(BLR18)合縁奇縁(イチゴとヨシトの場合)

麻木香豆

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出社編

第六話

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 結局二人はクルマの中で乱れた。助手席で毛布をかぶってその中では全裸になった。
寧人はそう自分と背丈の変わらない古田の体を見て驚く。鍛え抜かれた筋肉美に。
少し隙間から光を入れて見えたその身体にどきっとした。

 自分の不摂生な体を恥じるが、重ね合わせるとどうでも良くなった。たくさんキスをした。下半身ではアレ同士がぶつかり合い、擦り合い、はあはあと吐息を出して互いの肌にキスをして舐めて。

「鳩森、シックスナインしよう」
「シックスナイン……」
「もう僕のも限界だ。互いのを舐めよう……」

 体勢は無茶苦茶なのだか互いの欲を満たすためならどうでも良かった。寧人が下で仰向けになり、古田が上に覆いかぶさるように。

 寧人はシックスナインどころか男の人のアレを口にいるなんて、こんなことは一護としたことがなかったが今度やってみようと思う余裕もあったのか……ぐいぐいと自分の口に含んだこともないものを入れられて息をするのも大変だった。

 どこを持てばいいのかわからず古田のお尻を掴んで上下に動かしてやると
「んんんんーーーーっ」
と寧人のアレを加えた古田はすごく反応をした。そして寧人の口の中に射精した。
「んんんんんーっ!」
寧人は突然のことにパニックになり、自分のアレからも……。

 互いに果てたが、古田はしつこく寧人のをねぶる。二人は体勢を横に倒し、寧人は古田のを口から出した。口の中には精液が残っている。これを一護に飲ませていたのかと寧人は申し訳ない気持ちになる。
 
 早く吐き出したい。古田はどうしたのだろうか、という気持ちにもなるが彼はその様子もない。
「ティッシュあるよ」
と古田は箱ごと差し出してくれた。
「古田さんは出さなくていいの」
「大丈夫、飲んだから」
「飲む物じゃないよ」
「慣れてる」
 声だけでは古田の真意はわからない寧人だが、自分は口から吐き出した。

 そのあと体勢を戻してお互い顔を合わせたもう二人の体は熱さに汗だくである。
 互いの体臭がまとわりつく。古田からは甘いシナモンの香水の匂い。寧人は石鹸の匂い。そして互いの汗の匂いと元々の体臭。寧人は少しツンとした臭い。
 古田は寧人のうなじをクンクンさせる。寧人は恥ずかしくなる。

「鳩森の匂い、すごく好き」
「あまりいい匂いじゃないですよ」
「おじさんの匂い、好き」
「おじさん……」
ハァハァと古田は興奮しだす。

「僕、初めての人……鳩森くらいの歳の人だったんだ。知らないおじさんでね、レイプされたんだけど……」
といきなり古田が語り出した。
「怖かったけど……なにも知らない僕にこの快楽を教えてくれたんだ……」
 脚を絡ませ合う。また古田のアレは大きくなっていた。寧人も。

「親から早く結婚しろって言われて同期の女と付き合って結婚して子供を作ったがその彼女とのセックスは僕の欲を満たしてくれなかった」
 古田は寧人にねっとりと抱きつく。いつもいじめてくる彼とは違う。

「いつもきつくあたってただろ? 僕は人をいじめてその反応を見るのが好きだった……特に嫌がる顔が。でも体は違った……」
「古田さん?」
 古田は脚を開いた。少し光を入れてその場所を見せた。
「鳩森……犯して、僕を……」
 いつものキツネ目をトロンとさせて誘う古田。しかし寧人は首を横に振った。
「なんで……」
「その、まだ挿れたことがない」 
「まじかよっ」
古田は体を起こした。だが毛布から出ると裸を見られるためすぐ毛布をかぶった。

「あああっ、変なこと話しちゃった……忘れろ、鳩森。お前も僕と同じかと思ったけど」
「……同じ……?」
「ゲイ、だろ?」
「んー、そうでもないのかなぁ」
「どっちなんだよ」
 と言いつつも古田は寧人にキスをした。寧人もそれに応えた。
 そして二人でアレを握り合って果てた頃にはひどく汗まみれであった。

 二人、目を合わせて
「シャワー浴びよう……」
 と言うのであった。

 近くの漫画喫茶でシャワーを借り、昼前に会社に着いた二人。

「遅れちまったな……一応お前は僕の営業について行った形で申請するから上手いこと言えよ」
「はい……」
 二人は何かぎこちない。さっきまでの関係をなんとしてでもバレないよう……。


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