35 / 50
第三章
第34話
しおりを挟む
「キャァっ!!!!」
甲高い声が部屋に響く。息が荒い、天井に視点がいってたのだが今は床に視点がいった。そして俺の体の下には三葉がいる。苦しそうにもがく。よし、……成功だ。
猫のキーホルダーを男がポッケに入れた。それを見ていた俺は男に乗り移ったのだ。やはり身に付けているやつに乗り移れるんだ。
三葉の体ではもう無理だったからな。男がキーホルダーを盗んでくれてよかった。久しぶりに三葉の上に乗っかって柔らかい身体といい匂いにすごく興奮してくるのだがこんな泥棒野郎のむさ苦しくて重い体は嫌だろう。匂いも少しキツい。
乗り移ってこの男の体の重さをコントロールするのは難しいがなんとか覆い被さった状態から横に転がり彼女を解放してやった。
すかさず三葉は壁側に離れた。涙が目から出ている。怖かっただろう。
「私に何したの? 意識が無くなったから変なことしてないよねっ」
「し、してないよ。反対にこいつの頭が怪我してらぁ」
「……?? 正当防衛よ。ここの部屋に来てから真っ暗になったから絶対何かされた……」
大丈夫だ、男は何もしてない。俺が守った。お前の身体も、命も! あ、こいつ……て言っちまった。あくまでもこの男に乗り移ったから気をつけないとな。
俺は腕を上に組み足をまっすぐにして横に倒れた。
「は、はやく……この体を縛れ!」
「縛る!?」
「また襲ってもいいのか!」
「いやよ! この変態っ!」
「はうううっ」
しまった、何故か知らぬが心の奥底にあるM属性の俺が三葉の罵りでなんとなく高揚感が……。へんな声が出てしまったぞ。ああ。三葉のその冷たい目つき、見下した顔。
俺にはそんな顔をしたことがなかったのに……。
ああ、ダメだ、他人の体なのにへんなところが反応してる。
「……わかったわ。動かないで頂戴。少しでも動いたら!!」
パシン!!!!
三葉が竹刀を持って畳に叩きつけた。こ、こんな彼女見たことない!!!
でもそそられるのはなぜなんだっ!!!
「それよりも早く縛ってくれ!!!! 早く!」
そうだ、三葉! ウカウカしてる場合じゃない。そう、そう、そうだよ。紐……雑誌を縛る紐。それをこの男の体に巻きつけてくれ。でも三葉の力では弱くないか??? ん!!! なんて力だ。真剣な目つきで縛っている。少しなんか手慣れてる感もあるが。まず手首のあたり……。
「こっからどうするんだっけ……」
何か縛り方を知っているのか? 保健室の先生だから護身術とか知ってるんだろうな。ああ、今は保健室の先生っていうワードだけでも反応してしまう。
そうか、他人の体でも男のあの部分は反応するのか。ふむふむ。
にしても三葉。かなり凝った縛り方をしているんだが。荒くぐるぐる巻きでいいんだからな! っ!!!
あああ、何だこのプレイ! 体験したことがないっ。まさかこんなことを死んでから受けるだなんて……ああ、天国に逝くぅううう。
甲高い声が部屋に響く。息が荒い、天井に視点がいってたのだが今は床に視点がいった。そして俺の体の下には三葉がいる。苦しそうにもがく。よし、……成功だ。
猫のキーホルダーを男がポッケに入れた。それを見ていた俺は男に乗り移ったのだ。やはり身に付けているやつに乗り移れるんだ。
三葉の体ではもう無理だったからな。男がキーホルダーを盗んでくれてよかった。久しぶりに三葉の上に乗っかって柔らかい身体といい匂いにすごく興奮してくるのだがこんな泥棒野郎のむさ苦しくて重い体は嫌だろう。匂いも少しキツい。
乗り移ってこの男の体の重さをコントロールするのは難しいがなんとか覆い被さった状態から横に転がり彼女を解放してやった。
すかさず三葉は壁側に離れた。涙が目から出ている。怖かっただろう。
「私に何したの? 意識が無くなったから変なことしてないよねっ」
「し、してないよ。反対にこいつの頭が怪我してらぁ」
「……?? 正当防衛よ。ここの部屋に来てから真っ暗になったから絶対何かされた……」
大丈夫だ、男は何もしてない。俺が守った。お前の身体も、命も! あ、こいつ……て言っちまった。あくまでもこの男に乗り移ったから気をつけないとな。
俺は腕を上に組み足をまっすぐにして横に倒れた。
「は、はやく……この体を縛れ!」
「縛る!?」
「また襲ってもいいのか!」
「いやよ! この変態っ!」
「はうううっ」
しまった、何故か知らぬが心の奥底にあるM属性の俺が三葉の罵りでなんとなく高揚感が……。へんな声が出てしまったぞ。ああ。三葉のその冷たい目つき、見下した顔。
俺にはそんな顔をしたことがなかったのに……。
ああ、ダメだ、他人の体なのにへんなところが反応してる。
「……わかったわ。動かないで頂戴。少しでも動いたら!!」
パシン!!!!
三葉が竹刀を持って畳に叩きつけた。こ、こんな彼女見たことない!!!
でもそそられるのはなぜなんだっ!!!
「それよりも早く縛ってくれ!!!! 早く!」
そうだ、三葉! ウカウカしてる場合じゃない。そう、そう、そうだよ。紐……雑誌を縛る紐。それをこの男の体に巻きつけてくれ。でも三葉の力では弱くないか??? ん!!! なんて力だ。真剣な目つきで縛っている。少しなんか手慣れてる感もあるが。まず手首のあたり……。
「こっからどうするんだっけ……」
何か縛り方を知っているのか? 保健室の先生だから護身術とか知ってるんだろうな。ああ、今は保健室の先生っていうワードだけでも反応してしまう。
そうか、他人の体でも男のあの部分は反応するのか。ふむふむ。
にしても三葉。かなり凝った縛り方をしているんだが。荒くぐるぐる巻きでいいんだからな! っ!!!
あああ、何だこのプレイ! 体験したことがないっ。まさかこんなことを死んでから受けるだなんて……ああ、天国に逝くぅううう。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
南町奉行所お耳役貞永正太郎の捕物帳
勇内一人
歴史・時代
第9回歴史・時代小説大賞奨励賞受賞作品に2024年6月1日より新章「材木商桧木屋お七の訴え」を追加しています(続きではなく途中からなので、わかりづらいかもしれません)
南町奉行所吟味方与力の貞永平一郎の一人息子、正太郎はお多福風邪にかかり両耳の聴覚を失ってしまう。父の跡目を継げない彼は吟味方書物役見習いとして南町奉行所に勤めている。ある時から聞こえない正太郎の耳が死者の声を拾うようになる。それは犯人や証言に不服がある場合、殺された本人が異議を唱える声だった。声を頼りに事件を再捜査すると、思わぬ真実が発覚していく。やがて、平一郎が喧嘩の巻き添えで殺され、正太郎の耳に亡き父の声が届く。
表紙はパブリックドメインQ 著作権フリー絵画:小原古邨 「月と蝙蝠」を使用しております。
2024年10月17日〜エブリスタにも公開を始めました。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる