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2021
反対の立場
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湊音はベッドで横たわっていたが、警察からの電話で飛び起き、タクシーがなかなか空いておらず、たまたま近くまで来ていたシゲさんの車で向かった。
向かった先は病院。李仁は気を失い倒れたそうだ。数年前に倒れた際に運び込まれたところで、湊音は嫌な予感しかない。
シゲさんは駐車場で待つとのことで湊音は一人で病室に向かう。
今回も看護師にご関係はと聞かれて「パートナー」と答えるとその看護師は一瞬湊音をまじまじとみたような気もしたがすぐ病室を教えた。
緊張しながらも湊音はドアを開けると点滴をしている李仁がいた。首元は包帯をしている。
「李仁!」
「……ミナくん」
いつもとは違うか細い声で、かなり弱っていた。嫌なことがあっても冗談を言って笑わせることもあったのだが、今はできなさそうである。
湊音は抱きつくことはせず、ベットの横にある椅子に座って李仁の手を握った。李仁も握り返す。
「ごめんね、心配かけて。気絶してさ、そっから警察の尋問受けて疲れちゃった」
「警察?! ってなんで……それにその首の包帯」
李仁は俯く。
「……シバと会ってた」
湊音はその名前を聞くとハッとした。言葉を失う。
李仁は湊音の手を握る。
「ごめん、勝手な真似をした私がダメだった。それに……その、わたし……」
李仁は声を詰まらす。二人無言になり、手を握りあう。
「あの……」
「あのっ」
二人、同時に声を出した。目を合わせた。
「ごめん」
「ううん、李仁先に言って」
「ミナくんこそ」
湊音は黙る。
「じゃあ私から言うね。……ミナくんがシバと関係をまた持ってることは気づいてたわ。それもだけど、あなたが不安定になってるのはシバのせいだって思って会いに行ったら……つい感情的になっちゃってさ」
湊音は泣き出した。咽び泣く。
「わたし、ミナくんがボロボロになっていく姿を見て辛かったの。自分何すれば、どうすればって悩んでた。その感情が爆発しちゃった……」
泣き続ける湊音の頭を撫でる李仁。
「ごめんなさいっ、ごめっ、ごめん。……シバとセックスした。なんども。でももうあいつには仕事以外では会いたくない。僕もだけど李仁までボロボロになるんだもん」
ブワッとさらに泣き出す。涙で李仁のかけられたシーツは濡れていく。
「あとね……その」
李仁は口籠もりながら話を進めていく。言おうか言わないか悩んでるようだ。泣き腫らす湊音に対して。
「……りひとっ、李仁はっこんな僕いらないだろ?」
「何を言うの、ミナくん?」
「昔あんだけ李仁が浮気してふわふわしてた時嫌な思いしてたのに僕が同じことして。傷つけて!」
李仁はそれを聞いて一呼吸して決意したようだ。
「ミナくん、ちょっと落ち着いて聞いてほしい……」
「うぐっ、うぐっ……」
泣き止まない湊音が落ち着くまで待つしかない、李仁はそう思っているうちに寝てしまった。
向かった先は病院。李仁は気を失い倒れたそうだ。数年前に倒れた際に運び込まれたところで、湊音は嫌な予感しかない。
シゲさんは駐車場で待つとのことで湊音は一人で病室に向かう。
今回も看護師にご関係はと聞かれて「パートナー」と答えるとその看護師は一瞬湊音をまじまじとみたような気もしたがすぐ病室を教えた。
緊張しながらも湊音はドアを開けると点滴をしている李仁がいた。首元は包帯をしている。
「李仁!」
「……ミナくん」
いつもとは違うか細い声で、かなり弱っていた。嫌なことがあっても冗談を言って笑わせることもあったのだが、今はできなさそうである。
湊音は抱きつくことはせず、ベットの横にある椅子に座って李仁の手を握った。李仁も握り返す。
「ごめんね、心配かけて。気絶してさ、そっから警察の尋問受けて疲れちゃった」
「警察?! ってなんで……それにその首の包帯」
李仁は俯く。
「……シバと会ってた」
湊音はその名前を聞くとハッとした。言葉を失う。
李仁は湊音の手を握る。
「ごめん、勝手な真似をした私がダメだった。それに……その、わたし……」
李仁は声を詰まらす。二人無言になり、手を握りあう。
「あの……」
「あのっ」
二人、同時に声を出した。目を合わせた。
「ごめん」
「ううん、李仁先に言って」
「ミナくんこそ」
湊音は黙る。
「じゃあ私から言うね。……ミナくんがシバと関係をまた持ってることは気づいてたわ。それもだけど、あなたが不安定になってるのはシバのせいだって思って会いに行ったら……つい感情的になっちゃってさ」
湊音は泣き出した。咽び泣く。
「わたし、ミナくんがボロボロになっていく姿を見て辛かったの。自分何すれば、どうすればって悩んでた。その感情が爆発しちゃった……」
泣き続ける湊音の頭を撫でる李仁。
「ごめんなさいっ、ごめっ、ごめん。……シバとセックスした。なんども。でももうあいつには仕事以外では会いたくない。僕もだけど李仁までボロボロになるんだもん」
ブワッとさらに泣き出す。涙で李仁のかけられたシーツは濡れていく。
「あとね……その」
李仁は口籠もりながら話を進めていく。言おうか言わないか悩んでるようだ。泣き腫らす湊音に対して。
「……りひとっ、李仁はっこんな僕いらないだろ?」
「何を言うの、ミナくん?」
「昔あんだけ李仁が浮気してふわふわしてた時嫌な思いしてたのに僕が同じことして。傷つけて!」
李仁はそれを聞いて一呼吸して決意したようだ。
「ミナくん、ちょっと落ち着いて聞いてほしい……」
「うぐっ、うぐっ……」
泣き止まない湊音が落ち着くまで待つしかない、李仁はそう思っているうちに寝てしまった。
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