マンション管理員とほほ日記

おおぎや ちあき

文字の大きさ
上 下
8 / 12
第二章

クレーム処理や理不尽な要求

しおりを挟む

大規模マンション故、窓口に来る人はほぼ毎日違う人たちで、その都度初めての顔なので緊張してしまう。
350戸で約1000人が住んでいるということは、大きな高校の倍くらいの人たちが住んでいることになる。

管理室を一歩出るとトイレまでの約20mの道のりでえ見知らぬ住人に数人は出会ってしまう。
必ず「おはようございます」とか「こんにちは」と挨拶をしなければならず、出会った相手が挨拶を返してくれればいいが、ガン無視していく人も5人に1人くらいはいる。
その度に気分が悪くなるのである。

そしてクレームで多いのは、やはり騒音の問題である。
上の階が早朝から楽器を鳴らす音が煩くて耐えられないから何とかしてくれと言ってくるやつ。
本人が直接上の階の人のところに行き文句を言うことは絶対にしない。
それをやると喧嘩になり、居づらくなるからだ。
管理員に言い、管理員からクレームがあったことを伝えて貰うというわけである。

仕方がないので、パソコンでその旨を書き上階の部屋3つくらいのポストに投函する。
すると、「これうちのことですか!?」と管理室に確認に来る人もいる。
その場合には「そうです」とハッキリと答えることにしている。
その方が前向きに善処してもらえる可能性があるからだ。

あとクレームで多いのは、駐車場や駐輪場の停車位置間違い。
これやられると車を停めるところがなくなり本当に困ってしまう。
だいたい夕方このクレームがあると翌朝までどこの車かわからないことが多い。
「間違えて停めていませんか!?」と書いた紙をワイパーに挟むくらいしかない。
車のナンバーも当初は控えてあっても、しょっちゅう車種変更されてその都度変更届けなど出してこない住民が多いため、所有者が誰のものかわからなくなってしまっていることが多い。

似たようなクレームとして、車の止め方が悪いというやつ。
白線の中には入っているが、隣のうちの車に寄りすぎだというやつ。
これもほんの少し10cmくらいズレているだけで何回も文句を言ってくるクレーマがいる。
細かい人はどこにでもいるものだ。

あと、理不尽な要求という点ではこんなこともあった。
マンション内の自販機の下に500円玉を落としてしまったから拾ってくれというのがあった。
本来の業務ではないから断っても良かったのだが、人の好い私は、箒を持って自販機の前に殆ど寝そべって下を掻き出してあげた。
しかし、出てくるのは埃とゴミばかり
ありませんねと言ってもその女性は納得しない。
「そんなはずはない、よく見て」と何回も掃き出すことを要求する。
5分くらいもやらされて、ないですねと言ったら、「よりにもよって500円玉だなんて、見つかったら連絡して」と部屋番号を言って立ち去った。
この女、ありがとうの一言もなしに。
俺はあんたの奴隷じゃねーーと心の中で叫んだ!
とてもムカつく一件でした。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

榛名の園

ひかり企画
青春
荒れた14歳から17歳位までの、女子少年院経験記など、あたしの自伝小説を書いて見ました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

処理中です...