風俗からの脱出 - 女編 -

第一章

風俗の借金を精算して

結局、残金をまた闇金から借りて、あの人に一括で返済して、自分はまた風俗にこのまま沈むと腹を括ったんだけど。

あの人から、そんなヤクザみたいなやつと一緒に来られたら迷惑だと言う話になって、それでまた闇金から借りる話はオジャンになった。

それで、どうしても今の店から逃げ出したいという私の話しを信じてくれたのかどうかはわからないけれど、残りの借金分450万円を立て替えてくれることになったんだよ。

信じられなかった。
ほんとに本当にありがたかった。
神様仏様、神の神だよ！

おまけに、風俗辞めた後の当座の金だと言って、追加で100万円くらい貸してくれたよ。
これで、しばらく静養して滋養つけて、それからまた働けばいいからと。

世の中にはなんて親切な人がいるんだと思った。
とっても嬉しかった。

直ぐに店に借りていた残りの金を全て返してから、久しぶりに家に戻ったよ。

同居のエリにその話をしたら、よかったねと二人で泣いたよ。
その晩は、エリのお母さんも来て、久しぶりに三人で鍋を食べてお酒も飲んだ。
みんなで本当に良かったねと泣いたよ。

このお金を借りる時に、彼の住む街に行ったよ。
初めて会った時も行ったから2回目。

今回初めて泊まったんだ。
一緒に商店街をぶらついたり、中華を食べたりして、夜は繁華街で彼の行きつけのラウンジに行ってお酒を飲んだよ。

店のママも私のことを彼から聞いていたみたいで、気楽に話が出来て楽しかった。

あ～これで風俗やらなくてもいいのかな？　と考えたらすごく気持ちが楽になったんだ。

好きでやってたわけじゃなくて、仕方なくやらされてたわけだから、出来れば二度と風俗はやりたくないよ。

エッチとか好きじゃないし、したいとも思わない。
思ったこともないよ。

昔の彼と同棲してた時は、毎晩エッチしてたけど、その時はそれなりにエッチも好きでしてたんだけど、
仕事で風俗やるようになってからは、ほんとに嫌だ。

男性の性器はもう物にしか見えなくなったよ。
それで欲情するなんてこともなくなった。
というか、見たくもないよ。
嫌なんだもう。

でもお金貸してくれた彼はあたしより三十歳も歳上なんだけど、まだまだあっちの方は強いみたいで、まあ求められたらそりゃ嫌がらないけど、
あたしからはしたいとは思わない。

彼は職業病だなあとかって言うけど、しばらくはダメだと思うな。
でも彼のことは好き。
お金とか貸して貰う前から好きだったよ。

ほんとは、お金とか借りずに普通の男女の関係で付き合いたかったんだ。

全部自分が悪いんだけど、どうしようもなくて、助けてくれる人もいなくて、それで彼に縋ってしまった。

でも、お金は絶対に返済するから。
それは何回も彼には言ってる。

逃げないし、逃げる気もない。
いつまでかかっても絶対に全額返済するからと。