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3年目
第四十五話 トクさん…単推し宣言の功罪
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ハナ単推しになってからの初めてのイベントである。俺は迷わずハナのTシャツに袖を通した。美玲ちゃんのTシャツにも未練がある。
そして昨日はSNSに、
『ハナ単推しします』
と書き込みをしたら通知が鳴り止まなかった。
まじか、嘘だろ、ようこそ、裏切り者、浮気、寝返りやがって、どういう心境か……なんだよ、そんなにあれなのか? アイドルだぞ?
……メンバー自身はSNSはやってないものの、こういうのを安易に書くものではないなと反省した。
今朝もまた美玲ちゃんソロのCMを見た。東海ローカルの朝の情報番組では悠里ちゃんが天気予報を読んでいた。情報番組では由美香さんがドラマに出演することが決定したというニュース。
ハナは……? 美玲ちゃんだけ表立って、ハナはそのブレイクの波に乗れなかった。
でもレギュラーのラジオ放送のメインパーソナリティがハナに決定したのだ。おい、大丈夫か? 嬉しいのだが。まぁ週一だしな。大野ちゃんはあくまでも、サポートという形らしい。
それよりも今日は地域チャンネルの卒業ライブイベント。そして全メンバーとのチェキ会。またツーショットでは無いのか。
キンちゃんと、トオルで気合を入れて挑むものの抽選の結果後ろの方の席。なんでだ、古参の俺らがなんで後ろの方だ!?
「まぁ落ち着いてみようぜ、僕らは」
とクールに気取ったトオルは由美香さんTシャツを着てる。俺がハナ単推し宣言をしたら
「僕、実は由美香さんが最初から好きで」
と、由美香さん単推しになったのだ。こいつは昔からクールな顔しながら女たらしだからな。
「由美香さんはここ最近グッと大人っぽく、さらにセクシーになった気がする」
淡々と言うが見ているところは見ているな。だが由美香さん、噂だと近々発表だった映画出演が無くなったらしいが噂にしか過ぎないからなぁ。残念だ。キンちゃんは相変わらず美玲ちゃんファン。
「なんかさ、トクさんが単推し宣言してからみんなも単推し宣言をしだしてさ。……僕も、美玲ちゃん単推ししたいけど、ハナちゃんも気になるんだ」
「無理して単推ししなくてもいいんだぞ」
「だけど最近トクさんがハナちゃんハナちゃん言うから……気になっちゃうんです!!」
と美玲ちゃんTシャツの下からハナTシャツを見せるキンちゃん。おい、まじかっ!!!
「まだ単推しはできないけど、ね……うん」
ふと前の方を見るとマスター、少し前にはアガサもいた。また親衛隊のやつらは運営から盛り上げて欲しいというのか、最前列に配置されていた。おい、総長の俺をなぜ後ろにする!! そして親衛隊たちよ、俺に前の席を譲らぬのか! もう名ばかりの総長で、他のやつにまかせっぱなしというのもあるけども。キンチャンやトオルとか気の合う人といるのがいい、無駄に群がりたくない……ダメだなー俺は。
それよりもトオルはこんなところにいていいのかよ。
「あ、実は昨日さ、カミさんが子供連れて実家に帰った」
「えっ?!」
なんでこんな時にそんな告白?! もっとさらに聞き出そうと俺らは問い詰めると
「みんなぁーーー! 地域チャンネル卒業ライブ始まるよー!!」
あ、ハナの掛け声。ライブが始まってしまった……。聞きたいところだが、ライブ中は日頃からの悩みや苦しみを置いて夢に浸る時間。子供まで去ってしまってトオルは辛いだろう。
いやーでも気になる、めっちゃきになる!!! でもまぁいいか、それよりもライブだぁ!!!
そして昨日はSNSに、
『ハナ単推しします』
と書き込みをしたら通知が鳴り止まなかった。
まじか、嘘だろ、ようこそ、裏切り者、浮気、寝返りやがって、どういう心境か……なんだよ、そんなにあれなのか? アイドルだぞ?
……メンバー自身はSNSはやってないものの、こういうのを安易に書くものではないなと反省した。
今朝もまた美玲ちゃんソロのCMを見た。東海ローカルの朝の情報番組では悠里ちゃんが天気予報を読んでいた。情報番組では由美香さんがドラマに出演することが決定したというニュース。
ハナは……? 美玲ちゃんだけ表立って、ハナはそのブレイクの波に乗れなかった。
でもレギュラーのラジオ放送のメインパーソナリティがハナに決定したのだ。おい、大丈夫か? 嬉しいのだが。まぁ週一だしな。大野ちゃんはあくまでも、サポートという形らしい。
それよりも今日は地域チャンネルの卒業ライブイベント。そして全メンバーとのチェキ会。またツーショットでは無いのか。
キンちゃんと、トオルで気合を入れて挑むものの抽選の結果後ろの方の席。なんでだ、古参の俺らがなんで後ろの方だ!?
「まぁ落ち着いてみようぜ、僕らは」
とクールに気取ったトオルは由美香さんTシャツを着てる。俺がハナ単推し宣言をしたら
「僕、実は由美香さんが最初から好きで」
と、由美香さん単推しになったのだ。こいつは昔からクールな顔しながら女たらしだからな。
「由美香さんはここ最近グッと大人っぽく、さらにセクシーになった気がする」
淡々と言うが見ているところは見ているな。だが由美香さん、噂だと近々発表だった映画出演が無くなったらしいが噂にしか過ぎないからなぁ。残念だ。キンちゃんは相変わらず美玲ちゃんファン。
「なんかさ、トクさんが単推し宣言してからみんなも単推し宣言をしだしてさ。……僕も、美玲ちゃん単推ししたいけど、ハナちゃんも気になるんだ」
「無理して単推ししなくてもいいんだぞ」
「だけど最近トクさんがハナちゃんハナちゃん言うから……気になっちゃうんです!!」
と美玲ちゃんTシャツの下からハナTシャツを見せるキンちゃん。おい、まじかっ!!!
「まだ単推しはできないけど、ね……うん」
ふと前の方を見るとマスター、少し前にはアガサもいた。また親衛隊のやつらは運営から盛り上げて欲しいというのか、最前列に配置されていた。おい、総長の俺をなぜ後ろにする!! そして親衛隊たちよ、俺に前の席を譲らぬのか! もう名ばかりの総長で、他のやつにまかせっぱなしというのもあるけども。キンチャンやトオルとか気の合う人といるのがいい、無駄に群がりたくない……ダメだなー俺は。
それよりもトオルはこんなところにいていいのかよ。
「あ、実は昨日さ、カミさんが子供連れて実家に帰った」
「えっ?!」
なんでこんな時にそんな告白?! もっとさらに聞き出そうと俺らは問い詰めると
「みんなぁーーー! 地域チャンネル卒業ライブ始まるよー!!」
あ、ハナの掛け声。ライブが始まってしまった……。聞きたいところだが、ライブ中は日頃からの悩みや苦しみを置いて夢に浸る時間。子供まで去ってしまってトオルは辛いだろう。
いやーでも気になる、めっちゃきになる!!! でもまぁいいか、それよりもライブだぁ!!!
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