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アナタが言って。
しおりを挟む「『好きです』」
「『愛してる』」
「『付き合ってください』」
「『僕には君しかいない』」
「『僕だけのものになってください』」
「『帰らないで』」
「『ずっと一緒にいてください』」
「『君だけは何があっても離さない』」
「『毎日君の笑顔で朝を迎えたい』」
「『結婚しよう』」
「『君だけを幸せにしたいんだ』」
何度も繰り返したスティック砂糖の往来。ブラックコーヒーしか飲めない私たちの古今東西ゲーム。罰ゲームは、お馴染みコーヒーに砂糖。
「それ、『俺が幸せにしたいのは君だけだ』の方が、キュンとしない?」
今日のお題は、彼氏に言われたいキュン台詞。
返事はすぐになく、ストローで氷を転がす音が聞こえた。
「これ、むなしくない?」
ファミレスの陽気な音楽が、突然大きくなった。気がした。
「今さらだよ」
台詞を口にするたび、徐々にうつむいていった顔。それは、恥ずかしさのせいじゃなかった。
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