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2021
一旦終わり
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あっけなく3人暮らしは終わり、シバが使っていた和室は天気の良い日に片付けられてリビングは広くなった。
「なつかしいな、この広さ」
湊音は掃除機をかける。少し前まではここにシバがいた。持ってきた折り畳み式のベッドの上でシバと愛を交わした……李仁が寝ている間に。でも彼は知ってた。李仁も同じベッドの上で……。
それぞれシバとの関係は内緒にしあってたがもうバレバレであった。それはそれで良い。
そんな変な関係。
湊音は次第にシバが自分に興味を持たなくなったのを感じ取っていた。
掃除機をかけ終わって少し物寂しげなようだ。
李仁はその様子を後ろから見ていた。外を見ると雲は全くなく、晴れている。雨が降っていなくて何よりだった、そう思いながら湊音の後ろから抱きつく。
李仁もシバがいなくなったのは寂しいようなそうでもないような、不思議な感覚。
「李仁、くすぐったい」
「この首筋を下から上にキスをするのが最近のミナくんのお気に入りよね」
と優しく李仁は湊音の首筋にキスをしていく。
あっ、あっ、とポイントポイントで湊音は声を上げる。その声を楽しむかのように李仁はキスする力を強める。
「痕がついちゃう」
「ふふふ」
「こらぁ、今日昼から説明会……あっ、あっ」
フローリングの上で寝転がり何度もキスをしあう。ちょうどシバのベッドがあったところだ。
「ここで何度もシバに愛されたでしょ? シバのを愛したでしょ……」
「あっ……ああっ!!!」
そのあとソファーに移動して戯れあい、二人は大きな一枚のブランケットに包まれてその中で抱き合う。
「ねぇ、その麻衣って子はちゃんと仕事来てる?」
「来てるわよ。欠席もないし、少し明るくなったからシバとは順調そうよ。深くは聞いてはないけどねー」
「そうなんだ……ならいいや」
「上司としては部下のプライベートに深く突っ込みたくないけど表情とメイクでわかるもんよ……」
と李仁が言ったあと二人は何故か
「やっぱ女かぁ……」
と声を合わせてしまった。お互いにびっくりして笑い合う。
「うける」
「ねー……あれっ、雨の音?」
さっきまで晴れだったのに雨が降り始めた。
「……」
湊音は雨を見つめる。そういえばここにシバがやってきた時も雨だった。また雨。
李仁がギュッと抱きしめる。
「……まだ思い出すの? そんなにいい男だった? シバは」
「……わからない。でも今は雨を見ながら李仁に抱かれてる。だから大丈夫……」
湊音は李仁にピッタリとひっつく。
「何が大丈夫なんだか」
李仁はさらに強く抱きしめた。もう他のものには渡さぬよう、強く強く。
でもまた刺激が足りなくなったら……。
夫夫来来 2021 終わり
「なつかしいな、この広さ」
湊音は掃除機をかける。少し前まではここにシバがいた。持ってきた折り畳み式のベッドの上でシバと愛を交わした……李仁が寝ている間に。でも彼は知ってた。李仁も同じベッドの上で……。
それぞれシバとの関係は内緒にしあってたがもうバレバレであった。それはそれで良い。
そんな変な関係。
湊音は次第にシバが自分に興味を持たなくなったのを感じ取っていた。
掃除機をかけ終わって少し物寂しげなようだ。
李仁はその様子を後ろから見ていた。外を見ると雲は全くなく、晴れている。雨が降っていなくて何よりだった、そう思いながら湊音の後ろから抱きつく。
李仁もシバがいなくなったのは寂しいようなそうでもないような、不思議な感覚。
「李仁、くすぐったい」
「この首筋を下から上にキスをするのが最近のミナくんのお気に入りよね」
と優しく李仁は湊音の首筋にキスをしていく。
あっ、あっ、とポイントポイントで湊音は声を上げる。その声を楽しむかのように李仁はキスする力を強める。
「痕がついちゃう」
「ふふふ」
「こらぁ、今日昼から説明会……あっ、あっ」
フローリングの上で寝転がり何度もキスをしあう。ちょうどシバのベッドがあったところだ。
「ここで何度もシバに愛されたでしょ? シバのを愛したでしょ……」
「あっ……ああっ!!!」
そのあとソファーに移動して戯れあい、二人は大きな一枚のブランケットに包まれてその中で抱き合う。
「ねぇ、その麻衣って子はちゃんと仕事来てる?」
「来てるわよ。欠席もないし、少し明るくなったからシバとは順調そうよ。深くは聞いてはないけどねー」
「そうなんだ……ならいいや」
「上司としては部下のプライベートに深く突っ込みたくないけど表情とメイクでわかるもんよ……」
と李仁が言ったあと二人は何故か
「やっぱ女かぁ……」
と声を合わせてしまった。お互いにびっくりして笑い合う。
「うける」
「ねー……あれっ、雨の音?」
さっきまで晴れだったのに雨が降り始めた。
「……」
湊音は雨を見つめる。そういえばここにシバがやってきた時も雨だった。また雨。
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「……まだ思い出すの? そんなにいい男だった? シバは」
「……わからない。でも今は雨を見ながら李仁に抱かれてる。だから大丈夫……」
湊音は李仁にピッタリとひっつく。
「何が大丈夫なんだか」
李仁はさらに強く抱きしめた。もう他のものには渡さぬよう、強く強く。
でもまた刺激が足りなくなったら……。
夫夫来来 2021 終わり
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