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2022
シゲさん2
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二人は車で喫茶真津に向かう。そこのマスターはシゲさんのお兄さんが経営している場所でもあり、そのマスターは現在湊音の元妻である美帆子の夫でもある。
そのため美帆子もその息子の美守もいた。美守は先ほどまで湊音と剣道の稽古をしていたが彼も同じく帰宅してから叔父であるシゲさんの死を聞かされ、泣きじゃくってた。きっとよくしてもらっていたのであろう。
美帆子とは元夫婦関係で特に仲は悪くないし、美守のこともたまには面倒も見ているが互いに再婚して少し不思議な関係だが目を合わせて、湊音が会釈して美帆子もそう返した。
「李仁くん、湊音くん、来てくれてありがとう。こんな中。今は病院にシゲはいる……前の奥さんと娘さんたちだけ面会はできるんだが、夕方には近くの葬儀場に……」
長兄である真津一郎マスター、その妻の美帆子と美守親子、その次の兄の森巣幸重と娘夫婦(森巣さんは婿養子かつ妻も息子も亡くし、息子の妻だった現在地方ラジオ局のパーソナリティである森巣ハナである)が集まっているこの空間に家族以外の李仁と湊音がこのご時世のなか呼ばれたのは稀なことである。
ふぎゃあ、ふぎゃぁ
喫茶店は臨時休業。喫茶店の中でハナの腕の中で赤ちゃんが泣いている。
「……脳梗塞だった……てっきり私が先に逝くもんだとおもってたんだが」
「まだ50になったばかりじゃねぇか。1番下のシゲがなんでこんなに早く」
兄弟二人ともシゲさんと全く同じ顔、背格好で5歳ずつ離れている。
まるで三つ子のようだ。でも少しずつ加齢をしていて真津マスターに関しては全部白髪、森巣とシゲさんに関しては白髪混じりであった。
落ち着かない雰囲気の中、李仁と湊音の前に真津マスターの娘の渚がコーヒーを持ってきた。
「父が今手につかなくてわたしが作ったコーヒーですがどうぞ」
いつも真津マスターがコーヒーを昔ながらの希少な機械で作るのだがやはりじつの弟を失うとなるとそれさえもできないのだろう。
同じ機械だが味が変わるはずではないだろうが渚はそう言いコーヒーを2人に出してまた奥に戻っていった。
「李仁……飲もうか」
「ええ……」
李仁は先ほどのようには大泣きはしてはいないがやはり暗い顔のままだ。
湊音はそんな彼の手を握る。握り返されることはないが李仁はコーヒーをようやく口にした。
「あ……そういえば」
湊音はとあることを思い出したのだ。李仁はふと彼を見る。
「僕たち、シゲさんにスーツをオーダーしてたよね。今月末に仕上がりますって……」
「……あっ」
そのため美帆子もその息子の美守もいた。美守は先ほどまで湊音と剣道の稽古をしていたが彼も同じく帰宅してから叔父であるシゲさんの死を聞かされ、泣きじゃくってた。きっとよくしてもらっていたのであろう。
美帆子とは元夫婦関係で特に仲は悪くないし、美守のこともたまには面倒も見ているが互いに再婚して少し不思議な関係だが目を合わせて、湊音が会釈して美帆子もそう返した。
「李仁くん、湊音くん、来てくれてありがとう。こんな中。今は病院にシゲはいる……前の奥さんと娘さんたちだけ面会はできるんだが、夕方には近くの葬儀場に……」
長兄である真津一郎マスター、その妻の美帆子と美守親子、その次の兄の森巣幸重と娘夫婦(森巣さんは婿養子かつ妻も息子も亡くし、息子の妻だった現在地方ラジオ局のパーソナリティである森巣ハナである)が集まっているこの空間に家族以外の李仁と湊音がこのご時世のなか呼ばれたのは稀なことである。
ふぎゃあ、ふぎゃぁ
喫茶店は臨時休業。喫茶店の中でハナの腕の中で赤ちゃんが泣いている。
「……脳梗塞だった……てっきり私が先に逝くもんだとおもってたんだが」
「まだ50になったばかりじゃねぇか。1番下のシゲがなんでこんなに早く」
兄弟二人ともシゲさんと全く同じ顔、背格好で5歳ずつ離れている。
まるで三つ子のようだ。でも少しずつ加齢をしていて真津マスターに関しては全部白髪、森巣とシゲさんに関しては白髪混じりであった。
落ち着かない雰囲気の中、李仁と湊音の前に真津マスターの娘の渚がコーヒーを持ってきた。
「父が今手につかなくてわたしが作ったコーヒーですがどうぞ」
いつも真津マスターがコーヒーを昔ながらの希少な機械で作るのだがやはりじつの弟を失うとなるとそれさえもできないのだろう。
同じ機械だが味が変わるはずではないだろうが渚はそう言いコーヒーを2人に出してまた奥に戻っていった。
「李仁……飲もうか」
「ええ……」
李仁は先ほどのようには大泣きはしてはいないがやはり暗い顔のままだ。
湊音はそんな彼の手を握る。握り返されることはないが李仁はコーヒーをようやく口にした。
「あ……そういえば」
湊音はとあることを思い出したのだ。李仁はふと彼を見る。
「僕たち、シゲさんにスーツをオーダーしてたよね。今月末に仕上がりますって……」
「……あっ」
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