最高で最強なふたり

麻木香豆

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真新しいエレベーター

第一話

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 夕方。
「はぁ」
「ふぅ」
 と同時に、二種類のため息が。由貴と虹雨は顔を合わせる。由貴はヘッドホンをしていたため視線で気付いたようだ。

「なんなん」
「なんでもない。由貴はどうや」

 2人ノートパソコンを突き合わせてブランチの後からずっと作業をしている。かれこれ二、三時間か。

「動画三本目の作業中」
「手際良いな」
「あんがと、部屋の環境がええからや。虹雨は」
「……まぁそこそこ」
「……」
「なんや!」

 虹雨のパソコンを見るとネットサーフィンをしていた。自分のエゴサーチ。

「……俺に動画作らせておいて……」
「息抜きや、息抜き。ちゃんと報告書書いとる」
「自分一人でできる除霊作業を僕も巻き込んで……そしてその報告書一枚書くのに何時間かけとんのや」
「報告書一枚にもちゃんとした書き方があるから難しいんやて」

 言い訳をしながら虹雨は言い訳をしながらもタイピングを始める。どうやら本格的に打ち込み始めたようだ。

 由貴は音響チェックをし、三本目も終わらせた。

「由貴はほんと早いなぁ、なんで動画作るのを仕事にしなかったんや」
「なんでやろなー……生活のために、お金稼ぐために働いてたような気もする」
「所謂、ライスワークか」
「ライスワーク? ライフワークやなくて?」
「そ、お金稼ぐため、飯食うための仕事。で、俺は今ライフワークやで。お金にならんが生き甲斐になっとる」
「……除霊して動画作成して……稼げんのやな」
「ルームロンダリングもそこまで稼げへんし。って興味持ったんか」

 由貴はコクリと頷いた。コーヒーが尽きかけたことに気づかずコップに口をつけてコーヒーがないことに気づいた。
 そのコップを虹雨が取り上げコーヒーを入れに行く。

「悪い」
「もう二杯ぐらいやってる」
「気づかなかったわ……あんがと」
「お前という奴は。ほんと昔と変わらん」

 由貴は集中してしまうと周りが見えなくなる。子供の頃その世話焼きを虹雨がしていた。

「……虹雨もかわらんわぁ」
「そか?」
「にしてもその仕事……どこから依頼が来るんや」
「やっぱり興味あるんやん」
「あるある、もう俺に残ってるのは幽霊みえる力しかない……」

 と由貴はノートパソコンを閉じてヘッドホンを置き、立ち上がって両腕を上げて伸びをした。

「でかなったな」
「そうか、お前がチビのままやろ」
「るせぇよ。ミニマムサイズの方が動きやすいんや」

 と虹雨も、立ち上がって伸びをするが由貴には届かない。頑張ってさらに伸びても届かないのに由貴はさらに伸びる。

「足が短いから無理やな」
「くそっ」
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