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第三章 カムラ聖堂院
第四十七話 ポーン寮
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寮の入り口、玄関扉を開け中に入る。
「いらっしゃい」
出迎えてくれたのはエプロンを着た――ピンク色のリザードマンだった。
「あらあら、同族の入居者は久しぶりね」
声が高い。女性のリザードマンか。
リザードマンになったからかな? 普通に異性として見れる。色気を感じる……。
――え? 俺いま、リザードマン、イケるのか……!?
「私は寮母のクリス=アンダーウッドです。ユウキちゃんとダンザさんよね?」
「はい。そうです」
ユウキが人見知りを発動しているので俺が対応する。
「寮を案内するわ」
「お願いします」
俺の横で硬い表情のままのユウキ。
クリスさんはユウキに笑顔で近づき、頭を撫でる。
「緊張しなくていいわよ。ここをお家だと思ってくれると嬉しいわ」
「わ――かりました」
母性のある人だ。そして、ユウキは慣れない温かさに躊躇している様子。父親代わりは居ても母親代わりは居なかったからな。
「……守護騎士選抜試験の時とかあんなに堂々としてたクセに、なんで人見知りしてるんだ?」
「……あの時はヴァルジアが近くにいてくれましたから」
なるほど。ヴァルジアさんの存在がユウキの緊張をほぐしてくれていたんだな。
確かにあの人が近くにいると落ち着けるというか、妙な安心感が生まれる。
「あ、いや、ダンザさんが頼りないわけでは……」
「気を遣わなくていい。まだまだあの人の代わりになれるとは思ってないさ」
クリスさんの案内で寮の内部を把握する。
まず入り口、玄関を入るとすぐに食堂だ。一般的な大衆食堂と同じぐらいの広さで、キッチン付き。キッチンは自由に使っていいそうだ。さらに大浴場が一つ。男風呂、女風呂で別れておらず、時間で男女を分かれるそう。一階の奥に寮母の部屋がある。
続く二階、三階が住居。
寮生は俺たち含め八組。内新一年生が三組。
「ここが二人の部屋よ」
「二人……!?」
ユウキは慌てた様子で部屋の中を見る。
広い部屋だ。二人でも余裕で暮らせる……が、ワンルームだ。トイレも無い。トイレはそれぞれの階の廊下に二つずつ(男女一つずつ)あり、それを使うそう。
机、クローゼット、本棚、ベッドは二つずつある。
ユウキが気になるのは俺と一つの部屋で過ごすという点だろう。
「あの……もう一つ部屋を用意してもらうことはできませんか? 一人一部屋使いたいのですが」
「ごめんなさいね~。一つの部屋に生徒と守護騎士、どちらも入るというのはこの学院の規則なの」
クリスさん曰く、このルールはクイーン寮や他の寮にも適用されているとのこと。学院全体の規則ならユウキも文句は言えない。
「了解です。無理言ってすみませんでした」
「いいのよ。聞きたいことはなんでも聞いて。私は寮母室にいるから、用があったら声かけてね」
クリスさんが退出する。
俺は部屋に入り、荷物を下ろす。
「俺としてはありがたいな。同じ部屋の方が君を守りやすい」
「そうですね……私もダンザさんと同じ部屋ならば安心です。ですが……」
ユウキはもじもじとする。
「やはり、仕切り……お互いのスペースを区切るためのカーテンは必要かと……」
「わかった。余裕ができたら買いに行くよ。でもひとまずはこれで我慢してくれ」
「はい」
ユウキは照れくさそうに頷く。少々環境は特殊だったものの、やはりユウキも年頃の女子。きちんと女性として接するべきだな。たとえ俺が彼女を異性として認識しておらずとも。
「長旅で疲れただろ? 部屋でゆっくりするといい」
「ダンザさんはどこかへ行くのですか?」
「キッチンで夕食を作ってくるよ。食材は持ってきてるからね。なにか食べたい物はあるかい?」
「いえ、お任せしますよ」
「オーケー」
部屋を出ようと扉に手を伸ばすと同時に、扉がノックされた。俺はそのままドアノブを回し、扉を開ける。
「はい。どちら様――」
「よう! ダンザ!」
そう言って手を振るは赤髪の槍兵。その隣で、白毛の女の子がぴょんぴょん跳ねて存在を主張している。
「ご無沙汰しております! ダンザさん!」
「ドクト、それにノゾミちゃん……」
