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小旅行?!
第三十八話 彩子先生
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「イデデ……」
デレデレしてるシバの耳をいつの間にか横にきていたジュリがつまむ。
「何、未亡人に手を出そうとしてるのよ」
「出してねぇよ……あっちから誘ってきたんだよ」
「にしても三葉も切り替えが早すぎるのよ。よりによってこの人タラシ野郎にモーションかけるだなんて。まぁ元ヤリマンだし性格合ってるのかもね、似たもの同士!」
「え、まじか……」
シバはそうに見えないぞと……。
「合宿中は稽古に集中すること。私も特に用事がない限りは連絡しない。湊音先生とは別室。セックス禁止、キスも禁止。わかった?」
「わかってますって。顧問は1人一部屋をわざわざ予約してくださって……」
ジュリとシバが小競り合いしている中、1人の女性がやってきた。
「あら、彩子先生じゃない」
「すいません、遅れちゃいました……これ、主人が渡そうかと思ったんだけどぎっくり腰で私が代わりに……」
結構小さめな綾子先生と言われた女性。三葉ようなセクシーさはないがシバの好みのサイズ感の女性の登場にどきっともしたが会話の中で主人、というキーワードが出てたのを漏らさず聞いており、人妻も悪くないとシバは彼女を観察していた。
「あ、この子は彩子先生。ここの美術教師だけど半年前に結婚、出産で今産休中なの。彩子先生、この人が剣道部に来たシバ先生」
「初めまして。今産休中ですがあと半年で復帰予定です。その時は何卒よろしくお願いします」
「あ、あぁ……よろしくお願いします……」
何をよろしくかわからないシバだが、彼女もシバのことを見て頬を赤らめている。
ふと彼女の耳元の揺れるイヤリングを見た。
「お子さんもいてアクセサリーもしておしゃれですね」
「昔から好きなの。一点ものだから……高いってこともあるから大事に使ってるんだ。てか人の身につけているものを褒めるだなんて、シバ先生って昔遊んでたんでしょ?」
「なっ……」
図星のシバ。ジュリも横で笑ってるが目は笑ってない。
「おいシバ! さっきから何やってんだ。もう行くぞ!」
「はいはいわかりましたよー。では彩子先生、ジュリ……理事長……行ってきます」
シバは彩子から紙袋を受け取って慌ててバスに乗った。
新幹線はギリギリ間に合い、部員と共に新幹線に乗る。2人はもちろん隣同士。まぁそれは普通のことだろうが2人にとっては特別な感じでもある。そんなことは出会った頃のままの険悪な関係だったらありえないことだろう。
「とりあえずゆっくりできるな……今のうちに寝ておいた方がいいな」
とシバは声をかける。だが湊音はうん、と静かに頷いた。部員たちは関東への遠征ともあってとても賑やかでそれぞれの過ごし方をしているようだ。
「朝早かったし寝てもいいぞ」
「お前の許可で寝るもんじゃないし」
ようやく少し笑った湊音。
「……あの時に顧問室にいたのって彩子先生だったんだな」
「みたいだな」
彩子から受け取ったお土産の袋を見て2人はわかったようだ。前持って来た女性をターゲットにした衣料店と同じ系列の製菓店のものであった。それは今部員たちが回して食べていて2人のところにも回ってきた。
「湊音は彩子先生と関係あったのか」
「!!!」
「図星だ」
湊音はンンンっと唸って無言になった。
「前お酒を飲んで記憶なくして部下とセックスしたって……あの女かぁ」
「ちょっと、他の乗客もいるし部員もいるんですから」
シバはニヤッと笑った。彼の手元は湊音の膝掛けの中に。湊音はさらに目を見開く。顔を横に振る。
「ちょっと、シバ」
「こういうのやってみたかったんだよ」
「ば、馬鹿じゃないのか」
「声を出すなよ」
