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第二章
クレーム処理や理不尽な要求
しおりを挟む大規模マンション故、窓口に来る人はほぼ毎日違う人たちで、その都度初めての顔なので緊張してしまう。
350戸で約1000人が住んでいるということは、大きな高校の倍くらいの人たちが住んでいることになる。
管理室を一歩出るとトイレまでの約20mの道のりでえ見知らぬ住人に数人は出会ってしまう。
必ず「おはようございます」とか「こんにちは」と挨拶をしなければならず、出会った相手が挨拶を返してくれればいいが、ガン無視していく人も5人に1人くらいはいる。
その度に気分が悪くなるのである。
そしてクレームで多いのは、やはり騒音の問題である。
上の階が早朝から楽器を鳴らす音が煩くて耐えられないから何とかしてくれと言ってくるやつ。
本人が直接上の階の人のところに行き文句を言うことは絶対にしない。
それをやると喧嘩になり、居づらくなるからだ。
管理員に言い、管理員からクレームがあったことを伝えて貰うというわけである。
仕方がないので、パソコンでその旨を書き上階の部屋3つくらいのポストに投函する。
すると、「これうちのことですか!?」と管理室に確認に来る人もいる。
その場合には「そうです」とハッキリと答えることにしている。
その方が前向きに善処してもらえる可能性があるからだ。
あとクレームで多いのは、駐車場や駐輪場の停車位置間違い。
これやられると車を停めるところがなくなり本当に困ってしまう。
だいたい夕方このクレームがあると翌朝までどこの車かわからないことが多い。
「間違えて停めていませんか!?」と書いた紙をワイパーに挟むくらいしかない。
車のナンバーも当初は控えてあっても、しょっちゅう車種変更されてその都度変更届けなど出してこない住民が多いため、所有者が誰のものかわからなくなってしまっていることが多い。
似たようなクレームとして、車の止め方が悪いというやつ。
白線の中には入っているが、隣のうちの車に寄りすぎだというやつ。
これもほんの少し10cmくらいズレているだけで何回も文句を言ってくるクレーマがいる。
細かい人はどこにでもいるものだ。
あと、理不尽な要求という点ではこんなこともあった。
マンション内の自販機の下に500円玉を落としてしまったから拾ってくれというのがあった。
本来の業務ではないから断っても良かったのだが、人の好い私は、箒を持って自販機の前に殆ど寝そべって下を掻き出してあげた。
しかし、出てくるのは埃とゴミばかり
ありませんねと言ってもその女性は納得しない。
「そんなはずはない、よく見て」と何回も掃き出すことを要求する。
5分くらいもやらされて、ないですねと言ったら、「よりにもよって500円玉だなんて、見つかったら連絡して」と部屋番号を言って立ち去った。
この女、ありがとうの一言もなしに。
俺はあんたの奴隷じゃねーーと心の中で叫んだ!
とてもムカつく一件でした。
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