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シンクロカップル
第三話
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コウは遠くで由貴と亜美が話してる姿を見てこっちに来るなとさらに思った。
「……コウさんはお写真でしか見たことなかったかと思いますがすごい良い筋肉で。憧れでした」
「たしかに、あなたも凄い筋肉ですが……まさか」
桐生は微笑んだ。
「コウさん、僕たちと同じぽそうだから言うけど同性愛者なんです。あ、女性も大丈夫なんでバイセクシャル」
「は、はぁ」
コウはギクリとした。彼自身はバイセクシャルというよりもホモセクシャル寄りの好きになってもらったら誰で好きになるパンセクシャルだけども性的ではないノンセクシャルも混ざっている。
藤澤と桐生は付き合っていたのだ。藤澤は亜美と付き合っていたし、桐生は亜美のことを気にしていた。
「藤澤くんが亜美の肉体……まさか筋肉に乗り移ってるなんて。しかも意識はない、ああ……」
落ち込む桐生にコウは
「でも亜美さんの中に藤澤さんがいますから、共に生きれますよ」
と先ほど亜美が言った言葉を投げかけた。
「……はい。でも僕はあくまでも知らない、というていにしてくださいね。僕はひっそりと藤澤くんのいる筋肉を愛します……聞こえますかねぇ」
コウはうーんと考える。とある筋肉系お笑い芸人が筋肉に話しかけてるネタをしているのを思い出したのだがそれをやってみるとか? なんて提案するのも……と躊躇した。
「……感じ取ってはくれるかもしれませんねぇ」
としかコウは言えなかった。
「それに僕は……バイセクシャルではない、それだけは伝えておきます」
とも付け加えて。
「……そうなんだ。あと体鍛えたらもっといいと思うけどジム紹介しましょうか?」
ニコッと笑う桐生。さっきよりも距離を詰められているがコウはなんとも思わない。
「まぁ考えておきますよ、お安くなるなら。……ではご依頼のお代を……」
ビジネスモードのコウに戻った。桐生はがっかりしている。コウはこういうのに疎い。桐生に惚れられていたことにまったく気づいていなかったのである。
その夜、桐生は亜美の全ての筋肉にキスをした。でも亜美にとっては複雑な気持ちで、その筋肉は自分でないのにキスをするだなんて、という。
2人のすれ違いは亜美が死ぬまで続くのだろう。
動画では桐生と藤澤のことは触れなかった。触れるものではなかったとも思っているし互いに墓場に持っていくレベルの話である。
コウはやっぱ除霊しても良かったのでは……とも思ったが流石に人の命は落とすわけにはいかなかった、と。
「……コウさんはお写真でしか見たことなかったかと思いますがすごい良い筋肉で。憧れでした」
「たしかに、あなたも凄い筋肉ですが……まさか」
桐生は微笑んだ。
「コウさん、僕たちと同じぽそうだから言うけど同性愛者なんです。あ、女性も大丈夫なんでバイセクシャル」
「は、はぁ」
コウはギクリとした。彼自身はバイセクシャルというよりもホモセクシャル寄りの好きになってもらったら誰で好きになるパンセクシャルだけども性的ではないノンセクシャルも混ざっている。
藤澤と桐生は付き合っていたのだ。藤澤は亜美と付き合っていたし、桐生は亜美のことを気にしていた。
「藤澤くんが亜美の肉体……まさか筋肉に乗り移ってるなんて。しかも意識はない、ああ……」
落ち込む桐生にコウは
「でも亜美さんの中に藤澤さんがいますから、共に生きれますよ」
と先ほど亜美が言った言葉を投げかけた。
「……はい。でも僕はあくまでも知らない、というていにしてくださいね。僕はひっそりと藤澤くんのいる筋肉を愛します……聞こえますかねぇ」
コウはうーんと考える。とある筋肉系お笑い芸人が筋肉に話しかけてるネタをしているのを思い出したのだがそれをやってみるとか? なんて提案するのも……と躊躇した。
「……感じ取ってはくれるかもしれませんねぇ」
としかコウは言えなかった。
「それに僕は……バイセクシャルではない、それだけは伝えておきます」
とも付け加えて。
「……そうなんだ。あと体鍛えたらもっといいと思うけどジム紹介しましょうか?」
ニコッと笑う桐生。さっきよりも距離を詰められているがコウはなんとも思わない。
「まぁ考えておきますよ、お安くなるなら。……ではご依頼のお代を……」
ビジネスモードのコウに戻った。桐生はがっかりしている。コウはこういうのに疎い。桐生に惚れられていたことにまったく気づいていなかったのである。
その夜、桐生は亜美の全ての筋肉にキスをした。でも亜美にとっては複雑な気持ちで、その筋肉は自分でないのにキスをするだなんて、という。
2人のすれ違いは亜美が死ぬまで続くのだろう。
動画では桐生と藤澤のことは触れなかった。触れるものではなかったとも思っているし互いに墓場に持っていくレベルの話である。
コウはやっぱ除霊しても良かったのでは……とも思ったが流石に人の命は落とすわけにはいかなかった、と。
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