ユウキの従妹のノゾミちゃんとその守護騎士のドクトだ。
「えーっと、二人共もしかしてだけど……」
「その『もしかして』だよ。俺たちもこのおんぼろ寮の一員だ」
「どうしてもダンザさんと同じ寮になりたかったので、ここにしてもらいました!」
ノゾミの声を聞き、ユウキがひょこっと俺の影から顔を出す。
「お久しぶりですノゾミさん」
「なんだ。お前もいたのかユウキ」
俺に向けていた表情とは真逆の表情でノゾミちゃんはユウキを見る。
「あーあ。当初の予定通りビショップ寮に泊まれてればよ~。調理人付きの食堂もあって、使用人もいて、悠々自適な生活ができたのによ~」
「文句言うなドクト! 僕はこの寮好きですよ。自然に囲まれていて空気が美味しいし、周囲に民家とかないから人の目を気にせず修行ができます!」
ノゾミちゃんの言う通りだな。修行はしやすい。寮の周囲は草原で、草原のさらに外は森。自然の中で好きなだけ修行できる。
「ノゾミちゃんの部屋は?」
「僕たちの部屋はこの部屋の隣です! 数秒でダンザさんの部屋に行けますよ!」
「お隣さんですか。壁を貫通するいびきはかかないでくださいよ。ノゾミさん」
「そんな下品な声は出さないさ。お前こそ、同じ部屋だからってダンザさんを誘惑するなよ」
「そんなことはしません」
バチバチと火花を散らす両者。
「ひとまず挨拶はこんなもんでいいだろ。俺は眠いぜ姫様。帰ろう帰ろう」
「わかったよ。それではダンザさん、また!」
「うん。またね」
手を振ってノゾミちゃんとバイバイする。
「じゃ、俺はキッチンへ行ってくる」
「はい。お願いします」
ユウキは部屋の奥へ戻っていった。
俺は当初の予定通り一階に下りて食堂、キッチンに足を運ぶ。すると先客がいたようで、香ばしい香りが鼻腔を貫いてきた。
鍋で煮込んだスープを小皿で味見している女性の姿が目に映る。
「……あら?」
彼女は俺の気配に気づき、こちらを振り返る。
「ごめんなさいね。いま使わせてもらってるの。もしよかったら、あなたもスープを飲む?」
俺は、凍り付いていた。
その女性は――俺の知り合いだった。
褐色肌、白い髪、尖った耳……見違うはずもない。あの頃と、何ら変わらない姿……一瞬、姉妹や血縁者の可能性も探ったが、違う。間違いなく、彼女だ。
「ロゼ……!?」
―――――――
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声が高い。女性のリザードマンか。
リザードマンになったからかな? 普通に異性として見れる。色気を感じる……。
――え? 俺いま、リザードマン、イケるのか……!?
「私は寮母のクリス=アンダーウッドです。ユウキちゃんとダンザさんよね?」
「はい。そうです」
ユウキが人見知りを発動しているので俺が対応する。
「寮を案内するわ」
「お願いします」
俺の横で硬い表情のままのユウキ。
クリスさんはユウキに笑顔で近づき、頭を撫でる。
「緊張しなくていいわよ。ここをお家だと思ってくれると嬉しいわ」
「わ――かりました」
母性のある人だ。そして、ユウキは慣れない温かさに躊躇している様子。父親代わりは居ても母親代わりは居なかったからな。
「……守護騎士選抜試験の時とかあんなに堂々としてたクセに、なんで人見知りしてるんだ?」
「……あの時はヴァルジアが近くにいてくれましたから」
なるほど。ヴァルジアさんの存在がユウキの緊張をほぐしてくれていたんだな。
確かにあの人が近くにいると落ち着けるというか、妙な安心感が生まれる。
「あ、いや、ダンザさんが頼りないわけでは……」
「気を遣わなくていい。まだまだあの人の代わりになれるとは思ってないさ」
クリスさんの案内で寮の内部を把握する。
まず入り口、玄関を入るとすぐに食堂だ。一般的な大衆食堂と同じぐらいの広さで、キッチン付き。キッチンは自由に使っていいそうだ。さらに大浴場が一つ。男風呂、女風呂で別れておらず、時間で男女を分かれるそう。一階の奥に寮母の部屋がある。
続く二階、三階が住居。
寮生は俺たち含め八組。内新一年生が三組。
「ここが二人の部屋よ」
「二人……!?」
ユウキは慌てた様子で部屋の中を見る。
広い部屋だ。二人でも余裕で暮らせる……が、ワンルームだ。トイレも無い。トイレはそれぞれの階の廊下に二つずつ(男女一つずつ)あり、それを使うそう。
