19 / 46
19 ちょっとセンセーをお借りします
しおりを挟む
「待て待て待て待て!!降せ黒岩!!!」
「やだね。俺を避けたセンセーが悪い。」
「だからって、職員会議中に拉致することないだろぉぉぉおおお!!!!」
何故俺は拉致られているのだろう…。
遡ること2週間前のこと。黒岩に“覚悟しとけ”っと言われた次の日から、俺は学校に着く朝から放課後までの全休み時間こいつに付きまとわれた。学生の休み時間は基本10分程度だが、大体は教室を移動したりしなきゃいけないため、正確にはたった5分という学生にとっては貴重な休みなのだろう。それなのに奴はたった5分だというのに、授業が終わる瞬間から教室を飛び出し、どこにいたって俺の所まで来る。そこまで俺に会いに来て話すことはなんだと思う?
内容は、
『センセーってどんな人がタイプなの?』
『センセーの誕生日っていつ?』
『センセー髪切った?』
『センセー可愛い♡』
『センセー好き♡』
などなどと、どれもくだらない内容ばかりだ。だが、これはまだマシな方。昼休みや放課後などは別だ。
昼食を食べる時は大抵職員室で食べていたのだが、こいつに付きまとわれてからは、毎回毎回屋上に連れていかれる。その上黒岩は弁当箱を2つ用意しだし、片方の弁当を俺に押し付けてくる。
「いらない。」
と言ったのだが、
「センセーのために頑張って作ったのに…。」
と奴はしょげだし、残すのももったいないと考え、俺は仕方なく食べた。決して黒岩が可哀想に見えたからでは無い!!そして腹立たしいことに、奴が作った弁当が美味かった。どうやって作ったのか聞こうと思ったが、それだと奴に美味いとわざわざ褒めている気がして癪だったため聞くのを辞めた。
そして放課後…。奴は教室に誰もいなくなったことを確認し、鍵を閉めてる。何を言い出すのかと思えば、奴は俺にキス(ディープキス)を要求してきた。もちろん俺は断った。嫌いなガキにキスをするほど、性癖は腐っていないんでね。だが、奴はなんて言ったと思う?
「上の口がダメなら、下の口にキスするけど。どっちがいい?」
そう…。脅してきたのだ。『脅して手に入れても嫌だ。』とか『大切にしていきたい。』などとほざいていた奴はどこへ行ったのだろう…。
おっと。ここで勘違いをされないために言っておくが、俺は決して「いい。」なんて言ってないぞ。俺はあくまで、脅されて無理やり同意させられた可哀想な被害者なんだ。
まぁ、相手は黒岩だ。結果なんざ見えている…。奴は俺の話なんざ聴くわけもなく、哀れな俺はさせるがままになってしまった……。
いいか?こんな生活が1週間続いたんだぞ?おかげで俺は奴に胃袋を掴まれた上、もうすぐ中間テストだっていうのに、テストが半分も出来ていない…。テストまで1週間半…。このままではまずいと考えた俺は、あることを実行する。そう、奴から避けることだ。テストが出来上がるまで、俺は一生頼むことはないと考えていた副担の川名に授業を任せた。幸い、テスト範囲は終わっていたため授業は自習だっが、案の定、川名からは食事の誘いをされた…。もちろん、俺は行きたくなかったが優先度的に仕事のことを考え、俺は渋々了承した…。他には、奴が探しに来そうな所を想定し、そこへは近づかないようにして逃れていた。
黒岩と話さなくなって1週間。おかげでまともな生活を送れ、無事テストも仕上がった。テストは3日後、本当に危なかった。俺はほっと一安心したが、また明日から黒岩に追われる日々を送ると思うと安心は不安に変わり、頭が痛くなる。残された時間を快適に過ごそう…。そう…平和な時間を…。
おっと、もうこんな時間か。そろそろ準備しないと。放課後から職員会議があり、内容はもちろん中間テストのことについてだ。
「職員会議始めます。」
会議は淡々と進み10分経過した頃、突然悪寒を感じた…。何かがこちらに向かってくる気がする…。逃げなければ!!そう思ったのも束の間、
ーバンッ!!!
後ろの方でものすごい音で扉が開くのが聞えた。職員全員の視線が後ろへ向いている。俺は後ろを振り向くことが出来ない…。振り向いてしまったら、何もかも終わりな気がする…。
「君、今は会議中だ!今すぐ出ていきなさい!」
教頭が声をかけたが、後ろいる人物はお構い無しに職員室へ入ってくる。足音はずしずしと近づいてくる…。その音がピタッと止むと、俺の前に大きな影が表れた…。俺は意を決して恐る恐る振り返る…。そこにいた人物は、この世のものとは思えないほどの表情をしていた…。
「…く、くろ…いわ…。」
名前を呼んだが、返答がない…。その代わりに奴は、ただただじっとこちらを見ている。
「…ま、まて!話せばわかる!!」
俺は奴を落ち着かせようとした…。命の危機を感じたのだ。だが、黒岩にそんなことが通用するわけもなく、奴は話を聞かずに俺を持ち上げて担いだ。
「…へっ?」
「ちょっとセンセーをお借りします。」
そう黒岩は一言だけ言い、ものすごいスピードで走り去った。さすがバスケ部の主将、足の速さはピカイチって感心している場合じゃない!!どうにかして戻らないと!!!
