49 / 63
第二幕
事情聴取。
しおりを挟む
そして無事に雪の中から助け出された私はテントの中で男子軍に事情聴取されていた。
「っで、どうしたんだ?準備中にいきなり飛び出すし、帰ってくるなり気の上で黄昏てるし…。」
「黄昏てねぇよ。ドラゴンが上を飛んだんだ、やつと似てたから追いかけたらやつで…小さな村が一つ…無くなった。」
「「「「っ!!!」」」」
そう言えば四人も何かを察したかのように黙り切った。まぁ、そうなるわな…。自分の街もそうなる可能性があるとなると。
「さ、寝よ。明日も長いよ。」
そして私は毛布にくるまって芋虫のようになる。私の位置はちょうど真ん中で右からアルゼ先輩、カルト先輩、私、ケアドル来てネズ先輩だ。両端二人と私は寝相いい組で、それ以外二人が寝相壊滅的組だ。芋虫のような私を見て寝るか、とみんな眠りについた。
翌日私は謎の圧迫感で目が覚めた。謎ではないんだがな…。そしてなぜだか目は開けてるのに何も見えないし動きにくい…どういうことになってるんだ?
「アルゼせんぱーーい」
もう起きてるであろう彼を大きな声で呼び出す。しかし音沙汰なく…。
「ネズせんぱーーいー!」
と呼ぶとすぐにテントを開く音がした。
「またかー…どこいんだ?お前。」
何言ってんだと思いながら私はもぞもぞと動いてみると、少しして視界がぱっと明るくなった。しばらくは明るさに目か慣れず分からなかったが、しばらくするとよく見えるようになった。ネズ先輩がしゃがんで毛布を捲っている。どうやら私は毛布の中にいたらしい。さらに両隣にピッタリ毛布の上から挟まれたから身動きが取れなくても周囲が暗かったらしい。迷惑な話だぜ。本当に芋虫みたいにもぞもぞと脱出して、仕返しと言わんばかりに両隣の二人を一発蹴ってやった。
しばらくして二人が起きたら私達はいよいよもう一度出発した。テントの前の雪に突き刺してあったスキー板を見るがそこにはなく、代わりにまたメモが落ちていた。
「えっと…スキー板はあまりにも悲惨すぎたから代わりにそり用意したからそっち使って。だってよ。ありが…てぇ…。」
そしてそのそりを見ると相当見事な作りだがこれはひどい、簡単に言えば大きな一個のそりに振り落とされないように掴む所がいくつかついているといったものだ。しかしこれしかないから文句の言い様がないのでテントなどを小さくたたんで、二番目のスペースに乗せた。そりはスペース一つにつきだいたい二人が乗れるようになってる。それが前の手すりじゃなくカバー的なところも含めて四つある。典型的なサンタさん的なそりになっていた。
「っで、どうしたんだ?準備中にいきなり飛び出すし、帰ってくるなり気の上で黄昏てるし…。」
「黄昏てねぇよ。ドラゴンが上を飛んだんだ、やつと似てたから追いかけたらやつで…小さな村が一つ…無くなった。」
「「「「っ!!!」」」」
そう言えば四人も何かを察したかのように黙り切った。まぁ、そうなるわな…。自分の街もそうなる可能性があるとなると。
「さ、寝よ。明日も長いよ。」
そして私は毛布にくるまって芋虫のようになる。私の位置はちょうど真ん中で右からアルゼ先輩、カルト先輩、私、ケアドル来てネズ先輩だ。両端二人と私は寝相いい組で、それ以外二人が寝相壊滅的組だ。芋虫のような私を見て寝るか、とみんな眠りについた。
翌日私は謎の圧迫感で目が覚めた。謎ではないんだがな…。そしてなぜだか目は開けてるのに何も見えないし動きにくい…どういうことになってるんだ?
「アルゼせんぱーーい」
もう起きてるであろう彼を大きな声で呼び出す。しかし音沙汰なく…。
「ネズせんぱーーいー!」
と呼ぶとすぐにテントを開く音がした。
「またかー…どこいんだ?お前。」
何言ってんだと思いながら私はもぞもぞと動いてみると、少しして視界がぱっと明るくなった。しばらくは明るさに目か慣れず分からなかったが、しばらくするとよく見えるようになった。ネズ先輩がしゃがんで毛布を捲っている。どうやら私は毛布の中にいたらしい。さらに両隣にピッタリ毛布の上から挟まれたから身動きが取れなくても周囲が暗かったらしい。迷惑な話だぜ。本当に芋虫みたいにもぞもぞと脱出して、仕返しと言わんばかりに両隣の二人を一発蹴ってやった。
しばらくして二人が起きたら私達はいよいよもう一度出発した。テントの前の雪に突き刺してあったスキー板を見るがそこにはなく、代わりにまたメモが落ちていた。
「えっと…スキー板はあまりにも悲惨すぎたから代わりにそり用意したからそっち使って。だってよ。ありが…てぇ…。」
そしてそのそりを見ると相当見事な作りだがこれはひどい、簡単に言えば大きな一個のそりに振り落とされないように掴む所がいくつかついているといったものだ。しかしこれしかないから文句の言い様がないのでテントなどを小さくたたんで、二番目のスペースに乗せた。そりはスペース一つにつきだいたい二人が乗れるようになってる。それが前の手すりじゃなくカバー的なところも含めて四つある。典型的なサンタさん的なそりになっていた。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
家庭の事情で歪んだ悪役令嬢に転生しましたが、溺愛されすぎて歪むはずがありません。
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるエルミナ・サディードは、両親や兄弟から虐げられて育ってきた。
その結果、彼女の性格は最悪なものとなり、主人公であるメリーナを虐め抜くような悪役令嬢となったのである。
そんなエルミナに生まれ変わった私は困惑していた。
なぜなら、ゲームの中で明かされた彼女の過去とは異なり、両親も兄弟も私のことを溺愛していたからである。
私は、確かに彼女と同じ姿をしていた。
しかも、人生の中で出会う人々もゲームの中と同じだ。
それなのに、私の扱いだけはまったく違う。
どうやら、私が転生したこの世界は、ゲームと少しだけずれているようだ。
当然のことながら、そんな環境で歪むはずはなく、私はただの公爵令嬢として育つのだった。
この称号、削除しますよ!?いいですね!!
布浦 りぃん
ファンタジー
元財閥の一人娘だった神無月 英(あずさ)。今は、親戚からも疎まれ孤独な企業研究員・27歳だ。
ある日、帰宅途中に聖女召喚に巻き込まれて異世界へ。人間不信と警戒心から、さっさとその場から逃走。実は、彼女も聖女だった!なんてことはなく、称号の部分に記されていたのは、この世界では異端の『森羅万象の魔女(チート)』―――なんて、よくある異世界巻き込まれ奇譚。
注意:悪役令嬢もダンジョンも冒険者ギルド登録も出てきません!その上、60話くらいまで戦闘シーンはほとんどありません!
*不定期更新。話数が進むたびに、文字数激増中。
*R15指定は、戦闘・暴力シーン有ゆえの保険に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる