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2年目
第十六話 ハナ…急遽デビューの裏側
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「いやーびっくりしたよ。君がアイドルだなんて……とりあえずおめでとう」
「ありがとうございます、阿笠《あがさ》先生」
「今度のデビューライブ、行くからちゃんと手を振ってね」
「はい……ありがとうございます」
私は通院先の病院近くにある喫茶店で、阿笠先生とランチを食べる。私が先生の病院に定期検診に行ったその日の昼は毎回先生の昼休みに合わせてここで食べることになっている。なっている、て強制的に聞こえるけどわたしはそうは思ってないし自然とそうなっているのだ。
阿笠先生はとても紳士的で優しい。いつも美味しいここのランチを食べさせてもらってる。ほっと一息、そんな時間なのである。
今日はこの後昼から夜までエステの仕事、それが終わったら週末のデビューライブに向けてのレッスンがある。明日も地域チャンネルの収録に、ラジオの収録、エステの仕事、地域のイベントの打ち合わせ……研究生から本メンバーになってから途端に忙しくなった。本当にこんなに忙しいし人気も少しずつ出てるのに存続の危機ってなんなんだろう。
美玲ちゃんの彼氏連れ込み事件(あえてそう言う!)もあったけど。彼女は清流ガールズになる前から付き合ってたカークンという年上彼氏がいて。カークン含めてお説教した。(アイドルにお説教ってレア体験!)
でも美玲は相当反省してたし、カークンも普段はしっかりしてる人で面白い人。それに美玲をしっかり支えてくれている。
それ以来美玲と二人で恋話をしたり、ちょっとエッチな話をするようになってさらに仲良くなったわけで。
他のメンバーとももちろん仲良くて。由美香さんは私のことをお姉ちゃんって呼んでくれるの。あのセクシーでクールな由美香さんが。普段は少し泣き虫の女の子なのよね。それは絶対にアイドルの時には見せない。すごいよね!
大野ちゃんはプロデュースに回るようになってからか落ち着くのかなぁと思ったらそうでもないようで。
色々と目論んでいるよう。私はてっきり大野ちゃんも一緒に歌って踊れると思ったのに、あの生放送でいきなり辞めるて言うし。
それから研究生としてスタジオ見学していた私がいきなりお披露目になっててんやわんやで超パニック姿でテレビに出ることになってしまったのよね。恥ずかしかった。何も考えてなかったし……。
「まだこの私がデビューって早くないですか……しかも大野ちゃん抜けた状態で」
「私が抜けて不安定な時に、まだあたふたしてるひよっこみたいな子が入ってきた、さぁどうなる? 清流ガールズ! もっと応援したい!!! とファンたちを煽ってみたのよ」
……そんな作戦……美玲ちゃんも由美香さんも聞かされてなくて今でも録画を見直すと二人ともボロボロ泣いてたよ。私なんててんぱりすぎてたし。
「まぁちょっとハナだけじゃあ不安だからってもう一人いれるんだけどね……納得いかないけど」
え?! だって私以外研究生いないんだけど。みんな辞めちゃったし。……てか私だけじゃ不安って。
……わたしだけじゃだめなの、大野ちゃん。
「ありがとうございます、阿笠《あがさ》先生」
「今度のデビューライブ、行くからちゃんと手を振ってね」
「はい……ありがとうございます」
私は通院先の病院近くにある喫茶店で、阿笠先生とランチを食べる。私が先生の病院に定期検診に行ったその日の昼は毎回先生の昼休みに合わせてここで食べることになっている。なっている、て強制的に聞こえるけどわたしはそうは思ってないし自然とそうなっているのだ。
阿笠先生はとても紳士的で優しい。いつも美味しいここのランチを食べさせてもらってる。ほっと一息、そんな時間なのである。
今日はこの後昼から夜までエステの仕事、それが終わったら週末のデビューライブに向けてのレッスンがある。明日も地域チャンネルの収録に、ラジオの収録、エステの仕事、地域のイベントの打ち合わせ……研究生から本メンバーになってから途端に忙しくなった。本当にこんなに忙しいし人気も少しずつ出てるのに存続の危機ってなんなんだろう。
美玲ちゃんの彼氏連れ込み事件(あえてそう言う!)もあったけど。彼女は清流ガールズになる前から付き合ってたカークンという年上彼氏がいて。カークン含めてお説教した。(アイドルにお説教ってレア体験!)
でも美玲は相当反省してたし、カークンも普段はしっかりしてる人で面白い人。それに美玲をしっかり支えてくれている。
それ以来美玲と二人で恋話をしたり、ちょっとエッチな話をするようになってさらに仲良くなったわけで。
他のメンバーとももちろん仲良くて。由美香さんは私のことをお姉ちゃんって呼んでくれるの。あのセクシーでクールな由美香さんが。普段は少し泣き虫の女の子なのよね。それは絶対にアイドルの時には見せない。すごいよね!
大野ちゃんはプロデュースに回るようになってからか落ち着くのかなぁと思ったらそうでもないようで。
色々と目論んでいるよう。私はてっきり大野ちゃんも一緒に歌って踊れると思ったのに、あの生放送でいきなり辞めるて言うし。
それから研究生としてスタジオ見学していた私がいきなりお披露目になっててんやわんやで超パニック姿でテレビに出ることになってしまったのよね。恥ずかしかった。何も考えてなかったし……。
「まだこの私がデビューって早くないですか……しかも大野ちゃん抜けた状態で」
「私が抜けて不安定な時に、まだあたふたしてるひよっこみたいな子が入ってきた、さぁどうなる? 清流ガールズ! もっと応援したい!!! とファンたちを煽ってみたのよ」
……そんな作戦……美玲ちゃんも由美香さんも聞かされてなくて今でも録画を見直すと二人ともボロボロ泣いてたよ。私なんててんぱりすぎてたし。
「まぁちょっとハナだけじゃあ不安だからってもう一人いれるんだけどね……納得いかないけど」
え?! だって私以外研究生いないんだけど。みんな辞めちゃったし。……てか私だけじゃ不安って。
……わたしだけじゃだめなの、大野ちゃん。
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