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第三章 カムラ聖堂院
第六十二話 ユウキ&ノイシェ
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タワー型人工迷宮スザク・Dルート・第5階層。森林(夜)ステージ。
夜の帳が降りた森林をユウキとノイシェは歩いていく。
「ノイシェ様、あまり先行し過ぎないでください」
相手が目上と理解していても、ユウキはそう忠告せざるを得なかった。ノイシェはペース配分を考えず、大股で視界の悪い森を歩いている。危険な行いだ。
ノイシェはユウキの方を振り返りもせず、
「先行? 貴方が遅すぎるのでしょう」
「失礼を承知で申し上げますが、急ぎ過ぎるあまり迷宮内のヒントを見逃し、上の階に繋がるゲートを発見するのに時間がかかっています」
タワー型の迷宮で上の階に行くには転移ゲートと呼ばれる魔法陣を踏まなくてはならない。転移ゲートはわかりやすい場所には無く、ただ闇雲に歩いていても見つからない。迷宮内にあるヒントを拾い、探し当てなければならない。
ノゾミとユーリのペアの場合、ノゾミが持ち前の身体能力の高さと視野の広さを活かしヒントを発見し、頭脳明晰なユーリがヒントを解くことでいち早く転移ゲートを発見していた。ノゾミもユーリも体力があるため、移動速度も速く、パラディンクラスで最も素早く階を上がっている。
アイとポーラのペアは移動速度こそ遅いものの、ポーラが予知能力でさりげなくアイを誘導することでヒントに頼らず転移ゲートを発見していき、平均より早いペースで階を上がっている。
一方で、ユウキとノイシェはこの2ペアに大きく後れを取っていた。原因は一番を狙うノイシェが焦り、直感で動いているためである。ユウキもノイシェも本来のポテンシャルを発揮できていない。
さらにこのペアは戦闘においても連携が取れておらず、いちいち魔物と接敵する度に体力を大きく減らしていた。2人の能力の相性は決して悪くなく、しっかり連携すればスタミナを存分に温存できていただろう。
このままでは演習をクリアできない。それほどまでに遅いペースだった。
「一位を狙うなら一度落ち着くべきです」
「帝国の皇女として、セレ王国の人間の言うことを聞くわけにはいかない。ましてやあんなリザードマンを守護騎士にしている人間の言うことなんか聞けないわ」
現在、ダンザは入学式を壊した暴漢として生徒たちに認識されている。そのせいで、ダンザを守護騎士にしているユウキの信用も失われている状況だ。帝国人は異種族であるリザードマンを嫌悪しているので、他よりもいっそうダンザ及びユウキへの信用度は低い。
「ダンザさんがなぜ入学式に乱入したか、あなたはご存知ですよね?」
例のカクレの襲撃の顛末を王族は聞いている。
ダンザが生徒を守るため戦ったことを知っている。
「まだ確定した情報じゃないわ。貴方達の出まかせの可能性もある」
話しても無駄か。とユウキは心の内でノイシェを見限る。
判断としては正しい。今のユウキの立場でどれだけ正論を言おうとノイシェは耳を傾けない。ノイシェと話すことは花に話しかけるより無意味。
(ヤマタノオロチ)
ユウキはノイシェにバレないように大蛇ヤマタノオロチを召喚。ヤマタノオロチを八匹の蛇に分裂させ、転移ゲートを探らせる。
ユウキはすでにフェンリルを召喚している。フェンリルを護衛に残し、ヤマタノオロチを探索役にする。そして転移ゲートを見つけたらさりげなくノイシェを誘導するつもりだ。これしか手はない。
これまでユウキがヤマタノオロチを手元に残していたのはカクレの襲撃に備えてだ。もしカクレと戦闘になればフェンリルとヤマタノオロチの二体を使いたかった。だが現状を考えて、このままでは演習をクリアできずさらに無駄に体力を減らすと判断し、この決断に至った。
こうなればカクレが来た場合、即座に魔導札を破るしかない。そうユウキは考える。
そもそもユウキ1人ならばフェンリルに乗って高速で移動でき、演習にも闇討ちにも柔軟に対応できた。ハッキリ言って、ユウキにとってノイシェの存在は邪魔以外の何者でもなかった。
フェンリルにノイシェとユウキ、2人を乗せることもできたが、その提案はノイシェに却下されてしまった。曰く、『貴方の使い魔に身を委ねることはできない』とのことだ。
「下がってなさい」
ノイシェの前に血に飢えた狼、バグウルフが現れる。通常の狼と違い、ハエのような眼球をしている。
ノイシェは腰から騎士剣を抜き、蒼い炎を纏う。
「『蒼炎』」
ノイシェのユニークスキルは奇しくもダンザの宿敵だったザイロスと同じ、Aランクスキルの『蒼炎』だった。
火力の高い蒼い炎を自在に操る力。シンプルながら強力。ノイシェは蒼い炎を纏った剣でバグウルフを薙ぎ払う。
「ふぅ」
ノイシェは汗まみれの額を拭う。
『蒼炎』は優秀なスキルだが、使う度に周囲の温度を著しく上昇させるという難点もある。暑さは体力を奪う。ノイシェも、そして近くにいるユウキも、この暑さのせいで余計に体力を削られている。
(いけない……落ち着かないと)
ユウキは頭に溢れるノイシェへの不満を一度封じ込める。余計なストレスを減らす。
「!?」
とある反応を拾い、ユウキの思考が一気に切り替わる。
(ヤマタノオロチが一匹やられた! この魔力反応、相手は人間! 場所は背後129メートル!!)
