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第九章 発覚
第四十五話
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そのころ時雨は家で焼きそばを食べていた。藍里の弁当の中にも入れ、昼に自分でも食べてまた夜に藍里と自分、そしてさくらも食べる。
「たくさん作っちゃったなぁー」
と食べ終わった後、食器を運びふとコンロに目をやる。……タバコをまたふと吸いたくなる。さくらには交際当初に吸うのは辞めてくれと言われ、高校生の藍里がいるのもあってやめたのだが、藍里がタバコの吸い終わった後の手の匂いを喜んでいたのを思い出す。
しばらくは二人きりになっても抱きつくこともしなくなった。
藍里は清太郎と付き合い始めたからだ。
と時雨はしまっておいたこっそり買ったタバコの箱を取り出して吸っていた頃のように手慣れた感じでタバコをひょいと出してコンロの日にタバコを近づけて口にした。
そして吸った煙をふぅーっとコンロの換気扇に当てる。流石に板前の頃は店ではすることはなかったが、さくらの前に付き合っていた女性の家に泊まった頃に一緒にタバコを吸ってこのようにしていたこともあったという余計な過去と思い出してしまった。
彼はそう恋愛経験はないし、恋人も指で数えても片手で済む、過去の恋もそんな修羅場とかすごく悲しい思い出もなかった。
ここ数年はさくらのことが一番だったはずなのに、その娘の藍里、しかも自分よりも一回り以上下の高校生にかき回されるだなんて思いもしなかったようだ。
一度自分がさくらのことをどうもできず泣きついてしまった時はつい、であったが藍里から抱きつかれた時には流石に不意打ちで、自分の体が反応してしまった時に咄嗟にタオルケットで藍里を巻いてから抱きついたもののやはりダメだった。
あの時さくらが帰って来なかったらその自分の性の捌け口の行方は……。
久しぶりに最後までさくらと愛を交わせた、と。あの時コンビニで避妊具を買って台所にそのまま袋に入れて置いてあったのを思い出して使った。
隣のリビングのソファで藍里が寝ているのにも関わらずそういう行為をしてしまったのは反省したいところだが自分の欲を発散させるためにはしょうがなかった。さくらもいつも以上に興奮しており声も大きかった。満足させてあげられて時雨は嬉しかった。
でもその避妊具は藍里との間に何かしらの気持ちが起きてしまってその時に使おうとは思ってはいた。だがそんな良からぬことで使うこともなく。自分は高校生の藍里と、ましてや恋人のさくらとそういう関係になろうということを考えてしまったことに反省してしまう。
そして今は藍里は……清太郎のそばにいる。少し胸が痛む。
ふぅっとまた大きく煙を吐く。
「馬鹿か、僕は……」
とタバコを瓶に擦り付けて火を消す。タバコの箱もまだタバコは入ってるのにそのまま捨てた。そして掃除を始める。気を紛らわすには掃除、料理、家事だと。良からぬ思いを考える前にと。
鼻歌を歌いながら掃除をする。
ががが……
何か掃除機の先が詰まっている。ガガガガという音。時雨はヘッドを見ると紙が詰まっていた。
何かのメモ用紙である。
「エージェントタウン……」
そう書かれた紙の下に電話番号と住所。筆跡からさくらの字だとわかった。藍里の学校に提出する書類に会社名を書くときにメモをしたものだろう、時雨は捨てようとした。だが彼女の仕事をしっかり聞いていなかった。
自分は養われている身分からして詮索はするまいと思ってはいた。だが……つい気になり持っていたスマートフォンで検索した。
そして会社のサイトをクリックし、読み進める時雨。
「……!」
「たくさん作っちゃったなぁー」
と食べ終わった後、食器を運びふとコンロに目をやる。……タバコをまたふと吸いたくなる。さくらには交際当初に吸うのは辞めてくれと言われ、高校生の藍里がいるのもあってやめたのだが、藍里がタバコの吸い終わった後の手の匂いを喜んでいたのを思い出す。
しばらくは二人きりになっても抱きつくこともしなくなった。
藍里は清太郎と付き合い始めたからだ。
と時雨はしまっておいたこっそり買ったタバコの箱を取り出して吸っていた頃のように手慣れた感じでタバコをひょいと出してコンロの日にタバコを近づけて口にした。
そして吸った煙をふぅーっとコンロの換気扇に当てる。流石に板前の頃は店ではすることはなかったが、さくらの前に付き合っていた女性の家に泊まった頃に一緒にタバコを吸ってこのようにしていたこともあったという余計な過去と思い出してしまった。
彼はそう恋愛経験はないし、恋人も指で数えても片手で済む、過去の恋もそんな修羅場とかすごく悲しい思い出もなかった。
ここ数年はさくらのことが一番だったはずなのに、その娘の藍里、しかも自分よりも一回り以上下の高校生にかき回されるだなんて思いもしなかったようだ。
一度自分がさくらのことをどうもできず泣きついてしまった時はつい、であったが藍里から抱きつかれた時には流石に不意打ちで、自分の体が反応してしまった時に咄嗟にタオルケットで藍里を巻いてから抱きついたもののやはりダメだった。
あの時さくらが帰って来なかったらその自分の性の捌け口の行方は……。
久しぶりに最後までさくらと愛を交わせた、と。あの時コンビニで避妊具を買って台所にそのまま袋に入れて置いてあったのを思い出して使った。
隣のリビングのソファで藍里が寝ているのにも関わらずそういう行為をしてしまったのは反省したいところだが自分の欲を発散させるためにはしょうがなかった。さくらもいつも以上に興奮しており声も大きかった。満足させてあげられて時雨は嬉しかった。
でもその避妊具は藍里との間に何かしらの気持ちが起きてしまってその時に使おうとは思ってはいた。だがそんな良からぬことで使うこともなく。自分は高校生の藍里と、ましてや恋人のさくらとそういう関係になろうということを考えてしまったことに反省してしまう。
そして今は藍里は……清太郎のそばにいる。少し胸が痛む。
ふぅっとまた大きく煙を吐く。
「馬鹿か、僕は……」
とタバコを瓶に擦り付けて火を消す。タバコの箱もまだタバコは入ってるのにそのまま捨てた。そして掃除を始める。気を紛らわすには掃除、料理、家事だと。良からぬ思いを考える前にと。
鼻歌を歌いながら掃除をする。
ががが……
何か掃除機の先が詰まっている。ガガガガという音。時雨はヘッドを見ると紙が詰まっていた。
何かのメモ用紙である。
「エージェントタウン……」
そう書かれた紙の下に電話番号と住所。筆跡からさくらの字だとわかった。藍里の学校に提出する書類に会社名を書くときにメモをしたものだろう、時雨は捨てようとした。だが彼女の仕事をしっかり聞いていなかった。
自分は養われている身分からして詮索はするまいと思ってはいた。だが……つい気になり持っていたスマートフォンで検索した。
そして会社のサイトをクリックし、読み進める時雨。
「……!」
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