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美佳子と虹雨
美佳子と虹雨 最終話
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「そやな、そんな思い出があったなー」
「うわっびっくりしたー」
虹雨がいつの間にか風呂から出て美佳子の話にわって入っていた。
「誰に話しとったんや。由貴は寝てるで」
「……なんで寝ちゃうのよっ、もぉ。お風呂も入らず寝るなんて」
虹雨はそっと由貴に毛布をかけてやる。それを見た美佳子は惚れ惚れと見る。
「なんで優しいこと……」
「そうかなぁー」
「もっと好きになっちゃうわー」
虹雨は苦笑い。すると
「やめとき、こんな男と」
と、由貴がむくっと起きた。自分の肩にかかった毛布を自分で巻いた。マフラーのように。
「こんな男って……コウクンかっこいいもん、普通寝てる人にサラッと毛布かける人いる?」
「……おらんなぁ」
「でしょでしょ!」
美佳子と由貴は盛り上がってる。虹雨は自分のしたことが恥ずかしくなった。顔を真っ赤にして由貴の巻いてある毛布をとってソファーに投げた。
「何するの」
「さっさとご飯食おうぜー冷めちまうってもう由貴、盗み食いしただろ」
「バレた?」
「バレバレやろ。先に食べやがって」
「……へへへっ」
2人は我先にご飯を突っつく。うまいうまいと舌鼓を打っているうちに美佳子はスーッと消えていた。
「美佳子さんに気に入られちまったな、俺ら」
「まぁ嫌われるかよりはいいよな」
「んだんだ」
「お前、食べ過ぎだろ」
「虹雨だっていつもすぐ食べちまうから先に食ってるだけだろ」
「弱肉強食だ、この世界は」
と由貴が食べようとしたお肉をスッと掬ってこれ見ようがしに目の前で食べる。
「クッソぁおおおおおお」
2人はまた喧嘩の始まり。
「もう、かと思ったからまだ作ってあるから食べなさい」
消えたかと思った美佳子が持ってきてさらによそった。由貴と虹雨は喜んだ。
「気がきくなぁ美佳子さん」
「ふふふ~もっといって!」
再び美佳子と由貴がわいわいと盛り上がっている姿を見て虹雨はふふっと笑った。数ヶ月前は死んだような顔をしてまさしく今すぐに飛んで死ぬ前だった由貴が笑っている。それだけでも虹雨は嬉しいのだ。
そしてこっそり由貴の食べる分を分けておく虹雨であった。
「うわっびっくりしたー」
虹雨がいつの間にか風呂から出て美佳子の話にわって入っていた。
「誰に話しとったんや。由貴は寝てるで」
「……なんで寝ちゃうのよっ、もぉ。お風呂も入らず寝るなんて」
虹雨はそっと由貴に毛布をかけてやる。それを見た美佳子は惚れ惚れと見る。
「なんで優しいこと……」
「そうかなぁー」
「もっと好きになっちゃうわー」
虹雨は苦笑い。すると
「やめとき、こんな男と」
と、由貴がむくっと起きた。自分の肩にかかった毛布を自分で巻いた。マフラーのように。
「こんな男って……コウクンかっこいいもん、普通寝てる人にサラッと毛布かける人いる?」
「……おらんなぁ」
「でしょでしょ!」
美佳子と由貴は盛り上がってる。虹雨は自分のしたことが恥ずかしくなった。顔を真っ赤にして由貴の巻いてある毛布をとってソファーに投げた。
「何するの」
「さっさとご飯食おうぜー冷めちまうってもう由貴、盗み食いしただろ」
「バレた?」
「バレバレやろ。先に食べやがって」
「……へへへっ」
2人は我先にご飯を突っつく。うまいうまいと舌鼓を打っているうちに美佳子はスーッと消えていた。
「美佳子さんに気に入られちまったな、俺ら」
「まぁ嫌われるかよりはいいよな」
「んだんだ」
「お前、食べ過ぎだろ」
「虹雨だっていつもすぐ食べちまうから先に食ってるだけだろ」
「弱肉強食だ、この世界は」
と由貴が食べようとしたお肉をスッと掬ってこれ見ようがしに目の前で食べる。
「クッソぁおおおおおお」
2人はまた喧嘩の始まり。
「もう、かと思ったからまだ作ってあるから食べなさい」
消えたかと思った美佳子が持ってきてさらによそった。由貴と虹雨は喜んだ。
「気がきくなぁ美佳子さん」
「ふふふ~もっといって!」
再び美佳子と由貴がわいわいと盛り上がっている姿を見て虹雨はふふっと笑った。数ヶ月前は死んだような顔をしてまさしく今すぐに飛んで死ぬ前だった由貴が笑っている。それだけでも虹雨は嬉しいのだ。
そしてこっそり由貴の食べる分を分けておく虹雨であった。
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