異常を察知したユウキは後ろを振り返り、戦闘態勢を取る。
「ちょっと、何をやってるの? 先に――」
「ノイシェ様! 敵です! 恐らくカクレの人間です! 私の正面、120メートル付近に居ます!!」
「なんですって!」
ノイシェはユウキの前に出た。その時――
「麒麟」
男の呟く声が正面から聞こえた。
黒髪の青年が、木々をかき分けて前から歩いてきた。青年のすぐ背後には雷の塊が控えている。
雷の塊は神獣の麒麟の形をしている。顔は竜、体躯は馬、額には一本角。麒麟はユウキ達に狙いを定めている。
――やばい。
ユウキは咄嗟に、フェンリルでノイシェを横に突き飛ばした。
麒麟は青年の前に出て、ユウキに向かって直進する。大木が容易く焼き払われ、接近してくる。ユウキは死を確信するが、ユウキの正面に妖精の光が三つ前に出て、広がり、妖精同士を光の線で繋いで巨大な三角形を作る。
『三点方陣!』
ロゼが妖精を通して叫ぶ。
妖精三体で巨大な三角形のシールドを作る。シールドはなんとか麒麟の一撃を防ぎきるが、代償として妖精三体のエネルギーを使い果たし――妖精は消失した。
青年は技が防がれたというのに、嬉しそうに拍手をする。
「やるねぇ! 完全に召喚した俺の麒麟を防ぐなんて!」
青年はポケットに手を突っ込んだまま歩いてくる。
「だけど残念ながら妖精を操っていたのは君たちじゃないね。雑魚狩りは好きじゃないんだけどなぁ」
「カクレの人間、ですか?」
「ああ。幹部の――えーっと、どの名前を名乗ろうかな。シグマ、とでも名乗っておくか」
青年シグマは右手に雷を纏う。
辺り一面は今の一撃の余波で焼き払われ、現在ユウキ達が居る場所は見晴らしの良い平原になっている。木々に隠れるのは不可能。
ユウキは構えるが、ノイシェは今の麒麟の圧力にやられ、立ち上がれない。
ユウキはフェンリルでノイシェを己の背後に下がらせ、戻ってきたヤマタノオロチ七匹を合体させ、大蛇にし、正面に出す。
(わかる……この人は圧倒的に格上だ)
ユウキは背後にいるノイシェに声を掛ける。
「ノイシェ様! 魔導札を破ってください!」
「も、もう破ったわ! でも、外に転移できないのよ!」
「そんな……ではこれを!」
ユウキはノイシェに自分用の魔導札を渡す。ノイシェは札を破るも、やはり何も起こらない。
(どうして魔導札が……!? いや、今はその理由はどうでもいい。魔導札は使えない、という情報だけ頭に入れておけばいい)
ユウキは前を向く。
「戦うしかないようですね……」
ユウキは覚悟を決めた。
―――――――
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夜の帳が降りた森林をユウキとノイシェは歩いていく。
「ノイシェ様、あまり先行し過ぎないでください」
相手が目上と理解していても、ユウキはそう忠告せざるを得なかった。ノイシェはペース配分を考えず、大股で視界の悪い森を歩いている。危険な行いだ。
ノイシェはユウキの方を振り返りもせず、
「先行? 貴方が遅すぎるのでしょう」
「失礼を承知で申し上げますが、急ぎ過ぎるあまり迷宮内のヒントを見逃し、上の階に繋がるゲートを発見するのに時間がかかっています」
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一方で、ユウキとノイシェはこの2ペアに大きく後れを取っていた。原因は一番を狙うノイシェが焦り、直感で動いているためである。ユウキもノイシェも本来のポテンシャルを発揮できていない。
さらにこのペアは戦闘においても連携が取れておらず、いちいち魔物と接敵する度に体力を大きく減らしていた。2人の能力の相性は決して悪くなく、しっかり連携すればスタミナを存分に温存できていただろう。
このままでは演習をクリアできない。それほどまでに遅いペースだった。
「一位を狙うなら一度落ち着くべきです」
「帝国の皇女として、セレ王国の人間の言うことを聞くわけにはいかない。ましてやあんなリザードマンを守護騎士にしている人間の言うことなんか聞けないわ」
現在、ダンザは入学式を壊した暴漢として生徒たちに認識されている。そのせいで、ダンザを守護騎士にしているユウキの信用も失われている状況だ。帝国人は異種族であるリザードマンを嫌悪しているので、他よりもいっそうダンザ及びユウキへの信用度は低い。
「ダンザさんがなぜ入学式に乱入したか、あなたはご存知ですよね?」
例のカクレの襲撃の顛末を王族は聞いている。
ダンザが生徒を守るため戦ったことを知っている。
「まだ確定した情報じゃないわ。貴方達の出まかせの可能性もある」
話しても無駄か。とユウキは心の内でノイシェを見限る。
