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疑惑編

第三話

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 寧人は古田のバスローブを脱がせて風呂に入らせる。さっきは別々にシャワーを浴びた。

「古田さん、風呂場はどうですかっ。シチュエーション変えたら少しは気持ちが変わるかなって」
「……そこまでしてやりたいのか」
「は、はい」
 だが鼻で笑って古田はバスローブを着て寧人にもバスローブを掛けた。
「あと少ししたら出るぞ」
「そんなぁ……」
 寧人はガックリうなだれた。アレも一緒に元気がなくなったようだ。

「おっさんなのに元気だよなー。昔意外と遊んでたとか?」
 寧人は顔を真っ赤にして首を横に振る。

「えっ、まさか……」
「まさかです」
「ど、ど……」
「童貞です」
「うそだろぉおおお、やべぇ、危うくおっさんの筆下ろしするところだった」
 その言葉に完全に自信を失い寧人はトボトボと着替えた。


 二人は無言のまま着替えが終わって片付けて駐車場の車の中。
「……でもその割にはこないだのプレイは凄かったけど」
 古田から口を開いた。そのプレイは一護仕込みのものであるとは言いづらい寧人。会社のスマホを開くとメールが届いていた。一護、もとい「菱社長」からである。ラブホテルの駐車場にいることがバレたらと思うとヒヤヒヤしつつも。

「菱社長から今朝行ったパン屋のレポート送ったらすぐに返答返ってきました」
「なになに」
 古田がスマホを覗き込む。距離が近い。営業車は狭い。二人は画面から目を外して顔を合わせる。
「なんだ? 鳩森」
「古田さん……」







◆◆◆
「んっ……」
「ふんっんんんん」
 助手席には毛布が。その中には下半身だけ裸の寧人、古田。
 ラブホテルのときは全く違う。激しく乱れ合う。耐えきれなくなった寧人から誘い、上半身を脱ぐのも間に合わず下半身だけ裸という形になった。毛布の中の熱気でシャツも下着も汗だくであるが二人は構わない。営業車の中であることも忘れて。

 古田の様子がさっきとは違う、と寧人は察した。
 鼻息も荒く、キスも荒く。ねっとりねっとり。互いのアレを握り合う。

「寧人ぉっ、僕ね、車の中が好きなのかもしれないっ」
「……どうして? なんかさっきよりも違うよ」
「僕ね、初めての時……車の……そう、助手席っ。そこで犯されたのぉ。倒されて、シートベルトで固定されて逃げられなくて……ズボンを思いっきり下ろされてそのままっ……」
「怖くなかったの?」
 古田は首を振って寧人を見つめる。そしてまたキスをする。

「無理やりだったけど、すごく興奮したの。ぶっといもので何回も突いて突いて、だから僕のお尻から真っ赤な血。処女膜破れたんだねーとか笑われたけど……ふふっ」
「今も息が荒いよ……古田さん」
「ねぇ、寧人っ。筆下ろししてもいいんだよ? 僕で」
 寧人はゴクリと唾を飲み込んだ。まだ一護とも関係を持ってないのにと思いながらも色っぽく誘惑し、寧人のアレの先端を古田は自分のあの入り口に触れさせる。

「はぅうううっ」
 触れただけで一気にボルテージが上がる寧人。古田はもう本気モード。だが何故か頭の中には一護が思い浮かぶ。寧人の先端も限界だ。
「あああああっ、古田さん。うつ伏せになって!」
「えええっ、後ろからっ?」
 古田をうつ伏せにさせて寧人は彼のお尻にアレをあてがう。

「古田さんのはもっちりとして柔らかい……」
 と言っていつものあのプレイをした。そう、お尻に擦り付ける……。

「もぉおおおおっ、挿れてっ! 挿れてっ!」
「あああああぉああああああああああっ」
「ちがぁううううう」
「ああああああああああっ!」
 営業車は激しく揺れ、寧人がイッたと同時に揺れはおさまった。そして古田の背中とお尻に精液が放たれ、ぐったりと倒れた。

 寧人も古田もハァハァと息切れている。
「寧人ぉ、僕もイッちゃった……」
 と下に敷いてあったタオルに古田は射精していた。二人でぐったりと重なり合った。毛布の中でさらに汗まみれになる。
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