湊音は顔を真っ赤にする。彼は観念してカバンの中からティッシュを何枚か取り出して膝掛けの中に入れた。そして膝掛けをシバの上にもかけた。シバはそれを見てニヤニヤとし出す。湊音もシバのところに手を入れた。互いに見つめ合う。
空いてる手で部活動資料ファイルを持ってさらに隠したつもりだろうか。
「その彩子先生と酒飲んでホテルでやっちまったのか……」
「まだその時は僕は……離婚したばかりで、恋人もいなかった。彼女も赴任したばかりで……僕は恥ずかしながら恋をした」
「いやぁ、恋することは恥ずかしくないって」
「部下に手を出すのはやばいだろ?」
「んで、それで?」
シバは平気そうだが少し気持ち良くなってきたようだ。湊音は終始顔に出てなるべくシバの方を見ないようにしていた。
恥ずかしい過去を話すのも相まってさらに顔は赤く染まる。
「悩み事があるからと金曜の夜に飲みに行って、僕は飲まないつもりだったのに勧められるまま飲んでしまって……それに好きだった……から……嬉しくて、頼られるのが。そして気づいたらホテルまで来ててすぐセックスした」
「わぉ、やるねぇ。湊音先生……でその後は?」
と聞くとかぶせ気味に湊音が
「その後はもうそっけない……まぁ仕事には支障がないように接しられてあの夜が無かった事にされて……したらさぁ喫煙所で他の男の先生たちが彼女とやった回数を競っててさぁ……」
シバはやばいと思った。スイッチが突如入った。怒り出すと湊音は早口になる。そして手の動きも早くなり、平静を保ってたシバも反応が最高潮に達した。
「……やば」
「……あーあ」
湊音がニヤッと笑った。
「元はシバが仕掛けたことだから。ザマアミロ」
「すいませんでした……」
うなだれるシバ。湊音も静かに果てていたようだ。
2人は見つめあって笑い合った。その後また2人はたわいもない話をして気付けば目的地についていた。
そんなことをしていたなんて知らなかった部員たちは2人が尚更仲良くなってるのを見てびっくりしていた。
だがそんな雰囲気はここまで。さらに駅からバスに乗って剣道部一同は合宿所に向かうのであった。
デレデレしてるシバの耳をいつの間にか横にきていたジュリがつまむ。
「何、未亡人に手を出そうとしてるのよ」
「出してねぇよ……あっちから誘ってきたんだよ」
「にしても三葉も切り替えが早すぎるのよ。よりによってこの人タラシ野郎にモーションかけるだなんて。まぁ元ヤリマンだし性格合ってるのかもね、似たもの同士!」
「え、まじか……」
シバはそうに見えないぞと……。
「合宿中は稽古に集中すること。私も特に用事がない限りは連絡しない。湊音先生とは別室。セックス禁止、キスも禁止。わかった?」
「わかってますって。顧問は1人一部屋をわざわざ予約してくださって……」
ジュリとシバが小競り合いしている中、1人の女性がやってきた。
「あら、彩子先生じゃない」
「すいません、遅れちゃいました……これ、主人が渡そうかと思ったんだけどぎっくり腰で私が代わりに……」
結構小さめな綾子先生と言われた女性。三葉ようなセクシーさはないがシバの好みのサイズ感の女性の登場にどきっともしたが会話の中で主人、というキーワードが出てたのを漏らさず聞いており、人妻も悪くないとシバは彼女を観察していた。
「あ、この子は彩子先生。ここの美術教師だけど半年前に結婚、出産で今産休中なの。彩子先生、この人が剣道部に来たシバ先生」
「初めまして。今産休中ですがあと半年で復帰予定です。その時は何卒よろしくお願いします」
「あ、あぁ……よろしくお願いします……」
何をよろしくかわからないシバだが、彼女もシバのことを見て頬を赤らめている。
ふと彼女の耳元の揺れるイヤリングを見た。
「お子さんもいてアクセサリーもしておしゃれですね」
「昔から好きなの。一点ものだから……高いってこともあるから大事に使ってるんだ。てか人の身につけているものを褒めるだなんて、シバ先生って昔遊んでたんでしょ?」
「なっ……」
