風俗からの脱出  - 男から見た女 -

おおぎや ちあき

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第6章

心神耗弱に

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年が変わり2020年
東京オリンピックの年となった。

大晦日まで美穂は働き、正月3日間だけは休んで掃除や自炊をしてあとは寝ていたみたいだった。

自炊と言っても彼女は殆どまともな料理は作れないらしい。

まだ彼女の料理を食べたことはないけど、話を聞いてると鍋とかごく簡単な物しか作れないらしい。

冬場だし、だいたい鍋ばっかり食べてるみたいだった。

で、三ヶ日を終えてまた働き出した。

そしてだんだん愚痴が増えてきた。
キツいとか、オーナーにこんなことも出来ないのか! と罵られるとか。

頭痛が酷いとか、下痢が続くとか、食欲がないとか、またヘルペスが出来たとか、彼女のメールに明るさは皆無になってきて、だんだん心が病んできてることがわかった。

登記したという会社の住所は、首都圏の大きな駅から歩いて行ける場所で、出来れば一度出向いて本当に事務所があるのかどうかとか、本当にそこで仕事をしているのかどうかとかを確認したいと思っていた。

そしてまた、一月の返済日が近づいてきた。

今月は返済出来るんだろうな⁉︎
と予めこちらから聞いた。

今月も無理
というか、もう生活していくお金がないと返事が来た。

えっ、先月70万円貸しただろ⁉︎

それは、オーナーへの会社準備金の残金として支払ってしまって、自分としては何にも持ってないと。

で、相変わらずの給料なし。
国から借りると言ってた500万円もまだ面接さえ行われていないと。

なんだよそれは!
俺への返済額は、月々の分が追加金で増えてて、今月の返済が35万円になってるのに、昨年の10月から返済がなく、
逆に追加で100万円以上貸してるのに!

辞めてしまえよ、そんな金にならない持ち出しだけの仕事は!

最初からそのオーナーというやつは、美穂に会社設立の金だけ出させて、ただ働きさせて、あわよくば自分の女にしようと企んでるんだよ!

何故それがわからないんだよ!

と、そのことを何回も何回も噛んで含めるように教えてあげても、違うよそんなんじゃないよと言うことを聞かない。

詐欺なんじゃないか⁉︎
そのオーナーってやつは⁉︎

そんなんじゃないとそれも否定。

しかし、何ヶ月もただ働きさせて、尚且つ150万円出させて、24時間密着してるなんてあり得ない!

本当の話しなのか⁉︎ それは!

またまた強い疑心暗鬼となり、彼女にはそんな一円にもならない仕事は早く辞めろ!  今ならまだ傷は浅いと何回も言い聞かせた。

このままいくと、身体と精神がやられてしまう。
現にもはや鬱状態じゃないか⁉︎

倒れてしまう。

自分から辞めれないのなら、俺が辞めさせてやるしかない。

ここで止めなきゃ壊れてしまう。

俺がそのオーナーを労基署に訴えてやる とか、
俺がそのオーナーを民事で損害賠償起こしてやるとか彼女に提案した。

が、彼女は、やめてよ、そんなんじゃないからと断ってくる。

じゃあ、何なんだよ⁉︎
なんで、そんなオーナーな言いなりになってるんだよ⁉︎

とこれまた何回も何回も聞いたけど、明確な返事もなく、無言のまま。


ここまでこの女に関わってきてしまって、もはや自分としても抜き差しならない所まできてしまっている。

なんとか、今の仕事を辞めさせよう。

そう考えたのが、一月の末である。
で、その月も生活費としてまた10万円を貸してしまった。


2月に入り、ある作戦を実行した。



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