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短編集
ジューンブライド
しおりを挟む「はい、こっち見てー」
もう、至近距離で撮影しないで。李仁。
「今日は天気に恵まれてよかったよね」
「まぁそうだけどさぁ」
互いに薄いブルーのタキシードを着ている。場所はとある結婚式場。母さんの雑誌のモデルとしてボランティアで来ているわけで(教員のため副業禁止)。李仁は賃金発生している。いいよなー。
元々は毎年この季節になると李仁だけタキシードを着てモデルをしているのだが、ここ最近の同性婚に対する理解を深めることもあり、今回からは僕も参加(学校にも許可済み)しているのだ。よかった、僕は学校でLGBTQに関する講演や授業も担当してるのでその辺は理解があったようだ。
でも明らかにスタイルが違うぞ。180超えの李仁、170もない僕。しかも小さい割には剣道で鍛えられてるから普通のチビの体格とは違うのだ。
それぞれタキシードもオーダーメイド。少し僕はシークレットブーツ履いてるけど。ようやく170超える。
「身長差は気にしなーい。同性であることを気にしてないくせに体格差は気にするの? 」
ごもっともです、母さん。実際の式は白のタキシードしか着てないからなぁ。
「いいものが撮れたわ。さすが毎年モデルをしてくれている李仁くんのリードもあっていい表情撮れたわ」
他にも和装や2着ほどカラータキシードに着替えて撮影が終わったのは夜の8時。途中で弁当や軽食が出たが少しお腹空く。
母さんを始め、撮影、編集、衣装、メイクスタッフ、式場スタッフは疲れながらも拍手で撮了を終える。たくさんのスタッフさんがいて雑誌ができるのか。今の時期に撮影して夏過ぎに載るらしい。
生徒に見られるかなー。恥ずかしいよ。
「なんかもう一回結婚式挙げたいわ」
「えっ、もう一回?」
「今の、プロポーズみたいなものなのにー。断られちゃったー」
「プロポーズだったの? うそだろぉ」
「そいや式の後は入籍して、初夜はすっごく激しかったの覚えてる?」
「わざと一週間禁欲してたんだろ? 覚えてる。李仁がすっごく色っぽかった」
「いやダァ、覚えてた? もぉすっごくやばくて……思い出すだけで……」
「ばか、更衣室だけど誰かきたらどうするんだよ」
「大丈夫、声出さないから」
「僕が出てしまう」
「もぉ、欲しがりさん」
「……ん、ずっともっといちゃつきたかった」
「わたしも」
「キスもしたかった」
チュッチュとわざと音を立てる。舌を入れて、激しく。李仁も激しく応える。
更衣室の鍵を閉めて、立ちバック。誰か来るのではとドキドキしながらのシチュエーションはさらに燃える、と耳元で囁かれて李仁は後ろから突きまくる。
「あん、ダメ……ごめん、早くイきそう、気持ち良すぎて」
「僕もダメだっ、出しそう……」
「あっ、ミナくんのあそこもすごくやばい……んんんっ、ああっ」
「あっあっ!!! 」
李仁は僕の中に大量に射精し、僕のあそこも擦ったおかげで射精した。今日はコンドームがなかった。普段はつけるのに急遽……。
終わった後、たくさんキスをした。シャワールームもあったからそこで綺麗に処理して、今度は僕が李仁に入り、もういっかい出しまくって、満足して外を出る。すっかり暗くなってて母さんだけが待ってた。
「あんたたちが遅かったから雑誌スタッフ先に帰ってもらったわ」
「ごめん」
「まぁ、仲がいいことは良いことよ。今日はお疲れ様」
と李仁は封筒を渡されていた。……て、まさか……。
「きっとセックスしてる時の声聞こえたかもね」
と、ぺろっと舌を出す李仁。ぺろっじゃないよ……。恥ずかしい。声出さないとか言ったけど出ちゃったし。
「ミナくん、新婚の時の気持ち……忘れずにこれからもよろしくお願いします」
「僕も、よろしくお願いします……」
照れくさいや。
「お家帰ってもう一戦」
「今日は早く寝るぞ」
「やん、早くイッて寝るのね」
「さっきのお前は早くイきすぎだったぞ」
「やだぁ、ミナくんもじゃない 」
相変わらずな僕らである。
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