図星のシバ。ジュリも横で笑ってるが目は笑ってない。
「おいシバ! さっきから何やってんだ。もう行くぞ!」
「はいはいわかりましたよー。では彩子先生、ジュリ……理事長……行ってきます」
シバは彩子から紙袋を受け取って慌ててバスに乗った。
新幹線はギリギリ間に合い、部員と共に新幹線に乗る。2人はもちろん隣同士。まぁそれは普通のことだろうが2人にとっては特別な感じでもある。そんなことは出会った頃のままの険悪な関係だったらありえないことだろう。
「とりあえずゆっくりできるな……今のうちに寝ておいた方がいいな」
とシバは声をかける。だが湊音はうん、と静かに頷いた。部員たちは関東への遠征ともあってとても賑やかでそれぞれの過ごし方をしているようだ。
「朝早かったし寝てもいいぞ」
「お前の許可で寝るもんじゃないし」
ようやく少し笑った湊音。
「……あの時に顧問室にいたのって彩子先生だったんだな」
「みたいだな」
彩子から受け取ったお土産の袋を見て2人はわかったようだ。前持って来た女性をターゲットにした衣料店と同じ系列の製菓店のものであった。それは今部員たちが回して食べていて2人のところにも回ってきた。
「湊音は彩子先生と関係あったのか」
「!!!」
「図星だ」
湊音はンンンっと唸って無言になった。
「前お酒を飲んで記憶なくして部下とセックスしたって……あの女かぁ」
「ちょっと、他の乗客もいるし部員もいるんですから」
シバはニヤッと笑った。彼の手元は湊音の膝掛けの中に。湊音はさらに目を見開く。顔を横に振る。
「ちょっと、シバ」
「こういうのやってみたかったんだよ」
「ば、馬鹿じゃないのか」
「声を出すなよ」
湊音は顔を真っ赤にする。彼は観念してカバンの中からティッシュを何枚か取り出して膝掛けの中に入れた。そして膝掛けをシバの上にもかけた。シバはそれを見てニヤニヤとし出す。湊音もシバのところに手を入れた。互いに見つめ合う。
空いてる手で部活動資料ファイルを持ってさらに隠したつもりだろうか。
「その彩子先生と酒飲んでホテルでやっちまったのか……」
「まだその時は僕は……離婚したばかりで、恋人もいなかった。彼女も赴任したばかりで……僕は恥ずかしながら恋をした」
「いやぁ、恋することは恥ずかしくないって」
「部下に手を出すのはやばいだろ?」
「んで、それで?」
シバは平気そうだが少し気持ち良くなってきたようだ。湊音は終始顔に出てなるべくシバの方を見ないようにしていた。
恥ずかしい過去を話すのも相まってさらに顔は赤く染まる。
「悩み事があるからと金曜の夜に飲みに行って、僕は飲まないつもりだったのに勧められるまま飲んでしまって……それに好きだった……から……嬉しくて、頼られるのが。そして気づいたらホテルまで来ててすぐセックスした」
「わぉ、やるねぇ。湊音先生……でその後は?」
と聞くとかぶせ気味に湊音が
「その後はもうそっけない……まぁ仕事には支障がないように接しられてあの夜が無かった事にされて……したらさぁ喫煙所で他の男の先生たちが彼女とやった回数を競っててさぁ……」
シバはやばいと思った。スイッチが突如入った。怒り出すと湊音は早口になる。そして手の動きも早くなり、平静を保ってたシバも反応が最高潮に達した。
「……やば」
「……あーあ」
湊音がニヤッと笑った。
「元はシバが仕掛けたことだから。ザマアミロ」
「すいませんでした……」
うなだれるシバ。湊音も静かに果てていたようだ。
2人は見つめあって笑い合った。その後また2人はたわいもない話をして気付けば目的地についていた。
そんなことをしていたなんて知らなかった部員たちは2人が尚更仲良くなってるのを見てびっくりしていた。
だがそんな雰囲気はここまで。さらに駅からバスに乗って剣道部一同は合宿所に向かうのであった。
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