机、クローゼット、本棚、ベッドは二つずつある。
ユウキが気になるのは俺と一つの部屋で過ごすという点だろう。
「あの……もう一つ部屋を用意してもらうことはできませんか? 一人一部屋使いたいのですが」
「ごめんなさいね~。一つの部屋に生徒と守護騎士、どちらも入るというのはこの学院の規則なの」
クリスさん曰く、このルールはクイーン寮や他の寮にも適用されているとのこと。学院全体の規則ならユウキも文句は言えない。
「了解です。無理言ってすみませんでした」
「いいのよ。聞きたいことはなんでも聞いて。私は寮母室にいるから、用があったら声かけてね」
クリスさんが退出する。
俺は部屋に入り、荷物を下ろす。
「俺としてはありがたいな。同じ部屋の方が君を守りやすい」
「そうですね……私もダンザさんと同じ部屋ならば安心です。ですが……」
ユウキはもじもじとする。
「やはり、仕切り……お互いのスペースを区切るためのカーテンは必要かと……」
「わかった。余裕ができたら買いに行くよ。でもひとまずはこれで我慢してくれ」
「はい」
ユウキは照れくさそうに頷く。少々環境は特殊だったものの、やはりユウキも年頃の女子。きちんと女性として接するべきだな。たとえ俺が彼女を異性として認識しておらずとも。
「長旅で疲れただろ? 部屋でゆっくりするといい」
「ダンザさんはどこかへ行くのですか?」
「キッチンで夕食を作ってくるよ。食材は持ってきてるからね。なにか食べたい物はあるかい?」
「いえ、お任せしますよ」
「オーケー」
部屋を出ようと扉に手を伸ばすと同時に、扉がノックされた。俺はそのままドアノブを回し、扉を開ける。
「はい。どちら様――」
「よう! ダンザ!」
そう言って手を振るは赤髪の槍兵。その隣で、白毛の女の子がぴょんぴょん跳ねて存在を主張している。
「ご無沙汰しております! ダンザさん!」
「ドクト、それにノゾミちゃん……」
ユウキの従妹のノゾミちゃんとその守護騎士のドクトだ。
「えーっと、二人共もしかしてだけど……」
「その『もしかして』だよ。俺たちもこのおんぼろ寮の一員だ」
「どうしてもダンザさんと同じ寮になりたかったので、ここにしてもらいました!」
ノゾミの声を聞き、ユウキがひょこっと俺の影から顔を出す。
「お久しぶりですノゾミさん」
「なんだ。お前もいたのかユウキ」
俺に向けていた表情とは真逆の表情でノゾミちゃんはユウキを見る。
「あーあ。当初の予定通りビショップ寮に泊まれてればよ~。調理人付きの食堂もあって、使用人もいて、悠々自適な生活ができたのによ~」
「文句言うなドクト! 僕はこの寮好きですよ。自然に囲まれていて空気が美味しいし、周囲に民家とかないから人の目を気にせず修行ができます!」
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「ノゾミちゃんの部屋は?」
「僕たちの部屋はこの部屋の隣です! 数秒でダンザさんの部屋に行けますよ!」
「お隣さんですか。壁を貫通するいびきはかかないでくださいよ。ノゾミさん」
「そんな下品な声は出さないさ。お前こそ、同じ部屋だからってダンザさんを誘惑するなよ」
「そんなことはしません」
バチバチと火花を散らす両者。
「ひとまず挨拶はこんなもんでいいだろ。俺は眠いぜ姫様。帰ろう帰ろう」
「わかったよ。それではダンザさん、また!」
「うん。またね」
手を振ってノゾミちゃんとバイバイする。
「じゃ、俺はキッチンへ行ってくる」
「はい。お願いします」
ユウキは部屋の奥へ戻っていった。
俺は当初の予定通り一階に下りて食堂、キッチンに足を運ぶ。すると先客がいたようで、香ばしい香りが鼻腔を貫いてきた。
鍋で煮込んだスープを小皿で味見している女性の姿が目に映る。
「……あら?」
彼女は俺の気配に気づき、こちらを振り返る。
「ごめんなさいね。いま使わせてもらってるの。もしよかったら、あなたもスープを飲む?」
俺は、凍り付いていた。
その女性は――俺の知り合いだった。
褐色肌、白い髪、尖った耳……見違うはずもない。あの頃と、何ら変わらない姿……一瞬、姉妹や血縁者の可能性も探ったが、違う。間違いなく、彼女だ。
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