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新生活編
第一話
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公開プロポーズのあと、食事会があり大いにまた盛り上がった後に2人は食事会の行われたホテルに泊まった。
プロポーズ後もあり2人は燃え上がるかと思ったが、久しぶりの飲酒で酔い潰れて寝てしまったのであった。
次の日の朝も酒が残っている。一護も珍しくヘロヘロである。
そしてトイレで吐いてしまった。背中をさするのは寧人である。
「僕も若くないなぁ、君に介抱されるなんて」
「だな、僕の方がまだなんとか大丈夫」
「お水もありがとう。せっかくの初夜なのに……なにもできなかった」
寧人は一護の口元を拭いてやる。
「旅中に何度も愛し合ったんだからさ……いいんじゃない?」
「そうだね、寧人」
一護は寧人によりかかる。
「朝起きたらさ、夢かと思ったら薬指に指輪があるんだもんな……」
「夢じゃないよ、でも今までの出来事があっという間過ぎて夢のようだよね」
「でもこんな夢のような出来事も君と出会えたからだよ」
「……寧人ってさ、素直じゃないよね」
「……」
「ちゃんと好きって言わないから僕が回りくどい手を使って言わせたようなもんだし」
「一護はそこまでして言わせようとするのもお節介というか、らしいっつーかさ、何というかさ」
寧人は笑うと一護も笑った。
「これから大変だな。仕事もやめて、新しい会社立ち上げて……あーっ、もう考えたくない。このまま夢から覚めないでくれ!」
「いい夢なんだから覚めないで」
二人の手は強く握り合う。
そして昼過ぎに一護の体調も安定したところでチェックアウトして寧人はアパートに戻った。
「久しぶりの我が家ー……? ん?」
寧人は目を丸くした。
「おい、何もないっ! 泥棒かっ?」
旅の始めに寄ったこの部屋がもぬけの殻。寧人はあたふたし始める。その後ろで一護が笑う。
「また一護っ! なにかしたでしょっ」
「うん、新居に全部運んであるから。あ、ちょうどリンちゃんがアパートの前来たって。車の音もする」
寧人は慌てて玄関に行き駐車場を見ると古田が車から降りてきた。
「おい、ホテルから出たら電話しろって言ったろー」
「ごめーん、ちょっと寧人にサプライズしたかったのー」
一護は悪魔のような笑顔で笑う。
「新居ってどこだよ」
「ん、古田と向かうよ」
「まさか市外か?」
「うん、戻るよ……前住んでいたところに」
「……おい、こっから時間かかるぞ」
「少し長旅になるわね」
「また旅ーっ……」
寧人はグタンと座り込む。古田もカンカンカンと古いアパートの階段を上がっていて腕組みして立っている。
「おい、行くぞっ」
「あ、寧人。ちなみにリンちゃんはあなたの秘書兼ドライバーだから」
古田はため息をつく。
「たく、いつまでお前の世話しなきゃいけないんだよ……」
「あらぁ、いいお仕事だと思うけど? でも……おいたはしちゃダメよ。クルマにレコーダー、GPSつけているから」
「……!」
古田は顔を真っ赤にした。まだ実は未練がタラタラなのであるが一護に先手を打たれていた。
「で、私は副社長兼あなたのプライベートの身の回りのお世話係ね。寧人社長!」
と座り込んだ寧人のおでこに一護はキスをした。
「あああああっ」
「さーっ、行くよっ!」
寧人は一護に抱き抱えられてついていくしかなかった。
プロポーズ後もあり2人は燃え上がるかと思ったが、久しぶりの飲酒で酔い潰れて寝てしまったのであった。
次の日の朝も酒が残っている。一護も珍しくヘロヘロである。
そしてトイレで吐いてしまった。背中をさするのは寧人である。
「僕も若くないなぁ、君に介抱されるなんて」
「だな、僕の方がまだなんとか大丈夫」
「お水もありがとう。せっかくの初夜なのに……なにもできなかった」
寧人は一護の口元を拭いてやる。
「旅中に何度も愛し合ったんだからさ……いいんじゃない?」
「そうだね、寧人」
一護は寧人によりかかる。
「朝起きたらさ、夢かと思ったら薬指に指輪があるんだもんな……」
「夢じゃないよ、でも今までの出来事があっという間過ぎて夢のようだよね」
「でもこんな夢のような出来事も君と出会えたからだよ」
「……寧人ってさ、素直じゃないよね」
「……」
「ちゃんと好きって言わないから僕が回りくどい手を使って言わせたようなもんだし」
「一護はそこまでして言わせようとするのもお節介というか、らしいっつーかさ、何というかさ」
寧人は笑うと一護も笑った。
「これから大変だな。仕事もやめて、新しい会社立ち上げて……あーっ、もう考えたくない。このまま夢から覚めないでくれ!」
「いい夢なんだから覚めないで」
二人の手は強く握り合う。
そして昼過ぎに一護の体調も安定したところでチェックアウトして寧人はアパートに戻った。
「久しぶりの我が家ー……? ん?」
寧人は目を丸くした。
「おい、何もないっ! 泥棒かっ?」
旅の始めに寄ったこの部屋がもぬけの殻。寧人はあたふたし始める。その後ろで一護が笑う。
「また一護っ! なにかしたでしょっ」
「うん、新居に全部運んであるから。あ、ちょうどリンちゃんがアパートの前来たって。車の音もする」
寧人は慌てて玄関に行き駐車場を見ると古田が車から降りてきた。
「おい、ホテルから出たら電話しろって言ったろー」
「ごめーん、ちょっと寧人にサプライズしたかったのー」
一護は悪魔のような笑顔で笑う。
「新居ってどこだよ」
「ん、古田と向かうよ」
「まさか市外か?」
「うん、戻るよ……前住んでいたところに」
「……おい、こっから時間かかるぞ」
「少し長旅になるわね」
「また旅ーっ……」
寧人はグタンと座り込む。古田もカンカンカンと古いアパートの階段を上がっていて腕組みして立っている。
「おい、行くぞっ」
「あ、寧人。ちなみにリンちゃんはあなたの秘書兼ドライバーだから」
古田はため息をつく。
「たく、いつまでお前の世話しなきゃいけないんだよ……」
「あらぁ、いいお仕事だと思うけど? でも……おいたはしちゃダメよ。クルマにレコーダー、GPSつけているから」
「……!」
古田は顔を真っ赤にした。まだ実は未練がタラタラなのであるが一護に先手を打たれていた。
「で、私は副社長兼あなたのプライベートの身の回りのお世話係ね。寧人社長!」
と座り込んだ寧人のおでこに一護はキスをした。
「あああああっ」
「さーっ、行くよっ!」
寧人は一護に抱き抱えられてついていくしかなかった。
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