上 下
4 / 9
第一章

パニックお母さん

しおりを挟む
ほぼ毎日のようにいろんな事件が起こる。
同じものはまずない。
戸数が多いためそれぞれが初体験で初めて会う人たちだ。

こんなことがあった。
業務終了の間際に窓口に現れたお母さん
「宅配ボックスが開かなくなりました」と。
話を聞くと、30分前に宅配ボックスを開けたが、荷物が大きかったので一度閉めた。
そして再度取り出しに来たら、そのNOのボックスが開かなくなったとのこと。

そんなことあるのか? とにかく管理員室にある宅配ボックスのキーを取りだして一緒に操作をした。
26番を開けた。
何も入っていない!
「えっ! そんな! さっきはちゃんと荷物があったのに!」
消えた荷物を目の前にして半ばパニくるお母さん。

どなたかご家族の方が取り出したんじゃないんですか? と聞くも
「そんなことありません。 私一人で家族はいません!」と。
でもそんな不思議なことがありますか? おかしいですよねえ。
じゃあ取り敢えず事務所のモニターで30分前からの画像をチェックしてみますということにした。

宅配ボックスが映っているモニターを40分前から再生を始めて見ることにした。
10分経過した時点で、先程の女性がまた窓口に来て、
「すみません、娘が荷物を取り出していました~」 と。

「そうですか、良かったですね!」とは応えたものの、
あれ?? 家族はいないんじゃなかったのか?? という疑問が頭をよぎる。
まあ、しかし無事に出てきて良かった。
だいたい荷物が消えたり、盗まれたりとか考えられないしな。

もう少し、自分で事を判断してから相談してほしいということが実に多い。
そんな一例でした。


しおりを挟む

処理中です...