判断としては正しい。今のユウキの立場でどれだけ正論を言おうとノイシェは耳を傾けない。ノイシェと話すことは花に話しかけるより無意味。
(ヤマタノオロチ)
ユウキはノイシェにバレないように大蛇ヤマタノオロチを召喚。ヤマタノオロチを八匹の蛇に分裂させ、転移ゲートを探らせる。
ユウキはすでにフェンリルを召喚している。フェンリルを護衛に残し、ヤマタノオロチを探索役にする。そして転移ゲートを見つけたらさりげなくノイシェを誘導するつもりだ。これしか手はない。
これまでユウキがヤマタノオロチを手元に残していたのはカクレの襲撃に備えてだ。もしカクレと戦闘になればフェンリルとヤマタノオロチの二体を使いたかった。だが現状を考えて、このままでは演習をクリアできずさらに無駄に体力を減らすと判断し、この決断に至った。
こうなればカクレが来た場合、即座に魔導札を破るしかない。そうユウキは考える。
そもそもユウキ1人ならばフェンリルに乗って高速で移動でき、演習にも闇討ちにも柔軟に対応できた。ハッキリ言って、ユウキにとってノイシェの存在は邪魔以外の何者でもなかった。
フェンリルにノイシェとユウキ、2人を乗せることもできたが、その提案はノイシェに却下されてしまった。曰く、『貴方の使い魔に身を委ねることはできない』とのことだ。
「下がってなさい」
ノイシェの前に血に飢えた狼、バグウルフが現れる。通常の狼と違い、ハエのような眼球をしている。
ノイシェは腰から騎士剣を抜き、蒼い炎を纏う。
「『蒼炎』」
ノイシェのユニークスキルは奇しくもダンザの宿敵だったザイロスと同じ、Aランクスキルの『蒼炎』だった。
火力の高い蒼い炎を自在に操る力。シンプルながら強力。ノイシェは蒼い炎を纏った剣でバグウルフを薙ぎ払う。
「ふぅ」
ノイシェは汗まみれの額を拭う。
『蒼炎』は優秀なスキルだが、使う度に周囲の温度を著しく上昇させるという難点もある。暑さは体力を奪う。ノイシェも、そして近くにいるユウキも、この暑さのせいで余計に体力を削られている。
(いけない……落ち着かないと)
ユウキは頭に溢れるノイシェへの不満を一度封じ込める。余計なストレスを減らす。
「!?」
とある反応を拾い、ユウキの思考が一気に切り替わる。
(ヤマタノオロチが一匹やられた! この魔力反応、相手は人間! 場所は背後129メートル!!)
異常を察知したユウキは後ろを振り返り、戦闘態勢を取る。
「ちょっと、何をやってるの? 先に――」
「ノイシェ様! 敵です! 恐らくカクレの人間です! 私の正面、120メートル付近に居ます!!」
「なんですって!」
ノイシェはユウキの前に出た。その時――
「麒麟」
男の呟く声が正面から聞こえた。
黒髪の青年が、木々をかき分けて前から歩いてきた。青年のすぐ背後には雷の塊が控えている。
雷の塊は神獣の麒麟の形をしている。顔は竜、体躯は馬、額には一本角。麒麟はユウキ達に狙いを定めている。
――やばい。
ユウキは咄嗟に、フェンリルでノイシェを横に突き飛ばした。
麒麟は青年の前に出て、ユウキに向かって直進する。大木が容易く焼き払われ、接近してくる。ユウキは死を確信するが、ユウキの正面に妖精の光が三つ前に出て、広がり、妖精同士を光の線で繋いで巨大な三角形を作る。
『三点方陣!』
ロゼが妖精を通して叫ぶ。
妖精三体で巨大な三角形のシールドを作る。シールドはなんとか麒麟の一撃を防ぎきるが、代償として妖精三体のエネルギーを使い果たし――妖精は消失した。
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「だけど残念ながら妖精を操っていたのは君たちじゃないね。雑魚狩りは好きじゃないんだけどなぁ」
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ユウキは構えるが、ノイシェは今の麒麟の圧力にやられ、立ち上がれない。
ユウキはフェンリルでノイシェを己の背後に下がらせ、戻ってきたヤマタノオロチ七匹を合体させ、大蛇にし、正面に出す。
(わかる……この人は圧倒的に格上だ)
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「ノイシェ様! 魔導札を破ってください!」
「も、もう破ったわ! でも、外に転移できないのよ!」
「そんな……ではこれを!」
ユウキはノイシェに自分用の魔導札を渡す。ノイシェは札を破るも、やはり何も起こらない。
(どうして魔導札が……!? いや、今はその理由はどうでもいい。魔導札は使えない、という情報だけ頭に入れておけばいい)
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