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序章
覚えのある絶望-2
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口を開いた支配人は、困ったような微笑みで話し始めた。
「そう、二回目よ…。二年前の試合を上がいたく気に入ってね、あの興奮をもう一度ということで…。そのせいでしょうね、あなたが望むなら極力願いは叶えるよう言われてるわ。」
やれやれと言うような素振りの支配人は私の部屋を見て回っている。ホログラムなのでものに触れることこそできないから見て回っているだけでっ少し寂しそうだが、しかし私としてはその大きなドレスで辺りが散らかされなくてありがたい。
「気に入られることなんてしたかな…?ちなみに辞退って願いは聞き入れてもらえるの?」
「ざーんねん、それはお勧めしないわ。あぁそうだわ、忘れてた。前のものが残っているか確認して。」
そうポンと手を打った支配人は私が腰かけるベッドに寝転んで私の手元を見る、そんな視線に少し緊張しながら慣れた手つきの指先で目の前の何もない空間を撫でるように…左から右へ…。そうすれば後を追うように黒い液晶があらわれる、まるでゲーム画面のようにほんの少し空いた一定の感覚で金のふちが周囲を囲んでいる。そこには綺麗な字でそれぞれなんのページなのかを表している。一番最初はよく聞く一般的なホーム。その画面では運営からのお知らせということで今日の日付に連なるのは、二年前私が優勝した日のものだった。今日の日付には心なしか明るく感じる文面で『七九一三番目の惑星にて第九十五回目のトランプ・ゲームのプレイヤー決定』と書いてある、そこを指先で軽く触れば自然と動画が開きルール説明が流れる。
≪はいはーい!みんなの支配人でーす!さて、近日第七九一三惑星にて開催される九十五回目のトランプ・ゲーム。では!初めてという方のためにルール説明をさせていただきます。≫
かなり長かったのでかわりにどこかの誰かがまとめた画像があるのでここに張り付けておくので各自目を通してくれ。
ホームから自分の顔写真のアイコンをタップしてとんだ先はお馴染みのマイルーム、そこには今まで撮った写真だったりトランプ・ゲーム特有通貨であるS(スート)の文字。その星の通貨に合わせて¥1=1Sとなっている。通貨は以前のものを引継ぎしていてくれたようだ。かなりの額が入っていた。写真の中には初めて集まったぎこちない笑顔の四人、前回の私のパーティーのメンバーだった。そして今日には新しくパーティーが決まる。私は前回の写真を選んで新しくフォルダを作成した。
「フォルダの名前…どうしようかな…。」
「あぁ…前のパーティーの番号なんてどうかしら。確かクラブの25よね。」
少しの間考えて私たちの共通点は大体そんなもんだなと考え、名前の変換を始めれば画面と私の間にキーボードが出てきてたのでそこに指を滑らせる。
「案外いいアイデア出すじゃん。採用。」
フォルダの名前は≪♧25≫。その隣に私は新しいフォルダを作った、名前はまだ無い。
「さて…拠点までは転移するんだよね、家具に関しては前と同じレイアウトで揃えておいて。準備できたら声かける。」
「うん、わかったわ。ゆっくりしてもいいわよ。」
そういってホログラムは消えて静かな室内が返ってきた。
「そう、二回目よ…。二年前の試合を上がいたく気に入ってね、あの興奮をもう一度ということで…。そのせいでしょうね、あなたが望むなら極力願いは叶えるよう言われてるわ。」
やれやれと言うような素振りの支配人は私の部屋を見て回っている。ホログラムなのでものに触れることこそできないから見て回っているだけでっ少し寂しそうだが、しかし私としてはその大きなドレスで辺りが散らかされなくてありがたい。
「気に入られることなんてしたかな…?ちなみに辞退って願いは聞き入れてもらえるの?」
「ざーんねん、それはお勧めしないわ。あぁそうだわ、忘れてた。前のものが残っているか確認して。」
そうポンと手を打った支配人は私が腰かけるベッドに寝転んで私の手元を見る、そんな視線に少し緊張しながら慣れた手つきの指先で目の前の何もない空間を撫でるように…左から右へ…。そうすれば後を追うように黒い液晶があらわれる、まるでゲーム画面のようにほんの少し空いた一定の感覚で金のふちが周囲を囲んでいる。そこには綺麗な字でそれぞれなんのページなのかを表している。一番最初はよく聞く一般的なホーム。その画面では運営からのお知らせということで今日の日付に連なるのは、二年前私が優勝した日のものだった。今日の日付には心なしか明るく感じる文面で『七九一三番目の惑星にて第九十五回目のトランプ・ゲームのプレイヤー決定』と書いてある、そこを指先で軽く触れば自然と動画が開きルール説明が流れる。
≪はいはーい!みんなの支配人でーす!さて、近日第七九一三惑星にて開催される九十五回目のトランプ・ゲーム。では!初めてという方のためにルール説明をさせていただきます。≫
かなり長かったのでかわりにどこかの誰かがまとめた画像があるのでここに張り付けておくので各自目を通してくれ。
ホームから自分の顔写真のアイコンをタップしてとんだ先はお馴染みのマイルーム、そこには今まで撮った写真だったりトランプ・ゲーム特有通貨であるS(スート)の文字。その星の通貨に合わせて¥1=1Sとなっている。通貨は以前のものを引継ぎしていてくれたようだ。かなりの額が入っていた。写真の中には初めて集まったぎこちない笑顔の四人、前回の私のパーティーのメンバーだった。そして今日には新しくパーティーが決まる。私は前回の写真を選んで新しくフォルダを作成した。
「フォルダの名前…どうしようかな…。」
「あぁ…前のパーティーの番号なんてどうかしら。確かクラブの25よね。」
少しの間考えて私たちの共通点は大体そんなもんだなと考え、名前の変換を始めれば画面と私の間にキーボードが出てきてたのでそこに指を滑らせる。
「案外いいアイデア出すじゃん。採用。」
フォルダの名前は≪♧25≫。その隣に私は新しいフォルダを作った、名前はまだ無い。
「さて…拠点までは転移するんだよね、家具に関しては前と同じレイアウトで揃えておいて。準備できたら声かける。」
「うん、わかったわ。ゆっくりしてもいいわよ。」
そういってホログラムは消えて静かな室内が返ってきた。
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