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着物美人
その二
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◆◆◆
とある駐在所。警察官になったばかりの冬月は、一人の時間に、とても美しい着物美人の訪問にとても驚き、話に聞き入っていた。
ストーカーにあったというその女性、とにかく大変そうで、なぜこんなにも辛い思いをしているのになぜ警察は動かないのか。
取りあえず話を聞こう、そういう姿勢で聞いていたものの、それよりも綺麗なうなじに見惚れていた。
「お巡りさん、聞いてます?話……」
「あ、は、はい!聞いてます……それは、それは大変です……あの、あなたのお名前をお聞かせください、大丈夫です。記録用ですから。他所に漏れることはありませんから、はい」
「怖いわぁ。なんてね、もう何回も聞かれてこたえていますから、警察の方には。なのに何もしてくれない」
「すいません……」
「名前はオオガワラ、マサル……」
「オオガワラ、マサ……マサル!?」
ふふふ、と着物美人が笑う。どう見ても綺麗な女性ではないかと冬月は目を丸くする。
「普段はね、姉の名前を書くようにしてるの。でもやっぱりこういうところでは本名、教えないとね」
……冬月はハァとため息をつくしかなかった。
「そうそう、漢字はね、大きな川の原っぱで、大川原、そして真の流れで真流」
冬月はその名前をノートに書く。念のため免許証を見せてもらい、確認して返す。他にも住所、電話番号を聞いた。
「とにかくお願いしますね、怖いの……お願い」
ギュッと冬月はペンを持つ右手を両手で握られたときの強さと見た目のギャップに驚いた。
とある駐在所。警察官になったばかりの冬月は、一人の時間に、とても美しい着物美人の訪問にとても驚き、話に聞き入っていた。
ストーカーにあったというその女性、とにかく大変そうで、なぜこんなにも辛い思いをしているのになぜ警察は動かないのか。
取りあえず話を聞こう、そういう姿勢で聞いていたものの、それよりも綺麗なうなじに見惚れていた。
「お巡りさん、聞いてます?話……」
「あ、は、はい!聞いてます……それは、それは大変です……あの、あなたのお名前をお聞かせください、大丈夫です。記録用ですから。他所に漏れることはありませんから、はい」
「怖いわぁ。なんてね、もう何回も聞かれてこたえていますから、警察の方には。なのに何もしてくれない」
「すいません……」
「名前はオオガワラ、マサル……」
「オオガワラ、マサ……マサル!?」
ふふふ、と着物美人が笑う。どう見ても綺麗な女性ではないかと冬月は目を丸くする。
「普段はね、姉の名前を書くようにしてるの。でもやっぱりこういうところでは本名、教えないとね」
……冬月はハァとため息をつくしかなかった。
「そうそう、漢字はね、大きな川の原っぱで、大川原、そして真の流れで真流」
冬月はその名前をノートに書く。念のため免許証を見せてもらい、確認して返す。他にも住所、電話番号を聞いた。
「とにかくお願いしますね、怖いの……お願い」
ギュッと冬月はペンを持つ右手を両手で握られたときの強さと見た目のギャップに驚いた。
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