学校の桜の下で

麻木香豆

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中学三年生

第六話 変わりゆく日々

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 亀田先生もその後家族の病気がうつって職員室で側にいた先生達も自宅待機から数人病気うつってしばらく来なくなった。

 ニュースで話題になっている感染症だ。

 しばらくすると先生だけでなく高校部、そしてうちらの中学部、我が家の父の会社、母の奥様バレー部……どんどん広まっていく。

 そして学校は休みになった。

 美梨ともスマホで喋るだけになった。
「バイトも行けなくなって大打撃だよ。うちばあちゃん病気してるから……外に出られない」
「しょうがないよ。うちの父さんはリモートでずっと家にいるからお母さんムカつくとか言いながらも居間占有して韓国ドラマ見てる」
「ヒョン様でしょ? うまいところ突いてくるよね、韓流は」
「美梨は相変わらずYESNOBOYZだよね」
「うん。梨岡くん、昨日もオンラインライてくれてさぁ……って紗奈はほんとなにも好きなの無いの?」
「無い……ヒョン様好きになっちゃいそう……」
「いいんじゃない?」

 こうして美梨と喋れるだけで私は嬉しいよ。

「あ、米山先生から理科のプリントもらったけど送るね」
「ありがとうー。米山先生まめだね」
「ただやることなくて自作の問題解いて欲しいだけじゃ無いの?」

 オンライン授業ばかり続いた。

 私たち中学部はそのままほとんどは持ち上がりだから卒業式は無くて高校部の卒業式もオンライン、別の高校に決まった子ともオンライン上でしか会うこともなく。

 寂しい気持ちだった。
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