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ただいま
第二話
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2人は地元でも大きな山の前に着いた。その前にはお寺があり、とても広い境内、野良猫たちがニャーニャーと鳴いている。
「猫は昔よりも減ったな……」
「そやな、昔は猫捨寺とか言われとったもんな。僧侶さんが猫好きだからと言ってさ……」
門の前では2人の坊主が立っていた。待っていたかのように。
「お待ちしておりました」
「それでは、行きましょう」
虹雨はその2人に右手を上げて気軽に挨拶をするが、由貴は久しぶりすぎて初めて見るその坊主たちに頭を下げる。坊主たちも誰だ、と見ている。
「虹雨、なんか変わったなぁ……昔よりも」
「そやなぁ、色々変わったなぁ。でも基本は変わらんし、天狗様も元気にしとるよ」
「そかそか……」
「そかそかって、お前は天狗様に助けてぇってゆうたのに全く……」
「そやったなぁ」
2人は坊主たち着いていくと更に奥の門の前に誰かが立っていた。180センチ近い由貴よりもデカい袈裟を着た男。
「虹雨、また来たか……って横にいるのは」
「倉田さん、由貴ですよ。都会で死にかけていたところを救って連れて帰りました」
「ほぉ、死にかけていた男がまた死にかけたのか、はははっ。大きくなったなぁ。まぁあの時も大きかったけどなぁ」
倉田という男はずっと笑っていた。彼はこの寺を取り仕切る僧侶でもあり、冠婚葬祭の事業をまとめている倉田グループの社長でもある。
「なんか前見た時より雰囲気変わった気がするけども、倉田さん」
由貴が虹雨に耳打ちする。
「外見だけ変って中身はそのままだ。前の外見は修行中に死んだ」
「死んだっ???」
倉田が振り返った。声が大きすぎたと由貴は口を閉じる。倉田が門を開けさらに奥に進んでいく。
「中身だけ入れ替え……どういうことだよ」
「まぁ話が長くなるからまた今度な」
「ふうむ……」
「あまり変なこと聞かんほうがいい、あいつの中身はやばいって知ってるだろ」
「……あぁ、そやな」
由貴は思い出したのだ。子供の頃に虹雨と由貴で霊能力を手に入れて天狗様のお膝元で地元の心霊現象を解決したり、悪さをする霊達を退治したりして地元では有名になっていた2人だった。さらに取材を受けじわじわと知名度が上がりお金ももらうようになった。
しかし2人の活動を知ったお金儲けをしようとしたテレビ局などマスコミ達が利用してやろうと誇大に取り上げ始めた。
これではいけないと思った天狗様が直属のお世話役の倉田が2人の元に現れて2人の活躍の記憶をこの世から消したのだ。2人には記憶はあるのだが。
「……下手なことをまたしたら記憶を消されるだけでは済まないぞ」
虹雨がそういうと倉田が振り向いてニヤッと笑って2人はゾッとした。そしてカラス達がバァああああああっと飛び立った。
「猫は昔よりも減ったな……」
「そやな、昔は猫捨寺とか言われとったもんな。僧侶さんが猫好きだからと言ってさ……」
門の前では2人の坊主が立っていた。待っていたかのように。
「お待ちしておりました」
「それでは、行きましょう」
虹雨はその2人に右手を上げて気軽に挨拶をするが、由貴は久しぶりすぎて初めて見るその坊主たちに頭を下げる。坊主たちも誰だ、と見ている。
「虹雨、なんか変わったなぁ……昔よりも」
「そやなぁ、色々変わったなぁ。でも基本は変わらんし、天狗様も元気にしとるよ」
「そかそか……」
「そかそかって、お前は天狗様に助けてぇってゆうたのに全く……」
「そやったなぁ」
2人は坊主たち着いていくと更に奥の門の前に誰かが立っていた。180センチ近い由貴よりもデカい袈裟を着た男。
「虹雨、また来たか……って横にいるのは」
「倉田さん、由貴ですよ。都会で死にかけていたところを救って連れて帰りました」
「ほぉ、死にかけていた男がまた死にかけたのか、はははっ。大きくなったなぁ。まぁあの時も大きかったけどなぁ」
倉田という男はずっと笑っていた。彼はこの寺を取り仕切る僧侶でもあり、冠婚葬祭の事業をまとめている倉田グループの社長でもある。
「なんか前見た時より雰囲気変わった気がするけども、倉田さん」
由貴が虹雨に耳打ちする。
「外見だけ変って中身はそのままだ。前の外見は修行中に死んだ」
「死んだっ???」
倉田が振り返った。声が大きすぎたと由貴は口を閉じる。倉田が門を開けさらに奥に進んでいく。
「中身だけ入れ替え……どういうことだよ」
「まぁ話が長くなるからまた今度な」
「ふうむ……」
「あまり変なこと聞かんほうがいい、あいつの中身はやばいって知ってるだろ」
「……あぁ、そやな」
由貴は思い出したのだ。子供の頃に虹雨と由貴で霊能力を手に入れて天狗様のお膝元で地元の心霊現象を解決したり、悪さをする霊達を退治したりして地元では有名になっていた2人だった。さらに取材を受けじわじわと知名度が上がりお金ももらうようになった。
しかし2人の活動を知ったお金儲けをしようとしたテレビ局などマスコミ達が利用してやろうと誇大に取り上げ始めた。
これではいけないと思った天狗様が直属のお世話役の倉田が2人の元に現れて2人の活躍の記憶をこの世から消したのだ。2人には記憶はあるのだが。
「……下手なことをまたしたら記憶を消されるだけでは済まないぞ」
虹雨がそういうと倉田が振り向いてニヤッと笑って2人はゾッとした。そしてカラス達がバァああああああっと飛び立った。
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