嫁が欲しい

マーチ

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友人と一緒

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「アちゃん?」

呼びかけられ振り替えると青と緑が混ざったサンゴの海色になった髪をゆらす友ジンだった。

「ミっちゃん」

「ここではオルムね」

コクンとうなずきジッ目をみると、

「ここでは口に出さないとね」

学ランと呼ばれる濃紺色の制服をピッチリと着て、これが学園服かとオルムの頭の先から爪先まで見ていく。

「名前は…アポロ?どっかの神様みたいな名前だね、まっアちゃんのまま呼ぶね」

 二人で門に向かいながら話をする。

「何でもキューちゃんが言うには学園パートを進めるといいみたいだね」

「嫁をもらうことに関係あるのか?」

「お嫁さんもらうより前に知人、友人、恋人というステップがあるらしい」

「ああ、3日通ってもち?食べる?前にすーさんに聞いた」

「それも古い話だそうだよ。昨今の嫁とりには色々なステップが必要らしい」

門をくぐるとアーモンドの花が沢山咲いたエリアになった。
正面近くにカウンターがあり、必ず寄るようになっていた。

カウンターにはホテルにいるコンシェルジュみたいな格好をして座っている男の人がこちらに向き笑顔で迎えてくれた。

「ようこそ!学園へ!こちらで手続きをさせていただきます」

「うん」

「では、皆さんがお好きな言葉、『ステータス』と言って下さい」

「ステータス」

するとカウンター内に半透明なカードがふわふわ浮いていた。

「なお、こちらの場所では本人、手続き業務を行う私達しかみることができません。のでご安心を、学年の選択をお願いいたします」

とりあえず最初からやってみたいので1を押す。
「学年設定ありがとうございました。ーあなたは696組になります。組数はサーバーの負担を避けるためです。どうぞ世界を楽しんで下さい」

カウンターの上に浮いていたステータスカードが小さくなり左ポケットに入っていく。
目の前の人は後方をさして、

「昇降口はそちらになります」

「しょうこうぐち?」
「いわゆる入り口です。校舎内と外では履き物をかえてもらいます」

とりあえずカウンターから少しずれてオルムを待つ。

「お待たせ、666組だったよアっくんは?」

「696」

「じゃあ行こう」

「うん」

カウンターから昇降口まで100メールもないはずなのに、あちらこちらで男女が転がってたり、「ちこく」「いっけな~い」「大丈夫かい」とか言葉がとびかっていた。

一度何かにぶつかりそうになったが……関係ないよな。

うん。
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