29 / 42
情報屋の男
そのバーにいた
しおりを挟む
事件が行き詰まり、先輩の瀧本さんに相談した。するととあるはずれのバーに情報屋がいると教えてもらった。
「まぁそれなりに覚悟していけ」
覚悟とは? 怪しいやつではないよな?だがどうしても解決したかった。
そのバーに入ると薄暗い店内。客はまばら。どこにいるのだ。
『リヒト』
という男に尋ねろ、と言われたが。カウンターに一人のバーテンダー。
「いらっしゃい」
と微笑まれた。後髪が長く、ピアスをしている。中性的な感じである。
「あの、リヒトという人は」
「わたしよ」
リヒトはそのバーテンダーであった。喋ると女のようである。
「瀧本さんから聞いてます。どのようなことを?」
俺は他の客の目を気にしながらもとある事件に関する女性の写真をリヒトに見せた。
「ああ、この子ね。この通りの飲み屋の……」
もう一枚の男の写真を見て彼もわかるとのことだ。
「メールでまた情報を送るわ」
黒い名刺を渡された。ホログラムで描かれた蝶の模様が怪しく光る。裏には電話番号、メアドが書いてあった。
彼の情報は的確で事件の解決につながった。どうしてこんな情報を?瀧本には深入りするなと言われたが。
俺は解決したことを報告をしに店に行くとリヒトは微笑んだ。そして俺は金を入れた封筒を差し出すと、返された。
「こんなのいらないわ」
返すとき、彼の手を見るととても綺麗でシュッとした指。つい見惚れてしまった。するとその手は俺の手を握った。そして見つめられる。艶かしい目で。
「いや、お礼をさせてほしい」
俺は握り返した。
「明日、ボジョレー解禁日なの。もう入手してるから一緒に夜飲まない?」
◆◆◆
とあるラブホテルで俺とリヒトは身体を交わした。男は初めてであったが彼は女のような仕草で俺を惑わせ、上手に誘導してくれた。
そして日を跨いだときにボジョレーヌーボをグラスに注いで飲んだ。口移しでも。
互いの頬が赤く染まる。さらに俺らは混ざり合った。覚悟とはなんだったのか。瀧本さんも、このような関係を?
まぁこれきりの関係だろうと思っていたから相手してやったのだが、まさかそれから何年も彼に翻弄されるとはこの時は知らなかった。
「まぁそれなりに覚悟していけ」
覚悟とは? 怪しいやつではないよな?だがどうしても解決したかった。
そのバーに入ると薄暗い店内。客はまばら。どこにいるのだ。
『リヒト』
という男に尋ねろ、と言われたが。カウンターに一人のバーテンダー。
「いらっしゃい」
と微笑まれた。後髪が長く、ピアスをしている。中性的な感じである。
「あの、リヒトという人は」
「わたしよ」
リヒトはそのバーテンダーであった。喋ると女のようである。
「瀧本さんから聞いてます。どのようなことを?」
俺は他の客の目を気にしながらもとある事件に関する女性の写真をリヒトに見せた。
「ああ、この子ね。この通りの飲み屋の……」
もう一枚の男の写真を見て彼もわかるとのことだ。
「メールでまた情報を送るわ」
黒い名刺を渡された。ホログラムで描かれた蝶の模様が怪しく光る。裏には電話番号、メアドが書いてあった。
彼の情報は的確で事件の解決につながった。どうしてこんな情報を?瀧本には深入りするなと言われたが。
俺は解決したことを報告をしに店に行くとリヒトは微笑んだ。そして俺は金を入れた封筒を差し出すと、返された。
「こんなのいらないわ」
返すとき、彼の手を見るととても綺麗でシュッとした指。つい見惚れてしまった。するとその手は俺の手を握った。そして見つめられる。艶かしい目で。
「いや、お礼をさせてほしい」
俺は握り返した。
「明日、ボジョレー解禁日なの。もう入手してるから一緒に夜飲まない?」
◆◆◆
とあるラブホテルで俺とリヒトは身体を交わした。男は初めてであったが彼は女のような仕草で俺を惑わせ、上手に誘導してくれた。
そして日を跨いだときにボジョレーヌーボをグラスに注いで飲んだ。口移しでも。
互いの頬が赤く染まる。さらに俺らは混ざり合った。覚悟とはなんだったのか。瀧本さんも、このような関係を?
まぁこれきりの関係だろうと思っていたから相手してやったのだが、まさかそれから何年も彼に翻弄されるとはこの時は知らなかった。
1
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる