最高で最強なふたり

麻木香豆

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美佳子と虹雨

美佳子と虹雨 プロローグ

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 2人は家に帰ると玄関で真っ先にツナギを脱いで下着を脱ぎながら部屋に入り2人ぱパンツ一丁でリビングに入ると……

「キャァあああああああ!!!!」
「うわわわあああああああああああ~~!1!!!」

 そう、この時間帯は美佳子が料理をして待っている時間帯である。それを2人は疲れのあまりにすっかり忘れて入ってきてしまった鉢合わせしてしまったのである。美佳子はキャーキャー言いながら台所に引っ込んでしまったが、ダイニングの机の上には美味しそうな料理が並べられている。

「俺は先に入る!」
「マジかよ、早よ出てこい」
 由貴だけダイニングに残ったがダイニングに残っていたパジャマを着て台所に行く。顔を覗かせると美佳子が顔を真っ赤にしている。

「すまんなぁ、男2人の家にいるってことはこういうことやで」
「べ、別に……見慣れてますから。あっくんも普段上半身裸でウロウロしてたし」
「見慣れてる……かぁ」
 由貴は意外とサバサバとしている美佳子に笑ってしまった。
「もぉ、由貴さん達ったら私のこと茶化さないで」
 さんとは言われていても美佳子は十五年前に死んだ幽霊のため正確には虹雨と由貴は美佳子よりも年下になるのだが、美佳子自身は彼らのことは年上だと思っているのである。

 それよりも台所からいい匂いがする。机に並べられたもの以外の料理もあるようだ。由貴は奥を覗き込もうとすると美佳子は座って座ってとダイニングに座らせられた。
「出すのはこうちゃんが来てからよ」
 美佳子は虹雨のことをこうちゃんと呼ぶのだが気に入っているのは虹雨の方だと由貴は知っているのではいはい、ともう置いてある肉団子をつまみ食いをする。見られてなかったようでもう一個つまみ食いしようとしたが
「こら、つまみ食いしたらダメよ」
 見られていた。そんな由貴にお茶を渡す。ごくごくと飲み干して由貴は喉の渇きを潤した。
「今日もお疲れね。お洋服はどうしたの」
「玄関に脱ぎ捨てた。明日午前中に洗濯する。もうご飯食べて寝たい」
「そんなに疲れたのね……お疲れ様です」
「いえいえ、そんなことはないです」
 そもそも由貴は虹雨と美佳子の出逢ったエピソードを聞いたことがなかった。
「美佳子さんは虹雨のことどう思ってるん」
 さっき車の中で虹雨が好きな人がいると話していたが濁されてすっきりしない。美佳子なのか、でも幽霊だし、他に思い当たるものもなく。

「まぁいいお兄さんって感じ、イケメンだし。可愛いし。じゃないとご飯作らないわよ」
「そうなん……」
 ……の後に自分は? と聞きそうになったが黙っておいたがその代わりにこの質問を。

「2人の出会い教えてほしい」
「あはは、いつ聞かれるかと思ったわ~教えてあげる」
 美佳子はしゃべり好きだってことはのちにわかることだが由貴は聞くことにした。
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