そして今に至る…。
「やだね。俺を避けたセンセーが悪い。」
「だからって、職員会議中に拉致することないだろぉぉぉおおお!!!!」
何故俺は拉致られているのだろう…。
遡ること2週間前のこと。黒岩に“覚悟しとけ”っと言われた次の日から、俺は学校に着く朝から放課後までの全休み時間こいつに付きまとわれた。学生の休み時間は基本10分程度だが、大体は教室を移動したりしなきゃいけないため、正確にはたった5分という学生にとっては貴重な休みなのだろう。それなのに奴はたった5分だというのに、授業が終わる瞬間から教室を飛び出し、どこにいたって俺の所まで来る。そこまで俺に会いに来て話すことはなんだと思う?
内容は、
『センセーってどんな人がタイプなの?』
『センセーの誕生日っていつ?』
『センセー髪切った?』
『センセー可愛い♡』
『センセー好き♡』
などなどと、どれもくだらない内容ばかりだ。だが、これはまだマシな方。昼休みや放課後などは別だ。
昼食を食べる時は大抵職員室で食べていたのだが、こいつに付きまとわれてからは、毎回毎回屋上に連れていかれる。その上黒岩は弁当箱を2つ用意しだし、片方の弁当を俺に押し付けてくる。
「いらない。」
と言ったのだが、
「センセーのために頑張って作ったのに…。」
と奴はしょげだし、残すのももったいないと考え、俺は仕方なく食べた。決して黒岩が可哀想に見えたからでは無い!!そして腹立たしいことに、奴が作った弁当が美味かった。どうやって作ったのか聞こうと思ったが、それだと奴に美味いとわざわざ褒めている気がして癪だったため聞くのを辞めた。
そして放課後…。奴は教室に誰もいなくなったことを確認し、鍵を閉めてる。何を言い出すのかと思えば、奴は俺にキス(ディープキス)を要求してきた。もちろん俺は断った。嫌いなガキにキスをするほど、性癖は腐っていないんでね。だが、奴はなんて言ったと思う?
「上の口がダメなら、下の口にキスするけど。どっちがいい?」
そう…。脅してきたのだ。『脅して手に入れても嫌だ。』とか『大切にしていきたい。』などとほざいていた奴はどこへ行ったのだろう…。
おっと。ここで勘違いをされないために言っておくが、俺は決して「いい。」なんて言ってないぞ。俺はあくまで、脅されて無理やり同意させられた可哀想な被害者なんだ。
まぁ、相手は黒岩だ。結果なんざ見えている…。奴は俺の話なんざ聴くわけもなく、哀れな俺はさせるがままになってしまった……。
いいか?こんな生活が1週間続いたんだぞ?おかげで俺は奴に胃袋を掴まれた上、もうすぐ中間テストだっていうのに、テストが半分も出来ていない…。テストまで1週間半…。このままではまずいと考えた俺は、あることを実行する。そう、奴から避けることだ。テストが出来上がるまで、俺は一生頼むことはないと考えていた副担の川名に授業を任せた。幸い、テスト範囲は終わっていたため授業は自習だっが、案の定、川名からは食事の誘いをされた…。もちろん、俺は行きたくなかったが優先度的に仕事のことを考え、俺は渋々了承した…。他には、奴が探しに来そうな所を想定し、そこへは近づかないようにして逃れていた。
黒岩と話さなくなって1週間。おかげでまともな生活を送れ、無事テストも仕上がった。テストは3日後、本当に危なかった。俺はほっと一安心したが、また明日から黒岩に追われる日々を送ると思うと安心は不安に変わり、頭が痛くなる。残された時間を快適に過ごそう…。そう…平和な時間を…。
おっと、もうこんな時間か。そろそろ準備しないと。放課後から職員会議があり、内容はもちろん中間テストのことについてだ。
「職員会議始めます。」
会議は淡々と進み10分経過した頃、突然悪寒を感じた…。何かがこちらに向かってくる気がする…。逃げなければ!!そう思ったのも束の間、
ーバンッ!!!
後ろの方でものすごい音で扉が開くのが聞えた。職員全員の視線が後ろへ向いている。俺は後ろを振り向くことが出来ない…。振り向いてしまったら、何もかも終わりな気がする…。
「君、今は会議中だ!今すぐ出ていきなさい!」
教頭が声をかけたが、後ろいる人物はお構い無しに職員室へ入ってくる。足音はずしずしと近づいてくる…。その音がピタッと止むと、俺の前に大きな影が表れた…。俺は意を決して恐る恐る振り返る…。そこにいた人物は、この世のものとは思えないほどの表情をしていた…。
「…く、くろ…いわ…。」
名前を呼んだが、返答がない…。その代わりに奴は、ただただじっとこちらを見ている。
「…ま、まて!話せばわかる!!」
俺は奴を落ち着かせようとした…。命の危機を感じたのだ。だが、黒岩にそんなことが通用するわけもなく、奴は話を聞かずに俺を持ち上げて担いだ。
「…へっ?」
「ちょっとセンセーをお借りします。」
そう黒岩は一言だけ言い、ものすごいスピードで走り去った。さすがバスケ部の主将、足の速さはピカイチって感心している場合じゃない!!どうにかして戻らないと!!!
そして今に至る…。
0
お気に入りに追加
81
あなたにおすすめの小説

青少年病棟
暖
BL
性に関する診察・治療を行う病院。
小学生から高校生まで、性に関する悩みを抱えた様々な青少年に対して、外来での診察・治療及び、入院での治療を行なっています。
※性的描写あり。
※患者・医師ともに全員男性です。
※主人公の患者は中学一年生設定。
※結末未定。できるだけリクエスト等には対応してい期待と考えているため、ぜひコメントお願いします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる