10 / 56
2021
また明日から
しおりを挟む
李仁と湊音、一緒にご飯を食べる。しかし今日はいつもと違う、と李仁は察した。
「ミナくん、ご飯の量少なめじゃない。食欲ないの?」
確かにそうである。教師の頃は剣道指導もしていたこともあってか山盛りのご飯二杯は必ず食べていた湊音。今日は茶碗の半量である。
「んー、今日からダイエットをしようかなって。前みたいに運動してないし……あ、セックスは除く」
「まぁ、ある種セックスもスポーツほど激しくやれば運動になるけども」
「……まぁね、でね! 40も過ぎたら体重落ちにくいって。教師辞めてから尚更」
そう言いながら湊音は白いご飯から箸をつけようとすると李仁が声をかけた。
「白いご飯から食べちゃダメ。サラダから食べて」
「はいはい、そうでしたー」
湊音はニコニコしながらサラダを口にする。トマトやきゅうり、レタス……少し辛いワサビドレッシングがアクセントだ。
「唐揚げ美味しそー」
ごろっと揚げた唐揚げを湊音は頬張る。
「米粉、米油で仕上げた唐揚げ。どうかしら」
「うまいうまい、って食べ過ぎはダメか」
「やだー、せっかく私が作ったんだから」
「程々にしておくよ」
「うん、わかった」
李仁はせっかく自信満々に作った唐揚げを程々にされてふてくされる。
彼は前にバーで働いていて料理はとても得意。働いてる頃は試作品をたくさん作っては湊音に食べてもらったほどだ。
「ふてくされるなよ、飯が不味くなる」
「て、食べるほどのご飯はないけどどうします?」
李仁の微笑みに湊音は苦笑いする。
「……ご飯、いただきます」
「はーい、つぎますね。まだ唐揚げ揚げるから」
「うむ」
湊音はまいったなぁと味噌汁を口に注ぎ込む。
「ダイエットはまた明日からにするよ」
「そうしなさいよ」
二人は笑った。
「ミナくん、ご飯の量少なめじゃない。食欲ないの?」
確かにそうである。教師の頃は剣道指導もしていたこともあってか山盛りのご飯二杯は必ず食べていた湊音。今日は茶碗の半量である。
「んー、今日からダイエットをしようかなって。前みたいに運動してないし……あ、セックスは除く」
「まぁ、ある種セックスもスポーツほど激しくやれば運動になるけども」
「……まぁね、でね! 40も過ぎたら体重落ちにくいって。教師辞めてから尚更」
そう言いながら湊音は白いご飯から箸をつけようとすると李仁が声をかけた。
「白いご飯から食べちゃダメ。サラダから食べて」
「はいはい、そうでしたー」
湊音はニコニコしながらサラダを口にする。トマトやきゅうり、レタス……少し辛いワサビドレッシングがアクセントだ。
「唐揚げ美味しそー」
ごろっと揚げた唐揚げを湊音は頬張る。
「米粉、米油で仕上げた唐揚げ。どうかしら」
「うまいうまい、って食べ過ぎはダメか」
「やだー、せっかく私が作ったんだから」
「程々にしておくよ」
「うん、わかった」
李仁はせっかく自信満々に作った唐揚げを程々にされてふてくされる。
彼は前にバーで働いていて料理はとても得意。働いてる頃は試作品をたくさん作っては湊音に食べてもらったほどだ。
「ふてくされるなよ、飯が不味くなる」
「て、食べるほどのご飯はないけどどうします?」
李仁の微笑みに湊音は苦笑いする。
「……ご飯、いただきます」
「はーい、つぎますね。まだ唐揚げ揚げるから」
「うむ」
湊音はまいったなぁと味噌汁を口に注ぎ込む。
「ダイエットはまた明日からにするよ」
「そうしなさいよ」
二人は笑った。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる