、なにかしましたか?

「ほんとに、何も覚えていないんですか?」

え????ほんとに何したの???昨日のおれぇ…!!!

「あ、あの、ほんとに!ごめんなさい!!!!」

お願いだから、そんなに悲しそうな顔をしないでくれぇ!!天使を悲しませるとか、まじで罪悪感しかない!!!俺は精一杯の誠意を見せるため、多分今まで誰もしたことが無いほどの綺麗なジャパニーズ土下座を全力でした。

「えっ、あっ、いやっ、そんなに謝らないでくださいよ。しょうがないですって。五十嵐先生お酒弱いのに、あんなに沢山飲んだんですから。」

何この人、ほんとに天使なんじゃない???
いかんいかん、見とれている場合じゃない。大事な事を聞かないと。

「あの…昨日、何があったんですか?」

少し間を置いてから赤羽先生は口を開く。

「昨日、飲みに行った後タクシーに乗って五十嵐先生を送ろうと思ったんですが…」

「…俺がベロベロによって寝たせいですよね…。」

「まぁ、僕の家近かったので。ここからなら、仕事場まで近いですし、五十嵐先生も休めていいかなと思いまして。」

そう言いながら、赤羽先生はニコッと笑う。その笑顔は相変わらず凄まじい威力だ。
この人、いつか笑顔で人を殺せるようになるんじゃないか?もちろん、キュン死で。
なんだぁ、なんも下心とかもなかったんじゃん。赤羽先生は俺の事を気遣って善良なことをしてくれただけなんだ。えっ、本当にいい人じゃん。やば、ますます好きになるぅ…。赤羽先生の人格の良さに浸っていると、俺は一番大事なことに気がついた…。
ならなぜ俺は裸なんだ。

「あの、もう1つお聞きしたいのですが…」

「はい?」

「なんで赤羽先生は上半身裸で、俺は…」

「俺は?」

「…裸なのでしょうか?」

「あぁ~……その事ですか。」

すると、赤羽先生は指で唇を撫でる。

「いや、別に大したことじゃないならいいんです。何も無いなら。」

「……。」

赤羽先生は何も言わず黙ったままだった。
え???なんかあったの???俺まずいこと聞いた???沈黙した空間が俺ら2人を包見込む。
お願いだから、何か喋ってくれぇ。いたたまれないから!もう、メンタルズタボロだからァァ!!
気まずい…気まずすぎて赤羽先生を直視できない…

「逆に五十嵐先生は、何があったと思います?」

突然口を開いた赤羽先生の声に、俺は驚いた。
何故なら、いつも明るくて優しい赤羽先生の声ではなかったから。その声は、とても低く落ち着いていた。
俺はゆっくり赤羽先生の方を向く。

「五十嵐先生は、ほんとに何も覚えていないんですか?」

そこで見た赤羽先生は、俺の知っている“赤羽先生”ではなかった。雰囲気そのものが違った。いつも温厚で優しい“赤羽先生”はどこにもいなかった。

「俺とあんな事をしといて。」

“赤羽先生”らしき人物は前髪をかきあげ、ゆっくりと俺に近づいてくる。

「あっ、あんなこと…?うわっ!」

ーダンッ
俺は後ろへ押し倒され、覆い被された。

「男とベッドで2人きり、おまけに裸同士ときたらする事は一つしかないよね?」

“赤羽先生”らしき人物は俺の腕を抑えつけ、ペロッと舌なめずりをする。まるで獲物を捉えたケモノのように…










「もちろん、“S  E  X”♥」


「ふぇっ????」










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