2人で歩めば（李仁と湊音2024）

短編集

風呂上がりの楽しみ

　残暑。

　風呂上がりも吹き出る汗に嫌気がさす湊音。

「今日はどれにする？」
　と李仁に尋ねられ

「オレンジのやつ」
「はいはい」
　と持ってくるのは先に風呂から上がった李仁。
　もうその口にはオレンジシャーベットアイスが。もう一本同じものを持ってきて袋から丁寧に出されている。
「李仁も食べたらもうこれも在庫切れじゃん」
　と少し不服そうだが。

「まだまだ他のアイスもあるし……」
　李仁は冷凍専用の冷蔵庫にアイスを蓄えていた。いろんな種類のアイスがある。2人きりだがそんなに消費がなさそうでそうでもなかったり。

　手渡されたオレンジアイスを口にする。
「これが好きだから」
「そーよね、ミナくんなんでこれ好きなの？」

　2人は隣同士に座る。
「……だってさ」
　湊音がアイスを口に含めたまま李仁にキスをする。
「チョコとかクリームとかはさ、キスをするとベトベトするもん……」
　ニヤッと笑った湊音だが……。
「このアイスだってベトベトする……ベトベトしたのを舐め合うのが堪らないのよ」
　と李仁は湊音を押し倒した。

　終