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岐阜花火大会
第四話
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目の前で上がる大きな花火たち。
「すんげぇ……いつもテレビで見てるよりも大きいっ」
「当たり前でしょ」
でも音がかなり響く。音だけでなく地響きのよう。でも目の前に打ち上がる今までに感じたことがない花火。
湊音は少し耳が痛そうだ。そこに李仁がカバンの中からヘッドホンを取り出した。
「少しは負担減るでしょ?」
「ありがとう、でも地響きすごい」
「大丈夫よ、大丈夫」
と李仁が湊音の背中をさする。
「あまりにも第迫力すぎるかしら、ふふ」
「うん、びっくり。昔見回りでこの花火大会に来るよりもすっごい身体にくる……っ」
湊音はこの地響きのような音と体感で思い出した。そしてこの部屋の中で香る屋台飯の匂いで彼の記憶の中をこじ開ける。
シバと見回りをしたあの頃。たくさんの祭りの花火を見る人たち……たくさんの屋台……。
耐え切れず人混みをいいことにシバと手を繋ぎ歩いたあの時。
そしてみまわりも終わってシバと車の中で2人きりになり汗だくになりながら抱きしめ、キスをしたことを。
現実に戻ってと気持ちが耐え切れず湊音は李仁にキスをした。
「み、ミナクン……っ! ん?」
李仁は気づいた。そして身体を離してさっきまで飲んでいた湊音のグラスに口をつけた。
「ミナくん、これレモンサワー!!!」
「ほえ?」
もう半分以上飲んでいた。酔ってしまったようだ。
何度も何度もキスをせがんでくる湊音。李仁はアルコールの入った湊音を宥めてソファーに座らそうとするが反対に押し倒される。李仁自身も呑んでいたため力が最大限に出ない。
「ミナくん!!!」
その様子をジュリは笑いながら見てる。そして花火と音と地響き。
湊音はTシャツを脱ぎ李仁に馬乗りになって李仁のズボンを下げた。
「もぉおおおお……!!」
李仁は身を任せた。
ジュリが艶かしい表情で李仁を見る。悶えて溺れていく李仁に興奮して自分1人で愉しむ。
湊音も李仁もジュリもどうかしてた。
花火とアルコールのせい……と。
終わってからも3人は酒を飲み、混じり合い。
気づけばベッドの上に。
散々興奮しまくって欲望を吐き出すだけ吐き出した湊音は酔い潰れた。
果てたジュリは涙を流していた。
「何泣いてるの?」
湊音が体を引き寄せる。
「……今日はありがとうね」
「こちらこそ、色々準備てくれてありがとう……それに……」
2人はキスをした。
ジュリは李仁が好きだった。2人こうして身体を交わることがすごく嬉しく多幸感に満ち溢れている。
一度直近でしたことがあった。
その時も衝動的だった。
「本当は……シバとこうしたかったんでしょ」
「……」
「来年はシバと一緒にいられるといいわね」
「……そうね」
李仁の胸元にジュリは顔を埋めて泣いた。
「せっかくいいところの部屋借りたのにっ、シバのバカバカー!」
と喚き始める。李仁はジュリが酒に酔うと泣き上戸になることを思い出した。ああ、めんどくさいことに……と思ったが眠りにつくまでジュリによるシバの愚痴を延々と聞かされるのであった。
「すんげぇ……いつもテレビで見てるよりも大きいっ」
「当たり前でしょ」
でも音がかなり響く。音だけでなく地響きのよう。でも目の前に打ち上がる今までに感じたことがない花火。
湊音は少し耳が痛そうだ。そこに李仁がカバンの中からヘッドホンを取り出した。
「少しは負担減るでしょ?」
「ありがとう、でも地響きすごい」
「大丈夫よ、大丈夫」
と李仁が湊音の背中をさする。
「あまりにも第迫力すぎるかしら、ふふ」
「うん、びっくり。昔見回りでこの花火大会に来るよりもすっごい身体にくる……っ」
湊音はこの地響きのような音と体感で思い出した。そしてこの部屋の中で香る屋台飯の匂いで彼の記憶の中をこじ開ける。
シバと見回りをしたあの頃。たくさんの祭りの花火を見る人たち……たくさんの屋台……。
耐え切れず人混みをいいことにシバと手を繋ぎ歩いたあの時。
そしてみまわりも終わってシバと車の中で2人きりになり汗だくになりながら抱きしめ、キスをしたことを。
現実に戻ってと気持ちが耐え切れず湊音は李仁にキスをした。
「み、ミナクン……っ! ん?」
李仁は気づいた。そして身体を離してさっきまで飲んでいた湊音のグラスに口をつけた。
「ミナくん、これレモンサワー!!!」
「ほえ?」
もう半分以上飲んでいた。酔ってしまったようだ。
何度も何度もキスをせがんでくる湊音。李仁はアルコールの入った湊音を宥めてソファーに座らそうとするが反対に押し倒される。李仁自身も呑んでいたため力が最大限に出ない。
「ミナくん!!!」
その様子をジュリは笑いながら見てる。そして花火と音と地響き。
湊音はTシャツを脱ぎ李仁に馬乗りになって李仁のズボンを下げた。
「もぉおおおお……!!」
李仁は身を任せた。
ジュリが艶かしい表情で李仁を見る。悶えて溺れていく李仁に興奮して自分1人で愉しむ。
湊音も李仁もジュリもどうかしてた。
花火とアルコールのせい……と。
終わってからも3人は酒を飲み、混じり合い。
気づけばベッドの上に。
散々興奮しまくって欲望を吐き出すだけ吐き出した湊音は酔い潰れた。
果てたジュリは涙を流していた。
「何泣いてるの?」
湊音が体を引き寄せる。
「……今日はありがとうね」
「こちらこそ、色々準備てくれてありがとう……それに……」
2人はキスをした。
ジュリは李仁が好きだった。2人こうして身体を交わることがすごく嬉しく多幸感に満ち溢れている。
一度直近でしたことがあった。
その時も衝動的だった。
「本当は……シバとこうしたかったんでしょ」
「……」
「来年はシバと一緒にいられるといいわね」
「……そうね」
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「せっかくいいところの部屋借りたのにっ、シバのバカバカー!」
と喚き始める。李仁はジュリが酒に酔うと泣き上戸になることを思い出した。ああ、めんどくさいことに……と思ったが眠りにつくまでジュリによるシバの愚痴を延々と聞かされるのであった。
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